3.11.NTTが消える日

2011年04月10日 13:22

NTT東西やNTTコミュニケーションズの存在理由とはそもそも何であろうか?

NTT東西の場合は、昔からある、固定電話やファックス機を対象としたATM回線による通信サービスの提供であったり、或いは光ファイバーを利用しての、インターネットサービスであるフレッツの提供と、大きく括れるのではないだろうか?

それにしても、未だに県域の如き電電公社時代のレガシーを引きづり、電話交換機が先ずありきの組織や、それに順応した社員で構成されるNTT東西には首を傾げざるを得ない。

NTTコミュニケーションズが今一つはっきりしない。県域によって分断されたNTT東西の統治、インターネットサービスを繋ぎ合す役目と聞いた事があるが、これはNTTの中の話であり、普遍性を持つものではないと思う。

OCNの如きISPサービスも手掛け、フレッツの獲得現場でバンドルする事に熱心だがメールも含めWeb完結が一般化しつつある今、時代に逆行している。私自身、ISP契約等しておらず、メールもヤフーメールを使用しており、メイラーを開ける事も皆無である。

確実に言える事は、ATM回線であれ、光ファイバーであれ、有線インフラを使用したサービスに価値があり、現在では通信そして近い将来は放送も含めて価値を提供し続ける事を通してのみ、企業としての存在が許容されると言う事ではないか?

一方、NTTグループは東北復興を無線通信を中核に達成予定との報道である。

全ての通信インフラが津波で流されてしまった地域の復興に際し、キャリアーが、オーバービルディングを回避し、利用者に最高の利便性を最小の投資で達成しようとする時、有線インフラでなく、無線通信に向かう事は極めて理に適っている。

これを機会に、立ち止まって考えるべき幾つかの課題がある。

先ず第一は、この有線インフラから無線通信へのドラスチックな転換は東北地方に限定された話なのかと言う点である。結論から言ってしまえば勿論Noである。以前にも書いたが、番組のネット公開が進まぬ現状、光はニッチな層の贅沢なサービスに過ぎない。従って、全国で同じ動きが加速する筈だ。

第二は、有線から無線への主役交代が現実になるなか、当然の事として、電波帯域の割当ては重要になる。本当に重要な部分、産業を活性化し結果国民が幸せになる分野に割当てされねばならない。池田信夫先生が繰り返し説かれている様に、従来は監督官庁の省益に優先順位が置かれ国益は後回しにされた様であるが、3.11以降は断じて許容されるべき話ではない。

第三は、事の良し悪しは別にして地デジ移行が延期される見通しである事実である。
 

総務省は7日、東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県に限って、7月24日に予定していた地上デジタル放送(地デジ)への完全移行を当面延期する方針を固めた。被災地から「地デジの準備に手が回らず、生活再建を優先したい」との声が上がっているためだ。

 この3県では、7月24日以降もデジタル放送と従来のアナログ放送の両方を見ることができる。これには電波法の改正が必要で、いまの国会に提出している同法改正案に追加する。延期幅については、半年~1年程度を軸に自治体や放送局と調整に入るが、復旧・復興の状況次第ではさらに延びる可能性もある

http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201104070526.html

従来の、首を傾げざるを得ない割当て案の妥当性に就いて、監督官庁の総務省は7.24の地デジ完全移行に間に合わせる必要があるとの屁理屈で強行突破してきたが、今回の延期で見直しが出来ないとの彼らの主張の根拠は喪失した。従って、絶対に見直しをすべきである。

一方、政権与党の民主党内部からも700/900MHz帯を周波数オークションとし復興財源とする案が検討されている。

復興ビジョン検討チームの事務局を務める岸本周平衆議院議員は、「東日本大震災の発生で状況が一変した」と説明する。「総務省はこれまで、地上デジタル放送への移行に期限を区切っていることや、携帯電話向けの周波数のひっ迫もあり、とにかく新たな周波数割り当てを急ぐ必要があると主張してきた。しかし合理的に考えて、期日通りに全国で地上アナログ放送を停波し、地上デジタル放送へ完全移行するというのは震災の影響で非常に困難になった。ならば700/900MHz帯での周波数オークションの実施も時間をかけて検討できる」(岸本氏)としている。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110405/359094/

最後は今回の東北震災で経験したように、災害関連のテレビのブレーキングニュースは携帯端末でアプリ起動で簡単に視聴可能にする必要があるという事実である。

この意味する所は、少し理論は飛躍するが、放送通信に吸収され、通信の中で無線通信がその中核として活躍し、有線系のインフラは飽く迄裏方、バックボーンとして縁の下の力持ちとしてしか存在を許されないと言う事実である。

NTTドコモがドコモに社名を変える。NTT東西はドコモのバックボーンとなる光回線の維持管理に特化したコストセンターとなる。NTTコミュニケーションズは消滅する。そんな未来を予想する。

山口 巌

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