中国に食品輸入が出来ない現状

小谷 まなぶ

今日は、食品会社の社長と話をする機会がありました。今、中国向けの日本食材の輸入が全面的にストップしている状況だという話を伺いました。
 上海にある大手日系船舶会社の友人に連絡して、話を伺っても、上海の税関が言うには、『放射能汚染がないことを証明する書類を出しなさい。』と言うのであるが、一体どのような書類を出したら良いのか、明確な回答がないということです。


 日本側の食品会社の社長曰く、中国側が要求している放射能汚染がないことを証明する書類は、どこで発給してもらえばいいか日本側でも決まっていないということです。
 上海の港で、通関できず止まっている荷物も結構あるということです。

 今回の東京電力の原発事故の影響は、日本以外の国にも影響が出始めています。日本国内の問題が大変で、国外への対応が間に合わないとでも言いたいのか、この問題に対して国が対応するのを放棄して、各都道府県単位で対応してくださいという指図を出したということです。各都道府県でも、一体どのような対応を中国貿易に対して行ったら良いのか、分からない状況で、解決する見込みはまったく立っていないということです。
 上海ある日系大手物流会社でも、国家間の対話がない状態で、今回の問題は、解決する見込みが無く、現状、通関できない荷物を放置している状況が続いているということです。
日中間貿易にこれだけ大きな影響が出ていることは、日本にとって良くない状況です。日本にとって、第一位の貿易相手国は、中国であることを考えても、早急に対応をしなければ、日中間貿易にとって悪影響を与えることは違いありません。

■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(オフィシャルブログ)

コメント

  1. ibukuro333 より:

    確かに良くない状況ですが、中国政府の「嫌がらせ」を真に受けていては尖閣諸島の事例からも分かるようになめられるだけでしょう。
    確かに中国市場はとても魅力的ですが、私たち日本人にとって、中国とのビジネスはどれだけのリスクを伴うかをあらためて思い知らされました。
    そうはいっても、中国との貿易を止めることなどできませんから、こういうリスクを踏まえたうえで今後もやっていく他ないのでしょうね。
    関係する方々の不利益が最小限にとどまることを祈ります。