Googleが公平性を失えばチャンス - 安武和宏

アゴラ編集部

Yahoo!が自社による検索エンジンの開発をやめ、Goole検索エンジンの採用に踏み切りましたが、検索エンジンの研究開発には膨大な研究費と膨大なサーバー運用費がかかる以上、営利企業としては致し方ない選択だと思います。残るのはMS社のBingですが、報道記事によりますと、MSN自体は単体黒字らしいですが、Bingの研究開発費が膨大な赤字を生み出してるようです。MS社もいつ撤退してもおかしくない状態でしょう。


一方でBaidu検索エンジンがありますが、これは撤退することはないと思います。それは中国としてはGoogleにのみ検索を依存する訳にはいかないからです。

公平さを標榜するGoogle社ですが、地図サービスなど自社で運用するサービスを検索結果で不当に上位に上げているという批判がニューヨクタイムズに掲載されました。

確かにGoogleは現時点では公平に見えますが、さすがに自社サービスと他社サービスを公平に扱うのは難しいと思います。

検索事業は鉄道やガス水道のような必須インフラ事業だと思います。ただし、ネットの世界では地域性が消し飛ぶため、純粋に性能や資金力の高いサービスが寡占化していくのは仕方がないと思います。

他の事業体が検索サービスを行うことをGoogle自体は妨害はしてないと思います。そういう意味では独占禁止法に当たらないという判断は妥当だと思います。

ただ、検索サービスを占有することで、他のWEBサービスへの導線を不要に独占する恐れは高いと思います。

しかし、本質的な公平性をGoogleが失うことがあれば、別のサービスが公平性を武器に勃興すると期待できます。

Googleが信用を失えば新たなチャンスが生まれるわけです。

それが自由と競争のインターネットの強さだと思います。
(安武和宏 会社員)