就職戦線 - レールから外れてクルマに乗ろう! @sorahikaru

2011年02月18日 21:16

アゴラでは就職をテーマにした話題も多い。今日は学生の生き方について思うところがあるので(適当に)書かせてもらう。

僕は大学4年で中退したので最終学歴は高卒だ。なので就職活動はしたことがないし、当時就活があったことも実は知らなかったし、そこから外れたレールを歩むことにそんなリスクがあることすら知らなかった。無知が故にチャレンジできたのかもしれないし、単に時代的に運がよかったのかもしれない。でも実は似たような状況で人生の転機の判断をする機会が2009年にもあった。結局そこでも僕は敷かれたレールには乗らず自由な世界を求めたようだ。


人生の判断を評価する前にインターネットの素晴らしさを語ろう。商用インターネットが出てきたのは1995年くらいだから、これで人生が変わった人は無数にいるだろう。僕もそのうちの一人だ。

インターネットを一言で表現するなら、それは「インターネットは個人の力を強くする」ということだ。大きな枠組でいうと先日のエジプトで起きた革命的なことも、昨年起きたWikiLeaksの事件も、尖閣諸島のビデオ流出もこれまでなら起こり得なかったことだ。これはすべて資本を持った企業(特にマスメディア)ではなく個人または小さな運動から始まったものだ。

インターネットは出てきた当初からそうした力を持っていたが、ここ数年特にFacebookやTwitterなどのソーシャルグラフの力によってさらにその力が増幅しているように感じる。ますます個人の力は強くなっているのだ。このアゴラブログの創設者である池田信夫はもはやネット上では池田信夫個人ではなくひとつのブランドに成長している。将来、一昔前の経済雑誌が持っていたような影響力を持つようなると思う。ホリエモンこと堀江氏はライブドアを失ったが、その結果さらに彼のアイデンティティーは強力になり、権力と戦うに十分な力を持っている。

就職活動や就職戦線というのはどういうものか正確に知らないが、果たしてそれが本当に自分の生きたい人生の最適なルートなのだろうか考えてみてもいいんじゃないかと思う。少なくても僕は大学生の時に、このまま一般的なレールに乗って就職することに魅力を感じることができず、思い切って外の世界に出た。

2回目は2009年だが、僕もそれなりに年齢を取り、安定がほしい時期にさしかかり、ある意味企業で楽なポジションにいたが、そこに安住することは生き方が許さなかった。

もし19世紀でまだクルマも発明されたばかり道路のインフラも十分できていない時代なら、どこか遠くに行きたい時、列車を選ぶだろう。それはその目的地まで最も効率よく行くことのできる手段だからだ。

だがどうだろう。今どこかの目的地に行くために僕たちは様々な手段を持っている。どの交通機関を使うか自由に選ぶことができるはずだ。人生のルートもそういう目で見てみないか。

学生諸君、君たちの人生のルートを歩むために誰かが敷いたレールは必要だろうか。列車(大企業)に乗ることが本当に価値ある人生を送るための方法だろうか。乗れば楽かもしれない、ある程度の目的地まで連れていってくれるかもしれない。だけどクルマのような自由はない。

今は21世紀だ。テクノロイジーのインフラは自分の人生を自由に設計できる可能性に満ちている。インターネットやワイアレスブロードバンドは人生におけるレールから開放してくれる道路のようなものだ。どこにでも行ける道が敷かれている。

あなたが人生の道に迷ったとしても、ソーシャルグラフが道案内をしてくれるだろう。一人で旅に出れば(バックパックと同じだ)同じ仲間にめぐり合って、情報交換できる。人生にも多様な価値があることを発見するだろう。

今、iPhoneやAndroidがもたらしている可能性は、単なるテクノロジーの進化だけではない。ライフスタイルやワークスタイルの革新なのだ。世界中の人々がこれまで考えられなかったライフスタイルを手に入れている。人生の価値を共有している。まるで列車の時代にクルマを手に入れた人たちのようにね。

あなたがどこにいても、どんな時でも働きたい時に働き、遊びたい時に遊ぶことのできる社会ができつつあるのだ。20世紀に石油から生まれたガソリンと電気エネルギーが産業とライフスタイルを変えたように、今はクラウドコンピューティングというコンピュータエネルギーとモバイル(スマートフォンやタブレットなどインターネットに接続されたあらゆるコンピュータデバイス)端末が産業とライフスタイルを劇的に変革しているのだ。

このような変革の時間はあと10年くらいでひとつの仕組みとしてできあがっていくだろう。新しい社会のルールができあがるのだ。このルールの下ではおそらく20世紀型の働き方は存在しないだろう。少し抽象的すぎる話かもしれないが、エジプトで起きている事件は他人ごとではない。僕たちの周りでもインターネットによって古い仕組みは壊されていることに気づいて、新しいチャレンジをしてみるのもいいだろう。

20歳そこそこで人生のゴールを決めることは不可能だ。だけど自分の人生の行きたい場所は思い浮かべることができるだろう。今進もうとしているそのレールの先にその場所はあるだろうか。目的はゴールすることではない。行きたい場所に進んでいく道中でどんな人に出会い、どんな経験を積むかだ。人生にショートカットはない。人生を歩むというのは、文字通り歩むことなのだ。自分の足でね。

起業家 渡部薫

※レール:一般的に他人が勧める就職活動やその後の働き方
※クルマ:新しいテクノロジー(クラウドやモバイル、ソーシャル)のたとえ

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