イマドキの起業の経過報告 @sorahikaru

2010年12月30日 01:18

昨年の2月に「イマドキの起業のしたか」というブログを書いた。思いのほか反響が大きく自分でも驚きだった。

イマドキの起業をした僕自身のジークラウド社も1年経つので経過報告と我々を取り巻く環境について話をしようと思う。

結論から言うと、これほど起業しやすい時代はかつてなかったかもと思う。ジー社は創業当初からローコストオペレーションに徹したのでスタートアップベンチャーとしては珍しく早々に単月度黒字を達成し、通年でも数千万円の開発投資をしたにも関わらず、黒字決算で締めることができた。思った通りクラウドコンピューティングとソーシャルグラフを活用すればそこそこ満足いく起業できることを自分で証明できたと思う。


去年の今頃、起業にあたって3つの力を利用しようと思っていた。

一つ目はクラウドコンピューティング
 →Google AppsとAmazon Web Service、そしてSalesForceを活用すればそこそこのビジネスインフラが構築できると確信しており、想定通り、初期投資はほとんどなしで必要なシステムを実現できた。

二つ目はiPhone、すなわちAppleの生み出す波に乗ること
 →自分の能力だけでビジネスを0から始めるより、目の前の圧倒的な波に乗れるならそれを利用した方がいい。ジー社の場合、iPhoneアプリ開発というニーズの大波が迫っていたので、「iPhoneアプリが作れます」というシンプルなキャッチフレーズでスクールを運営した。これがRainbowAppsというウェブサービスの収益モデルとしてうまく機能してくれた。

三つ目は成長するためにこの2つにAndroidを掛け合わせた、スマートフォン×クラウドコンピューティングビジネスの確立
 →これは2008年~2009年ごろに遡ることができる。当時明らかにインターネットはモバイル、そしてコンピュータソリューションのデータセンターはクラウドに移行し始めていて、ビジネスソリューションの提供方法が劇的に変わるだろうと信じていた。この力を利用するためには経営の意思決定スピードが最も重要だったが、当時の大企業にはそのような変化に対応する術はなく、結果それが起業する後押しをしてくれた。

簡単に言うとこういう時代だと説明できる。

電気が家庭に敷かれ始めた1900年初頭の時代(日本だと戦後でもいい)で照明以外の家電製品の可能性が切り開かれていた時代だ。電気インフラがクラウドコンピューティングで、照明、洗濯機、掃除機、ラジオがiPhoneだ。これから出てくる無限の家電で主役のテレビ、エアコン、ステレオなどがiPhoneやAndroidの可能性と考えてほしい。

クラウドはもっと産業や社会インフラになり、iPhoneは洗練され、あらゆる家電に相当するツールになり、Androidで多様性のある商品やサービスが生み出されていくというイメージだ。電気は有線で送電されるがクラウドの情報伝送はワイアレスだ。

もう一度しつこく言っておく。

クラウド、iPhone、Android

この3つでビジネスもライフスタイルも今まで違ったものにできる。実体験でそうしている。
※iPhoneはiOSをカバーする
※ほんとは4つ目のソーシャルグラフがあるけどまたの機会に

恐らく多くの人がクラウドコンピューティングはデータセンターの仮想化だとか、Google AppsやAWSなどの巨大データセンターサービスとして捉えているだろう。

iPhoneも、多くの人が参入するのはiPhoneアプリ開発で、この市場は競争が熾烈だ。生き残るのは至難の技である。

AndroidはiPhoneに唯一対抗できるOSだと思っているだろう。Androidによってようやくスマートフォン市場が拓かれると多くの人が思っていてiPhoneとAndroidの対立軸で見たがる。また日本ではガラケーからスマートフォンへ、という流れだ。

ある意味その見方でいいかもしれないが、僕はこれら3つをひとつのソリューションとして見ている。ビジネスでこの3つを活用してこそ、イマドキの起業ができるのであり、一つに絞って起業を勧めるわけではない。

多くの人がスタートアップベンチャーはウェブサービスやソーシャルアプリ、iPhone/Androidアプリビジネスだろうと思っているかもしれないが、それだけではない。今いるビジネス領域がチャンスの大きい起業領域だ。

クラウドもiPhoneもAndroidも市場として見るのではなく、身につけるべきスキルとして見るべきだ。なぜなら市場として見た場合、どの市場も熾烈な競争が待っているが、スキルとして身につけて自分のビジネス領域に応用すれば、敵はまだそのツールを使いこなしておらず競争上優位に立てるからだ。

特に僕がよく言うオールド世代はまったくと言っていいほどこの3つのスキルを身につける気はなさそうだ。それが30代や20代の起業を簡単にしてくれるのだから感謝すべきだろう。

僕はこの1年間、オフィスなし、固定資産なし、固定人材なしのプロジェクト単位のクラウドワークスを展開してきた。来年この手法はさらに洗練されることだろう。MTGもなしにして、Skypeオンリーで生産性を上げる仕組みを考えている。一方クラウド型ワークスタイルの欠点やデメリットも多く発見した。管理しないことや働く時間や場所の自由は、よほどその人が事業にコミットメントしない限り、生産性を下げてしまう。マネージメントにも新しいスキルが要求されるのだ。

しかしどこでもインターネットができて、ノートPCが十分な情報処理能力を持ち、クラウドでデータを共有できるようになった時代で、どうしてピラミッド型の企業組織に依存する必要があるだろうか。

僕が作りたい新しいクラウド型の組織は、実名だろうが匿名(ニックネーム)だろうが関係なく、住んでる場所も、時間も曜日も文化も言葉も関係なく、ただ仕事に対する情熱とコミットメントが評価対象で、それでいて強いソーシャルグラフを持ち、情報を基盤にしたビジネススタイルで、例えれば池の水面のようにフラットで、仕事やコミュニケーションは水面の波紋のような形で伝わって行く組織だ。池がクラウドで、溜まっている水が情報の量だ。必要な水を汲み取るバケツがiPhoneでありAndroidだ。

ビジネスはまるで水の流れのように止まることなく、どんな障害も形を変えスムーズに乗り越えていくようなイメージだ。そしてスピードが命だというは変わらない。

情報の流れにスピードを与えるのはクラウドコンピューテイングだ。一つあげるとすれば、Google Appsの力を使いこなすスキルを身につけることが最も重要になるだろう。

今年は最初から最後までAppleのものだった。来年はAndroidが来ると言われている。そうなるだろう。しかしそれはクラウドありきだ。iPhoneやAndroidが広がれば広がるほど、クラウドの重要性は上がっていく。それはあらゆるビジネスの情報スピードが劇的に上がっていくからだ。

イマドキの起業で立ち上げたジー社は来年もクラウドの力を使って加速するつもりだ。我々のスクールにはiPhoneAndroid、クラウドと3つ揃ったので惜しみなくそのノウハウを提供していくつもりだ。卒業生の中には独立してその力を使い始めている人たちもいて、ビジネスも順調に立ち上がっているようだ。

自分たちでこの手法をどんどん洗練させていき、来年の今頃また経過報告したいと思っている。

今は起業のチャンスであり、起業したいならまず何も考えずにGoogle Appsを徹底的に活用することだ。ビジネスに必ず組み込むことを忘れてはいけない。

起業家 渡部薫

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