「大学生が多すぎる」だけが就職難の原因ではない ―バブル世代と氷河期世代 - 赤沢良太

2010年12月09日 00:36

私が入社したのは、氷河期世代の末期、2003年だった。就活は困難を極め、在学していた早稲田大学の理工学部の学生でも、苦戦を強いられていた。 (もちろん大学を問わず、優良企業から内定を取りまくる非常にコミュニケーション能力の高い人間もいたが。)就活は一度きりの経験なので、私は就活とは、そんな厳しいものだと思いながらも、幸運にも、何社からか内定を頂くことができた。


入社してから驚いたことは、30代も後半の係長が、私が部署で初めての後輩だと、とても喜んでくれたことだ。そんな先輩たちの何人かを見て、自分の就活が厳しかった感覚からすると、なんでこんなにコミュニケーション能力がないのに、内定をもらえた人がいたのだろうかと、少なからず疑問に思うことがあった。

10,000人を超える程度の会社なのに、バブル期には1,000人近く取っていたという。場合によっては、学生にアピールするために初任給を上げて、前年の新入社員よりも給料が高くなったという事態も発生したらしい。おかげで、バブルが弾けたあと採用を極端に手控えたので、後輩がなかなか入って来なかったということだ。

私の同期は60人程度で、皆優秀な大学の卒業生だった。これだけ優秀な人間が集まってくるのなら、この時期をチャンスだと思って、採用枠を増やせばいいのにと、面接で直接人事にこちらから提案したくらいだ。

逆に、その数年後には、団塊世代の退職に備えて、どの業界も横並び的に大量採用が復活した。相当レベルを落とした採用を行ったことは、想像に難くない。結果、私は20代半ばで、部署に数名の後輩が配属されることになった。

私はその会社を去ったが、今では働き盛りの30代が足りず、業務に支障をきたすこともあるらしい。

現在の就活の困難は、「大学生が多すぎる」 のが原因かもしれないが、日本企業の内向きで無計画な採用のせいで、ものすごい世代間のアンバランスが生まれた時期があったことも、決して忘れて欲しくないと思う次第である。
(赤沢良太 一級建築士)

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