和製地デジ 狙うはアフリカ??? - 山田肇

2010年07月23日 08:11

日本方式の地上デジタル放送が世界に普及し始めたという記事がこのところ繰り返し掲載されている。7月21日付けの産経エクスプレスは『和製地デジ 狙うはアフリカ』。「携帯電話でガラパゴス化に陥った苦い教訓」から「世界標準を獲得することの大切さが骨身にしみ」「官民一体で世界標準を狙う構え」だそうだ。一方、7月20日の日本経済新聞は『日本とブラジル、地デジのアフリカ売り込みで協調』と伝える。『ボリビア多民族国における地上デジタルテレビ放送日本方式の実施に関する覚書の署名』という7月20日付けの大本営発表と機を一にしての大宣伝である。

しかし、日本とブラジルの方式は映像・音声・データの符号化方式がすべて異なる。南米で普及し始めアフリカに売り込んでいるのは、日本方式を基に新たに開発されたブラジル方式だ。そのうえ「普及し始めている機器に日本製ではなく、サムスン電子やLG電子などの韓国勢が目立つことだ。日本が地デジの規格採用に躍起になっている間に、韓国勢は規格に対応した製品を売り込む」(6月9日付日本経済新聞)という。

国際標準化の段階で日本方式には広い支持が集まらなかった。今、総務省は頑張っているが、それは国際標準化失敗のいわば「敗戦処理」なのだ。この失敗を繰り返さないためには、標準は普及して初めて価値が出る、ということを意識して、知的財産・標準化・ビジネス(普及)戦略を立てる必要がある。今日のセミナーでその話をするが、満席になってしまったのでUSTREAMで中継することにした。ぜひご覧いただきたい。

山田肇 - 東洋大学経済学部

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑