建築資材の合板が消えた。

小谷 まなぶ

 3月11日に発生した『東北関東大震災』、その直後から、全国の建築現場から、合板が消えた。


 国土交通省や被災した県などから、大量の仮設住宅の発注が、ハウスメーカーにあり、建築資材を優先的に仮設住宅に当てるように通達があったということだ。そのため、被災地以外の建築現場に建築資材の供給が出来ない状況が続いている。
 日本の建築基準で、F☆☆☆☆という環境基準があるが、その基準をクリアーしている合板以外は、日本の建造物には使えないと規定されている。そのために、突如、国内から資材供給ができないからと言って、海外から合板を調達したいと思っても、日本の環境基準であるF☆☆☆☆を満たしている合板の入手が出来ず、仕入れのルートをどうしたら良いのか困っているというのが現状である。
 被災地以外の工務店、建設業者の多くが、現場の仕事を進めることが出来ず、止まったままになっているという。
 このままでは、日本の建築業会にとって大きな被害をもたらす可能性が出てきたということである。被災地優先で、資材をまわすことの大切さ十分わかるが、それ以外の地域への資材調達のルート改革、また、法規制をどのようにするかなどの論議を進めない限り、建築業という産業自体、非常事態になる可能性がある。
 今回の地震よる資材不足は、半年、1年先まで続くだろうと、専門商社でも予想している。今後、これらの問題に国も何らかの形で対応してもらいたい。


■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(ブログ)

コメント

  1. greetree より:

    > 何らかの形で対応してもらいたい。

     何らかの形じゃ、何のことかわかりません。はっきりと書きましょう。
     仮設住宅は、短期的にしか使わないのだから、まともに基準を満たさなくてもいいのです。
     仮設住宅には基準外のものも使わせてくれ、緊急時だからお願いします、と言えばいのです。
     はっきり言葉にしないと、わかりませんよ。

     

  2. JAZZ より:

    そのハウスメーカーの担当から聞いた話によるとそのハウスメーカーの幹部さん曰く「今回の震災復興は長期化するので、しっかり作るようにと国からお達しが出てる。」そうです。
    誤解を受けるのを承知で言いますと私の周りでは、中小零細企業や職人レベルでは、建築資材の不足により来月以降の仕事に全く目途が立ってません。
    このままでは、収入が途絶え職を失わざるを得ません。
    いわゆる二次災害です。
    片や、国家公務員宿舎を初め民間も含めた空き家は全国に数十万軒あります。
    余震も続いています。福島原発も未だ解決されてません。
    復興事業にも時間を要することは、間違いないのですから、是非全国の空き家を仮の住まいにしてください。

    でないと、もっと恐ろしいことになりかねません。

  3. cold_hands_and_feet より:

    「日本の建築基準で、F☆☆☆☆という環境基準があるが、その基準をクリアーしている合板以外は、日本の建造物には使えないと規定されている。」
    というのは正確ではありません。
    使用場所、通気止め等である程度は法を遵守しても対応可能ですし、実質の健康被害を考えても対応可能です。今までは設計側もとにかくF☆☆☆☆という思考停止的な基準を設けていたかもしれませんし、F☆☆☆☆が容易に手に入っていた時代を考えると当然の対応だったのでしょうが、どこを通った空気がどこに出て行くかなどを考えれば基準に満たない合板でも使いどころはあります。
    また、仮設住宅が高気密高断熱にはならないと思われますので、高換気回数を条件に基準を緩和することも難しいとは思いません。

    こういった場所でF☆☆☆☆以外の合板は使えないという不正確な情報を書いてしまうことは不必要な物資不足を招きかねませんので、訂正を願います。