3.11,日本が必要とするもの、しないもの

2011年04月05日 17:05

3.11以前の考え方や価値観が、3.11以降はまるで通用せず、一旦白紙に戻して、一から考えるべきである事は既に説明した

つまりは、個人であれ企業であれ、この変化を追い風としたものは成功し、逆に、向かい風としたものは淘汰されてしまうと言う事であろう。

将来、歴史の教科書で、3.11は日本の分水嶺と位置付けられるのではないだろうか?

3.11以降で最高の男前は、個人で100億円を寄付することを明らかにしたソフトバンクの孫正義社長だ。普段から物事を深く考え抜き、覚悟があるから何の躊躇いもなく決断が出来るのだと思う。

失われた20年の特徴の一つは、若者が憧れ目指すべき人物像の不在ではないか?

本来は国家のトップに立つ首相の筈である。しかしながら保身と小賢しいパーフォーマンス以外これと言って中身のない菅首相を尊敬しろと言うのは余りに性質の悪い冗談だ。

東大法学部を卒業して高級官僚を目指すと言うのも最近は余りぱっとしない。福島原発事故が偶々であるが、監督官庁の経済産業省幹部である前エネルギー庁長官が他の6名と共に東京電力に天下りしている事実を焙りだした。

飽く迄推測だが、規制や監督に手心加える事への見返りとしての天下り受け入れではないか?もしそうなら、高給官僚の成れの果てとは、膿の塊として所属する省の監督対象企業に寄生する事だ。これでは真面な若い人が夢を持てる筈かない。

権威ある古い大企業の評価も、当事者の東京電力含め今回の福島原発事故で大暴落である。

それにしても、3.11以降の東京電力・清水社長一連の行動は荒唐無稽が当たり前のテレビドラマでも、有り得ない程愚劣である。

飽く迄推測であるが、余りの無能、無責任、他人事の如き言動に菅首相が切れて、結果、怒鳴りつけられ、不貞腐れて入院しているのではないか?それにしても、この状況下、病院で寝ていても社長が勤まる東京電力と言うのは一体どういう会社なのだろうか?

社長が社長なら社員もおかしい。寒空の下、多くの避難民が震えながら夜を過ごす映像を観た。社員が普通なら、バスを仕立て避難所に迎えに行き、21箇所保有すると聞く保養所で暑い風呂に入れ、温かい食事を提供し、清潔な布団で寝て貰う事を先ず考え、直ちに実行する筈だ。

豪華絢爛と聞く東電の保養所は、飽く迄東電社員が利用する為のもので、避難民救済に使う事等頭に浮かばなかったと弁明するのであれば、東電社員は事故対応の拙劣さ以前に、人として失格だと思う。

東電の様な古い大企業、東電社員の如き人の痛みを共有出来ない人間達、そして東電・清水社長が副会長を勤める経団連も3.11以降日本での存在感は希薄になるはずだ。

代って存在感を増すであろう理想像として、今回ポンと100億円の寄付を発表した孫正義氏がクローズアップされると思う。

判り易く言えば、薄汚いしがらみと袂を分かち、起業し、事業を拡大し、成功の果実である富を今回の震災で孤児と成った子供達の為に寄付する。正に、成功者の理想像ではないか?

正に、若者が理想とする人物像であり、目指すべき方向ではないか?

失われた20年の間に、多くの野心的な若者がIPOに成功し巨万の富を得る事に成功した。

しかしながら、彼らの興味は魅力的な若い女性であったり、女性を侍らせての自家用飛行機での海外旅行であったりして、彼らの存在が決して社会の尊敬の対象と成る事はなかった。

結果、大学生の卒業後の進路を本来選択すべきでない古い大企業に向かわせたと言う事であろう。

今回の、孫氏の寄付がはっきりさせたのは、起業家にも真贋があり、意識の低い起業家により新興企業がある意味色眼鏡で観られ、結果相対的に古くなってしまい本来日本から退場すべきゾンビ企業が高く評価されてしまったと言う不幸な経緯かもしれない。JAL等はその典型だろう。

3.11以降、就活の中身が大きく変わる事を期待する。

次に大きな変化はヤフー,Googleの基幹コミュニケーションプラットフォームとしての台頭である。ヤフーに努める私の友人は3.11以降、偶に帰宅するくらいで不眠不休で働いている。

電力の需給バランスの様なこんなものがあれば良いな!と思う物を極めて短時間で作りだし、誰でも観れるようにしているのは実に素晴らしい。そして無償でAPIを公開しているのも立派である。

3番目
はtwitterのコミュニケーションツールとしての確固たる地位の確立である。私は池田信夫先生を含め7名をフォローしており、その内5名は定期的に飲食を共にする間柄であり、悪質なデマの拡散の如きノイズに悩まされる事もなかった。

特筆すべきは、池田先生のTWが極めてハイレベルであると共にスピーディーにTLを流れた事である。これはもう、メデイア革命である事は間違いないと確信した。

残念であったのはテレビ局の対応である。ブレーキングニュースは絶対サイマルでネット公開すべきである。

そもそも、震災の現状を九州や四国の人間が観ても余り意味がなく、震災に遭遇し実際に避難している被災者こそが見るべきなのだ。

その場合、停電でテレビが使えなかったり、或いはテレビが破損した、避難所にテレビがない、自動車で避難中とかのシーンが想定される。

矢張り、携帯電話、タブレットPCそれからカーナビとかで視聴可能にすべきなのだ。 

今回は、中学生がボランティアでUstreamにエンコードしたと聞いている。罪に問われても構わないと答えたそうだ。本当に偉いと思う。

今後に就いては、次回の災害に備えNHKが必要なサーバーを準備するなり、NHKの腰が引けてるなら、Ustreamやニコ動が放送波をエンコードしてネット配信する事を認める法改正を急ぐべきである。

こういう提案をすると、直ぐに著作権法がどうのこうのと専門用語を羅列する自称専門家が反論してくるが、震災に際し、権利者の利益(金銭の)と被災者の人命とどちらが大事か考えれば本来議論の必要もない筈である。この種の人間も3.11以降の日本には必要ない人間だ。

テレビのデジタル化は7.24で完了予定である。しかしながら、災害時のブレーキングニュースですらサイマルでネット公開するスキームが出来ていない様ではデジタルの意味を全く理解出来ていないと思わざるを得ない。

テレビ局も東京電力同様、3.11以降は必要性がなくなって行く業界なのかも知れない。

山口 巌

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