「浜岡原発を全面停止」に思うこと

2011年05月07日 11:31

菅首相は中電に対して「浜岡原発を全面停止」を要請。このような状態で中電が「否」を言った場合、もしもの時は誰も支援しなくなるので、ここは「受ける」しかないだろう。でも、「何故、いま?」「何故、浜岡だけ」などいろいろと疑問もあり、何と言っても拙速感が否めない。

しかし・・・

私は、電力行政の転換の一歩としては非常に大きな判断であり、菅政権の「(今のところ)唯一の歴史的な成果」だと感じる。

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東北の大震災により、この夏の電力需要に懸念がある“今”、中電が浜岡を失えば、将に「暑い夏」の到来を覚悟せざるを得ない。また、中部は日本における製造業の中心地であるため、震災で疲弊した日本の復興にとって最重要地域。ここで電力供給に不安が出れば、今後の日本の復興にも多大な影響が出ることは確実である。

とはいえ・・・

今回の大震災により、東京でも何となく「いつも揺れている」ような感じがあり、震度3・震度4程度の余震と思われる地震は各地で頻繁に起こっている。この影響がすぐに東海・東南海・南海地域の巨大地震に結びつくのか否かは素人の私としてはわからない。が、そもそも当該地域に巨大地震が起こる可能性が、以前から指摘されていたのだから、「もしも」に備えるのは至極当然であろう。

また、確かに“今”浜岡を失えば、日本全体に経済的な影響が及ぶだろう。しかし、経済的なリターンを考える場合、そのリスクとの対比が考慮されるべきである。とすれば、東海・東南海・南海地域の巨大地震が起こった場合のリスクは“今”無限大、つまり、「想定外」の部分が多過ぎるのだから、やはり、今回の福島原発のようになってしまう可能性を排除できない以上、“今”はリターンを云々する状態にはないと考えるべきである。

中電では「つなみ」に対して「砂丘があるから大丈夫」というものの「もしものために12mの堤防を造る」と言っている。「(今想定される)もしものため(に必要)」なら、やはり、その堤防ができるまでは「稼働しない」が合理的。この堤防によって「リスクがどれだけ減少するのか」を考慮して「再開を考える」というのが「真っ当な考えだ」と思うので、今回の判断は「正しい」と感じる。

原発に「反対/賛成」(反対の場合の環境問題も含む)、また、「送電と発電の分離」、電力利権の影響の排除を「どのようにするか」など、いろいろな問題がある。確かに「浜岡原発を全面停止したから」といってすべてが解決するわけではない。また、「別の原発は危なくないのか」なども重要な論点であろう。

しかし何事も「まず始めなければ進まない」わけであり、とりあえず、堤防ができるまでの2年間「全面停止」するのであれば、この2年を利用して、国民的な議論をすべきだと思う。

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