仙台のやさしさに触れた3日間 - 渡部薫 @sorahikaru

2011年03月13日 17:04

たまたま地震の前日に仙台で講演があって、仙台は初めての訪問だったのでそのまま週末まで過ごそうと思って滞在していました。地震が起きた時は、ホテル近くの小洒落た喫茶店にいました。

ゴォゴォゴォゴォゴと不気味な音が聞こえてきたと思ったらガタガタガタとテーブルが揺れだして、すぐに地震だとわかりました。店員さんはすぐに避難してくださいとドアまで案内してくれましたが、その間に揺れがすごく大きくなり、カウンターに並べてあったコーヒーカップがバタバタと落ちて割れていきました。窓やドアがきしむ音やガラスが割れる音、地震のなんとも言えない轟音が響く中、非常階段を降りて外に出ました。

地震が始まって1、2分経っていたんじゃないかと思うのですが、外に出た後も地震は続き、たぶん体験した人にしかわからない、ビルとビルが不気味に軋み合ってなんとも言えない轟音と揺れが続き、周りの人と不安になりながら為す術も無く終わるのをじっと待つのでした。

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<このビルの3Fにそのオシャレな喫茶店はあります。
とても高そうなコーヒーカップがバタバタ割れていったのに心が痛みます。>

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<周りの店の看板?外壁もこんな感じ>


この地震のあと、真っ先に心配になったのは東京の状況でした。自分がいた仙台でもすごい地震だったのですが、震源地がどこかわからなかったし、もしかして東京で?ということだったらと思うだけでゾッとしたものです。すぐに何人かに電話で確かめようとしましたが案の定つながらず、震源地が仙台(宮城沖)だと知ったのはTwitterでした。

昨日までは電気も復旧しておらずiPhoneのバッテリーが心細かったのであまり使わないようにしていたのですが、今いる仙台市内では電気も復旧したのでこの3日間の市内の様子を報告します。

僕がいるところは国分町というところで商店街があるところです。近くに三越デパートがあり、その向こうに市役所や県庁があります。当日はまずみんなが県庁近くの公園広場に集まってきて、大きな余震が続く中情報交換していました。その内日も暮れてきて、雪も降ってきたので一旦ホテルに戻りました。停電で真っ暗な状態でしたがフロントの人が9Fの部屋まで案内してくれました。とにかく真っ暗で懐中電灯がないと一歩も動けません。天井からは壁は落ちているは水はポタポタ落ちてきているは、部屋にいたらさぞ怖かっただろうな、と思わずにいられませんでした。荷物だけささっと引きとってロビーに引き返しました。

ロビーには宿泊客を始め、行く場所のない人が何人も集まっていて、毛布を借りて過ごしました。テレビもないのでケータイ(iPhone)のみがみんなの情報源でした。通話はできずメールがたまに、Twitterは普通に使えるという状態でした。地震の時は初日の夜が一番不安になります。なにしろ真っ暗で情報がほとんど入ってこないし、余震が続くからです。Twitterで情報をたくさん出してくれた人たちには感謝します。初日の夜はとにかく暗い、真っ暗で、音がしない。するのは余震のビリビリした音だけ。一人だと相当不安です。高齢者の一人暮らしを知っている場合は、必ず助けに行ってあげてください。

地震直後から周りの人たちはみんな協力的でした。僕も知らない人たちとたくさん情報交換しました。最後までホテルで一緒にいた人(おばちゃん2人)とは飲み物や食べ物を分け合いました。ホテルの人はとても献身的かつ良心的で家に帰りたいはずなのに宿泊客の面倒を見てくれました。

以下の写真は、2日目以降のものです。今日はバッテリーの心配がなくなったのでいろいろ撮ってきました。

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↑ 2日目に駅前まで行ってきました。この写真は駅から取った写真で少し先のPのマーク(立体駐車場)の建物が傾いています。JR仙台駅は閉鎖されていて、週末宿泊予定だった駅前のメトロポリタンホテルはダメージが大きいのか人がおらず、完全に閉鎖されていました。バスが不定期に動いていたようです。

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↑ 商店街中のメガネ屋さん

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↑ ここのお店は2日目の早い時間から開店してくれて多くの人に食料など提供してくれました。3日目も献身的に営業しています。

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↑ 県庁近く。天気がよかったのはラッキーです。自衛隊の災害対策車が来ています。

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↑ 三越でも食料の販売を開始。果物、野菜、缶詰、飲み物中心で1点100円、一人5点まで。この時小さな子どもを連れたママさんがいてみんなが優先的にママさんに譲っていたのが印象的です。(僕も子どもにクッキーをあげました)

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↑ 3日目も天気がよく、大通りもこんな感じです。信号機も戻って交通も安全です。何気に信号の警告案内音が日々の日常に感覚を戻してくれるのです。

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↑ 自販機にも電気が戻り、街中でも比較的容易に飲み物を確保できます。買い占めするような人は(僕は)見ていません。みんな1本、2本くらいしか買いません。

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↑ 水道はまだ復旧していないのですが県庁近くの公園の水は出るみたい。長い行列です。

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↑ タクシーも走ってます。2日目に駅前に行ったときは自宅に帰りたい人の行列がたくさんできていました。今日は少し状況がよくなったのでしょうか。

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↑ おじいちゃんが一人、公園を歩いていました。後ろ姿が。。。だれか助けはいるのでしょうか。。。

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↑ 県庁に着きました。ここは自衛隊の災害支援が集まっているところです。

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↑ 臨時の病院もあります。

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↑ 県庁には多くの人が避難しています。

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↑ あらゆるところで携帯電話の充電ステーションが出来ています。

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↑ 掲示板で情報を得ます。携帯電話を持っていない、ウェブを使えない人はほとんど情報収集の手段がないのでとても大切な情報源です。

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↑ 県庁にはまだまだ多くの人が避難して過ごしています。ダンボールを敷いて狭いスペースで横になっています。ストレス溜まってそうですし、子どもがいるママさんは大変です。高齢者もたくさんいます。

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↑ すべてのトイレが使えるわけではなく、閉鎖されているところもあります。

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↑ カフェテリアも開放されているようですが、みんなぐったりしています。

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↑ 仙台ですばらしいことの一つにゴミがほとんど散らばっていないことです。避難所もそうですし、商店街で誰もゴミを無造作に捨てたりしません。(多少はあります)信じられないほど街はきれいです。

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↑ 公園内にだれも並んでいない水場を発見。出ないのかと思ったら出ました。僕もここで初めて3日ぶりの水を得ました。顔もまともに洗えました(笑)天気も良く気持ちがよかった。

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↑ 地震もすべてが悪いことだけではありません。至る所で家族、友人、知り合い同士が助けあって励まし合って肩を寄せ合っています。家族も(おそらく)避難所を出てみんなでランチしているのだと思います。街全体がとてもやさしい空気に包まれています。誰もが助け合おうという空気があるんです。仙台の人たちには敬服せざる得ません。すばらしい街です。

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↑ 三越のショーウィンドーも商品は倒れたままです。中では復旧に向けてみんな活動しています。

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↑ こんな風に壁にヒビが入っているのはたまに見かけます。。。

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↑ この長い行列はなんだろう?と思ったら王将がいち早く店を開いてみんなにラーメンとおにぎりを無料で振舞っています!王将のみなさん、すごいです。

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↑ 王将だけでなく、写真で紹介できないですが、モスバーガーとかスーパーとかコンビニとか薬屋さんとかみんなが自分でできる範囲で誰かを助けようとしているところが印象的でした。とにかくみなさんの献身的な活動が素晴らしい、それが仙台。

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↑ ここも果物屋さんのおやじさんがすべての商品を与えていました。地震の時はカップラーメンとかパンとかばかりになるので果物は貴重なんです。僕も2日目に三越でバナナとトマトをいただきました。

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↑ クスリ屋さんも重要ですよね。多くのクスリ屋さんが早期にオープンしていました。

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↑ ホテル前の写真屋さん。地震当日はこの写真の揺れを見て、余震が来たか、どのくらいの大きさか測ったものです。

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↑ 宿泊しているスマイルホテル。ここのスタッフにはどんなに感謝してもしきれません。仙台に来ることがあればここに泊まってください。

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↑ 写真ではわかりませんが、このビルの上部のエレベーターガラスは大きく破損して割れています。

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↑ ディズニーストアの商品もこのとおり。。。

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↑ 落ちてます。。。

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↑ 商店街にはこんな感じで充電ステーションが用意されています。

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↑ ZARAのマネキンも倒れました。

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↑ コンビニはすぐに商品がなくなります。営業が終了したコンビニはこんな感じです。

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↑ 倒れそうなものは倒しておきます。

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↑ ペットショップも開いてます。そうですよね、ワンちゃんもお腹が空いているでしょう。

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↑ 中のワンちゃん達も元気そうでした。一安心ですね。

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↑ 地震当初、公衆電話は長蛇の列でしたが今はだいぶ余裕が出てきました。

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↑ スーパーにはこんな感じで長蛇の列ができます。だいたい1~2時間待ちです。在庫はすぐになくなるので補給が必要です。

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↑ 道路はまだこんな感じで残っているところもあります。

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↑ 街灯も落ちて破損しています。

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↑ ここの美容院は水道が復旧したみたいでシャンプーサービスをしています。

とにかく仙台(市内しかわかりませんが)の人たちはすばらしい人たちです。みんなが自分ができることで協力し、奉仕しています。2日目の早朝から食料を配布はじめたスーパー、快く部屋や食べ物を提供するホテル、混乱もなく整然と落ち着いて順番を待つ人たち。待っている間に世間話や情報交換してくれる人懐っこさ。ここには助け合いの精神のすべてがあります。

東京に一日も早く帰りたいですが、この街で受けた恩を忘れることはないですし、これからずっと再建に向けて自分なりにできることをやっていきたいと思ってます。今この瞬間も余震が続いていて安心はできませんが、仙台の人たちはこの困難を乗り越えるでしょう。大地震は大変な体験ですが、一方で大切な体験もさせていただき、いろんな意味で自分のことを見直す機会を与えられました。

沿岸部や岩手の方はもっとひどい状況のようです。原発も予断を許さない状況のようです。被災地の人たちや避難されている人たちの無事と1日も早い復旧を願ってやみません。

ネットで多くの情報を提供してくれた人たちにも感謝です。ありがとうございます。必要なものはなんですか、何でも言ってくださいと言われるのですが、多くの場合それは人のやさしさだということがわかりました。現地にいても、遠くのいてもやさしさは伝わってきます。食べ物や飲み物よりもやさしさは伝わって、安心させてくれます。仙台の人たちはとてもやさしいです。

渡部薫

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