大手コンビニの机上の空論を笑う

2011年01月24日 08:00

Kaisha Rogo

25年間の成長過程において国内大手コンビニ各社がメインターゲット層としたのは20~30代の男性だった。機能の積み上げ、充実もメインターゲット層のニーズを考慮しながら行われてきた。しかし、人口減の時代に突入するなか、生き残りを懸ける大手コンビニ各社が強く意識するのは中高年世代だ。従来のメインターゲット層の購買力が飽和状態なのに対し、伸びしろが十分にあると考えているからだ。


【御用聞きビジネスが失敗する理由】

ローソンの新浪剛史社長などは、「従来型コンビニではなく、高齢者のお客さまの生活をサポートしたい。手軽に利用できる近くの何でも屋を目指す」と意欲をみせている。老婆心ながら、もしもこれが高齢者を狙った「御用聞きビジネス」を構想しているのならば、やめたほうがいい。

ひとつには、これを採算に乗せるのは大変であることだ。

構想としては誰もが思いつきそうな有望そうな話だが、現実には過去にam/pmとタッグメイトが挑戦し失敗したものだ。ただ、この2社は高齢者だけでなく、乳幼児を持ち、外出がままならないという事情を抱える都心の若い主婦も顧客層に定めていた。そのちがいはある。

わたしが御用聞きビジネスが失敗すると確信するのは、取材したコンビニオーナーたちの言葉に重みをじたからだ。今回取材に協力いただいたコンビニオーナーのなかには、酒屋、米屋出身者がけっこうそろっていた。以下は彼らの本音である。

「うちはもともと酒屋をやっていたから、御用聞きや電話で注文を受けてデリバリーするのは感覚的には手馴れている。いつかそんな時代が来たときには有利かなとは思うけれど、それはありえないよ」

「大手コンビニの経営陣ってなに考えてるのかね。御用聞きビジネスが復活するなんて、完全に机上の空論だよ。現場でお客さんと話していないね。話をしているとしても、本音を引き出していない」

「高齢のお客さんは、自分でできるかぎり買いに行きたいと望んでいる。つまりね、ひいきのコンビニを加藤さんの言うところのサードプレイスにしたいのだ。乳母車を押してでも、できるかぎりそこに行きたいんだって。それができなくなったときにはもう入院なんだよ」

以上は、わたしの自宅近隣(東京都新宿区)の大手コンビニ加盟店オーナーからのコメントであり、取材に協力してくださった他のコンビニオーナーからの声もここに集約されている。特に地方のコンビニのオーナーほど御用聞きビジネスはうまくいかないと強調していたことを報告しておこう。

ノンフィクション作家 加藤鉱

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