「浜岡原発を全面停止」に思うこと

前田 拓生

菅首相は中電に対して「浜岡原発を全面停止」を要請。このような状態で中電が「否」を言った場合、もしもの時は誰も支援しなくなるので、ここは「受ける」しかないだろう。でも、「何故、いま?」「何故、浜岡だけ」などいろいろと疑問もあり、何と言っても拙速感が否めない。

しかし・・・

私は、電力行政の転換の一歩としては非常に大きな判断であり、菅政権の「(今のところ)唯一の歴史的な成果」だと感じる。

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東北の大震災により、この夏の電力需要に懸念がある“今”、中電が浜岡を失えば、将に「暑い夏」の到来を覚悟せざるを得ない。また、中部は日本における製造業の中心地であるため、震災で疲弊した日本の復興にとって最重要地域。ここで電力供給に不安が出れば、今後の日本の復興にも多大な影響が出ることは確実である。

とはいえ・・・

今回の大震災により、東京でも何となく「いつも揺れている」ような感じがあり、震度3・震度4程度の余震と思われる地震は各地で頻繁に起こっている。この影響がすぐに東海・東南海・南海地域の巨大地震に結びつくのか否かは素人の私としてはわからない。が、そもそも当該地域に巨大地震が起こる可能性が、以前から指摘されていたのだから、「もしも」に備えるのは至極当然であろう。

また、確かに“今”浜岡を失えば、日本全体に経済的な影響が及ぶだろう。しかし、経済的なリターンを考える場合、そのリスクとの対比が考慮されるべきである。とすれば、東海・東南海・南海地域の巨大地震が起こった場合のリスクは“今”無限大、つまり、「想定外」の部分が多過ぎるのだから、やはり、今回の福島原発のようになってしまう可能性を排除できない以上、“今”はリターンを云々する状態にはないと考えるべきである。

中電では「つなみ」に対して「砂丘があるから大丈夫」というものの「もしものために12mの堤防を造る」と言っている。「(今想定される)もしものため(に必要)」なら、やはり、その堤防ができるまでは「稼働しない」が合理的。この堤防によって「リスクがどれだけ減少するのか」を考慮して「再開を考える」というのが「真っ当な考えだ」と思うので、今回の判断は「正しい」と感じる。

原発に「反対/賛成」(反対の場合の環境問題も含む)、また、「送電と発電の分離」、電力利権の影響の排除を「どのようにするか」など、いろいろな問題がある。確かに「浜岡原発を全面停止したから」といってすべてが解決するわけではない。また、「別の原発は危なくないのか」なども重要な論点であろう。

しかし何事も「まず始めなければ進まない」わけであり、とりあえず、堤防ができるまでの2年間「全面停止」するのであれば、この2年を利用して、国民的な議論をすべきだと思う。

コメント

  1. ryoito88 より:

     リーダーは、決断したことへの批判は受けて立たなければならないが、決断しないことを批判されてはならない。リーダーは決断することが仕事だから。
     浜岡原発を止める指示を出したことを発表したことについて、一部に「内部十分な議論がなされていない」とか「経産省と協議もしないで拙速だ」とか批判が出ていますが、仮に政治的パフォーマンスであっても、「決断」したことには意義があると思います。
     政治家だから政治的パフォーマンスをするのは当然です。浜岡を止める決断に対する批判は、やらないことへの批判ではなく、やったことへの批判なので、よしとすべきでしょう。

  2. atoman0 より:

    現段階で,実際に地震と津波が起きても,何万人もの死傷者の中で,原発事故が原因となるものはないだろうと思う.
    つまり,簡単な対策で福島の原発事故は防げたということです.
    実際の被害に関係ないことをするだけの政治的空回りです.

  3. minourat より:

    > 経済的なリターンを考える場合、そのリスクとの対比が考慮されるべきである。 巨大地震が起こった場合のリスクは“今”無限大、 … リターンを云々する状態にはない

    例えば、 これから1年間のリターンを x、 巨大地震が起きたときの損失(負値)を y、 巨大地震が起きる確率を p、 評価関数を u とすれば、 期待される利得は  (1-p) * u(x) + p * u(y) と考えることもできます。

    ここで大切なことは、 リターンと損失がおなじ (x = -y) でも、 損失のほうが厳しい (u(x) + u(y) << 0) ということです。 損失が一定値を超えれば、 再起不能 ( u(y) = -oo) )になります。 この記事は順当ですのでつっこみどころがありません。 前田先生の人柄の良さがわかります。  この次は、 暴論で楽しませてください。

  4. uraemonaho より:

    津波を防ぐ防潮堤を建設する話と、
    津波がきても冷却機能を維持できるようにする話は、
    別物ではないですか?
    防潮堤建設が終わるまでの2年間は、
    非常用電源や非常用冷却設備を配備すればよいのではないですか?
    当事者や関係各所と調整ずに、思いつきや場当たりで行動をしている、
    管政権の真髄を見た気がします。

  5. hkeiko より:

    浜岡原発の砂丘は写真でみると海抜10Mの高さであるが人工の砂山の様に幅が狭く、津波が来たら簡単に押し流されそうな程貧弱です。断層が直ぐ近くにあり30年に87%の確率で大地震が起きるなら運転停止の判断は妥当であります。

    不思議なのは地元の御前崎市長が「なぜここだけ」と不満をもらしていることです。ただの停止に終わらず閉鎖されてしまえば、雇用、交付金、固定資産税を失い経済的打撃が大きいからでしょう。もし福島と同じ事故が起これば豹変し賠償と謝罪を求めることは明らかです。

    福島第一原発でも安全対策のために1年前に運転の停止を決めていれば地元民は御前崎市長と同じ態度を示したのではないでしょうか。福島の地元民が100%被害者の顔をして賠償を要求するのを見て私はどうも釈然としません。

  6. minourat より:

    つぎの保安院のページをみてください: http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110506006/20110506006.html

    『原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、平成23年3月30日に、中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)各電気事業者等に対して、津波により3つの機能(全交流電源、海水冷却機能、使用済み燃料貯蔵プール冷却機能)を全て喪失したとしても、炉心損傷等を防止できるよう、緊急安全対策に直ちに取り組むとともに、これらの実施状況を早急に報告するよう指示しました。』

    ECCS等による炉心冷却機能および燃料貯蔵プール冷却機能を失わないようにせよ、 ということならわかります。 また、このためには、 非常用交流電源を失わないこともたいせつです。

    しかし、 if A then B <==> (not A) or B ですから、 全交流電源、 海水冷却機能、 使用済み燃料貯蔵プール冷却機能を全て喪失しなければこの要求はみたせます。 つまり、 例えば、全交流電源が喪失しなければ、他の二つの機能は失われてもよいということになります。

    また、 前提条件Aが成立するときは、 Aが否定されないためには、 ポンプはガソリンもしくはジーゼルエンジンまたはバテリー駆動の直流モータで回さなくてはならないし、 RHRには多量の真水がいるし、 燃料貯蔵プール冷却機能は使えません。

    技術的にも論理的にも、 まともなことをいってもらいたいものです。

  7. 前田拓生 より:

    ryoito88さん
    >やらないことへの批判ではなく、やったことへの批判なので、よしとすべきでしょう
    同感です。

    atoman0さん
    >原発事故が原因となるものはないだろうと思う
    そういう問題なのでしょうか?国家は国民の安全を守ることが使命ですから、「危ない」なら、危険を回避する方法を模索すべきだと思います。今回最も早く出来る方法が、たまたま「要請」だっただけだと理解しています。

    minouratさん
    >暴論で楽しませてください
    スイマセンが、期待に添えるか自信ないです(笑)
    また、保安院の記事、ありがとうございました。

    uraemonahoさん
    中電自身が「もしもと為に」といっているので、それなりの危険性は感じているものと理解します。なので、「危険なら堤防ができるまでの間、停止してね」と要請したと考えています。

    hkeikoさん
    諸々、同感です。

  8. kachua より:

    東日本大震災で日本最大・世界最大規模などと言われた防潮堤が壊れたにもかかわらず、堤防作れば大丈夫なんて考えがよくわからないです。

    今回の件は首相の思いつきパフォーマンスとしか思えません。
    とても「英断」と呼べるものではないと思います。
    危ない身をとりあえずのパフォーマンスで乗り切ろうとしているだけ。
    細かいことはあとで誰かが考えればいいやーという感じ。
    そんなパフォーマンスなら誰でもできる。

    もっといろいろな面から深く考える必要があると思います。

  9. 前田拓生 より:

    kachuaさん

    >堤防作れば大丈夫なんて考えがよくわからないです

    えっ、そんなこと誰か言ってましたかぁ?

    中電は「今のままで大丈夫」だけど「念のため防波堤を建造する」といって、その建造期間が2年だから、なら「建造する間は危ないから停止した方が良いですね」という意味で、菅さんが要請した、というロジックの建付けですよね。

    防波堤は出来上がり次第、耐久検査等を行い、OKなら稼働という意味でしょう。

    ただ、ロジックの建てつけなんて、(ある程度の合理性さえあれば)何でもいいのですよ。要は原発村の人々がいる以上、政治も、国民も原発をやめられない。それを少しでも、たとえ、蟻の穴ほどでも良いから突破することが大切なのです。

    しかも今回は「要請」であり、決めるのは中電。やめを決定すれば、その説明責任も中電の経営者が行うことになる。もし、要請に逆らえば、万が一の時には政府は支援しないことになります。

  10. sfdx より:

    浜岡原発停止の話を聞いて, 「菅直人は被災者を殺す気なんだな」と思いました.

    被災地を本当に復興させるのは経済だと思っています. ところが, 今は電力不足でそれが満足にできない状態です. 別に原発でなくてもよいのですが, 電力確保にあらゆる手を尽くさなければいけません.

    しかし, 何の当てもなくただ原発を止めるだけ. 何もしないならせめて, 原発の風当たりを政治家自身が受け止めるくらいはできなかったのでしょうか. まあ, 菅直人は他者を責めるしか能がないですから, 仕方ないですか.

    原発村がどーのこーのという議論はしてもいいのですが, 実行するのは平時にしてください.

  11. 未来 より:

    昔の社会党の様な何でも反対の産経新聞。そんな新聞社を除いて殆どのマスコミが浜岡原発は危険だからと菅総理を支持するのは当然なのかもしれない。
    福島原発事故の恐怖と過去の日本の原子力政策のずさんさを見れば、とりあえずは浜岡原発の停止も仕方ない気もします。
    廃止じゃなく一時停止なのですから、もう一度、国民的な課題として考える時間を持てば良いんじゃないでしょうか。もう、不安の中で暮らすのはまっぴら御免なのです。不安の目は出来るだけ少ないに越した事はないですね。
    総理に中止を命令する権利は無いと言う声もあります。では、国民の安全を考えた緊急時にも、総理の権力は絵に書いた餅に過ぎないのでしょうか?
    浜岡は緊急時でないから、総理の昨日の発表は法律を無視した暴挙なのでしょうか?

  12. minourat より:

    > 簡単な対策で福島の原発事故は防げたということです.

    原発事故が怖いのは、 こうした予測不可能な単純なミスで大事故が引き起こされることです。

    軽水炉では、 次のような例があります。

    1) TVA Browns Ferryの事故では、 金属で密閉されたダクト内の2重の監視・制御用ケーブルが燃えてしまい、 稼動中の原子炉が中央制御室からは制御不能になりました。 原因はケーブルの原子炉建屋内への引き込み口の気密性の検査のためにロウソクの火をつかい、 それが一時的につかわれた可燃性の接着剤に引火し、 その火がダクト内に吸い込まれていったためです。

    2) スリーマイル島の事故の一因は、 沸騰するはずのない一次冷却水が沸騰し、 加圧器内の冷却水が汽水混合状態になったにもかかかわらず、 水位計は正常水位を示したことです。

    3)福島の事故では、 海水による冠水で非常用交流電源系統が全滅しました。

    こうした事故への対策は原因がわかれば簡単です。 問題は、 将来どのようなことがおこりうるかということを正しく予測することです。

    しかし、 金属製のダクト内のケーブルにローソクの火が燃え移ることを誰が予測できますか?

    私が投資の失敗から学んだこと。 過去と現在のデータだけでなく、 常に将来なにが起こりうるかを予測し、 リスクをおさえること。

  13. 前田拓生 より:

    sfdxさん
    経済の活性が必要と言うのは理解できますが、将来事象におけるリスクに対処できていない場合には、まず、そのリスクに対応することが大切です。

    つまり、大震災前は机上の理論で確率分布のテールの端の方にあった津波のリスクが、今は(不幸にして)実証により少なくとも考慮すべきリスクとして顕在化しました。

    今までの理論が実体に即していなかった以上、実証結果を考慮したものに変更すべき必要性があるわけで、すぐに“全部”が無理なら、せめて浜岡の全面停止くらいは必要だろうと思っています。

    未来さん
    同感です。

    minouratさん
    またまた、ありがとうございます。

  14. sfdx より:

    > 経済の活性が必要と言うのは理解できますが、将来事象におけるリスクに対
    > 処できていない場合には、まず、そのリスクに対応することが大切です。

    経済のリスク(人が死ぬ)には対応する必要はないというお考えでしょうか?

    > つまり、大震災前は机上の理論で確率分布のテールの端の方にあった津波の
    > リスクが、今は(不幸にして)実証により少なくとも考慮すべきリスクとし
    > て顕在化しました。

    4月19日までに浜岡原発はそのリスクへ対応しました.
    http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110421/CK2011042102000155.html
    福島第一と同じことにはなりません.

  15. 前田拓生 より:

    >経済のリスク(人が死ぬ)には対応する必要はないというお考えでしょうか?

    リアルな危機への対応が先だと認識しています。

    >福島第一と同じことにはなりません

    だとすれば「念のため防波堤をつくる」という対応自体がおかしいですね。最終的に「万が一」の心配があるから造るのでしょ。

    まぁ、中電が「(堤防がなくても)絶対にリスクがない」と思うなら、政府の要請を断るでしょうね(世間がいくら危険だといっても)。それも一つの判断です。その判断によって「もしもの時」には誰も支援はしないことになります。

    でも、中電が「もしもの時」に本当に最後まで補償できますか?「想定外」と逃げるのでは?

    人間がやることに「絶対」はありません。が、今までの想定が甘かったのであれば、しばらく止めて点検をするのは当然だと私は思っています。

  16. worldcomw より:

    横からですが

    > 15. だとすれば「念のため防波堤をつくる」という対応自体がおかしいですね。最終的に「万が一」の心配があるから造るのでしょ。

    「万が一」には、2つの段階があります。

    1.復旧を早め、損害を少なくする対策
    2.とにかく、放射性物質を閉じ込める対策

    大雑把に言うと、防波堤が1、非常用電源や機器防水は2です。
    政府が監督すべきなのは2、経営者が考えるのは1です。

    ただ実際は、地元対策としての「目に見えるもの」として防波堤を作り、
    1の理由は後付けでしょうね。
    個人的には、防波堤に回す金を 機器の冗長化・防水・メンテに使って、
    2の対策を強化する方が適切だと思います。
    首相が首都圏の放射能汚染を恐れるなら、尚更です。

  17. sfdx より:

    > リアルな危機への対応が先だと認識しています。

    経済的な危機はすでに現れています. それを増やすか減らすかだけの問題です.

    それに日本自体も莫大な借金を抱え, いつ国自体が倒産してもおかしくない状態です. 経済はとっくの昔にリアルな危機に陥っています.

    > まぁ、中電が「(堤防がなくても)絶対にリスクがない」と思うなら、政府
    > の要請を断るでしょうね(世間がいくら危険だといっても)。

    財界は「空気」に弱いので, 中電は受け入れるのではないかと見ています.

    もし昭和16年に私が財界の人間で, 「アメリカと戦争したって負ける」と内心思っていたとしましょう. しかし開戦したら歓迎するでしょう. 空気に迎合するためです. 楯突いたら非国民ですが, 負けたらみんなと一緒ですから.

    > その判断によって「もしもの時」には誰も支援はしないことになります。

    だから本来, 政治が責任を負って電源を確保しなければいけないのです. 別に浜岡原発を停止させるなといっているわけではありません. 豊富で安価な電力を確保しさえすればいいのです.

    しかし現実的には困難で, 可能性があるのは柏崎原発の起動ですが, 菅直人には無理でしょう.

  18. 前田拓生 より:

    worldcomwさん
    >地元対策としての「目に見えるもの」として防波堤を作り、1の理由は後付けでしょうね
    そうでしょうね。なので、1ができるまでは「停止しようね」と菅さんはいっているだけですから、後は「中電が決める」というこで問題はありません(とはいえ、世論的には「停止しない」は判断しづらい状態ではありますが)。

    sfdxさん
    「経済的危機」、確かに問題ですね。でも、体制をこのままにしておいて、絆創膏で治療するようなことは良くないと思います。浜岡原発を云々だけの問題ではなく、私はこの機会に一元的な電力供給に対して国民的な議論をすることが大切だと思っています。

    つまり、電力会社が送発電を独占し、しかも有限責任の株式会社が電力を供給し続ける限り、最終的な「相当の危険を引き受ける」のは国民。まず送発電分離により国民に選択余地を提供しべきだと思っているのです。

    その意味で「防波堤建造までの2年」が生きてくると思います。「その前に日本が崩壊する」という声が聞こえそうですが、私は今ならこのような議論が可能であり、でなければ、日本は永遠に二流国で居続けることになると思っています。

  19. sfdx より:

    結局, 前田さんは考えてなかったんですね. 原発停止が経済問題に直結し, 経済問題が被災地復興に直結することを.

    経済改革については私もいろいろ意見がありますが, それは上で書いたように, 「議論するのはいいが, 実行するのは平時にしてくれ」という話です. 例えば電力を増やす方向の改革(発送電分離)なら今でもいいのですが, 減らす方向を今やってどうするのかということです.

  20. 前田拓生 より:

    sfdxさん

    まぁ、多くの人が「東北を復興させるために景気の足かせとなる『浜岡の停止』は問題」といいます。わからないわけではありません。

    が・・・

    福島原発の現場でも「今一番怖いのは再度の津波」。でも東電幹部は一旦しかとしようとしました。土嚢で十分だと。

    今日本にとって怖いのは、ここで関西、中部に大きな地震が来ること。このリスクに目を瞑って経済活動を優先させるのは最も危険な行為だと、私は思います。そして、他方で、多くの人がこのように感じているのも、また事実ですよ。

  21. asaikjp より:

    東海地震に対する浜岡原発の対応ですが
    原発の災害も自然災害の被害の一つです、15メートルの津波は原発施設だけに来るのでしょうか?
    福島では津波で犠牲になられた方が1万5千人、家を流され避難生活をされている方が大勢います。
    幸い原発事故では社員以外の犠牲者はいません。
    もし東海地震を心配されてのことであれば原発以外の防災体制にも言及しなければ嘘です、原発を利用した方便です。

    東海地震について騒がれていますが誰も本気にしてないのが実情でしょう、明日にでも来ると心配するなら個人なら転居する、企業なら工場を移転する、国や自治体なら耐震基準の見直しや大動脈である新幹線、東名高速の調査、対策をしているはずですがみんな無関心です。
    ところが原発の話題となるととたんに明日にでも発生する勢いで15メートルの津波がくる、それさえも甘い、15メートルを超える想定外の津波が来たらどうするとか挙句の果てに隕石が当たったらとか相手を言い負かすための方便としか聞こえないことを言い始めます。

    まずは2年後の防潮堤の完成を待て無いほど緊急性のあることならまずは原発近辺に住む人間の避難勧告もすべきです。