中国でECショップを経営するには

小谷 まなぶ

 昨年、日本の大手ECサイトの中国進出が話題になった。その中でも一際目立ったのが、楽天とYAHOO JAPANの中国進出であった。インターネット上では、日中で閲覧することができるECサイトの運営が可能であるのだが、実際の商取引となると中国の商法が関係してくる。中国国内で利益を上げる仕事するには、中国国内で法人登記をすることが義務付けられている。


日本側では、あまりそのことが知られておらず、インターネット上で情報を流して、EMSや国際宅急便を使って、商品を送り、中国にある個人の銀行口座に商品代金を振り込んでもって、その後、引き出しは、銀聯カードを用いて、日本の提携銀行からATMから商品代金を引き出せば、日本から、中国に物売りの商売ができるということで、個人企業などが中心に、相当力を入れて、中国国内への販売戦略を考えていた。
 しかし、昨年の9月から中国当局もだまっておらず、規制に乗り出した。それまで、50ドル以下の個人使用目的の小包貨物等には、関税をかけることがなかったのだが、去年の9月以降は、50元以上(7ドル程度)の小包貨物に関税をかけるという通達がでた。その結果、実際には、日中間をまたいだECショップの活動の動きが一気に鈍化した。実際に、中国国内でECサイトの運営をするには、法人を設立して、経営範囲(定款)に『電子商務』という内容を入れる必要がある。しかし、『電子商務』を会社の経営範囲に記載するには、条件があり外資企業には、取得困難な条件がある。一般的には、内資会社(中国人が投資者)でなければ、取得できないという条件がある。
 そうなれば、日本の企業が、外国資本を中国に投資して、外国企業の投資企業として中国国内でECショップのビジネスには、参入できないことになる。
 これまで多くの日本IT企業が、中国進出を呼びかけて動いてきたが、外資企業でできなければ、多くの企業が、困惑してしまうのは言うまでもない。
 中国でECサイトを運営して、商取引を行うには、『電子商務』の営業許可があればよいのである。抜け道は、ないわけではなく、外資企業という登記できなくても、中国人パートナーがあれば、内資系外国人法人代表企業として、中国で法人を登記すれば、電子商務の経営許可は得ることができるのである。しかし、あくまでも、中国企業であるので、出資者が中国人である。しかし、法人代表としての権利は、外国人でも持つことができるので、中国でECショップを始めてみたい人には、この法人登記の方法が、ベターなやり方だと思える。
 しかし、この法人登記の方法では、投資者が中国人であるということが条件であり、株主は、中国人のパートナーになる。もうひとつの問題点は、会社が利益を出した後に、利益回収として、海外に法人の利益を送金できないことである。理由は、内資企業というのは、中国国内企業であって、中国国内の人民元商売に限ってできると決まっているからである。この2点がネックになるのだが、この方法で、チャレンジはできなことはないのである。いずれにしろ、日系の大手ECサイト運営会社も、見た目は外資企業として運営しているのだが、許可書上の問題で、中国人(中国企業)パートナーを立てて中国でビジネス展開してるのが一般的である。
 


■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(ブログ)