被災者に同情せず、自立的復興を促せ - 米崎 義明

2011年05月17日 08:25

今回の震災で、多くの方はもうご存知だろうが、「義援金」は、日本赤十字社にすべて集められ被災者に分配する。これに対して「支援金」は、この大震災において活動しているボランティア団体・NPO、あるいはそうした団体が必要だと考える人びとに支給される。

全ての人に平等に配分する義捐金は、被害が小規模な災害であれば平等性をしっかり評価した上で、配布することが出来る。災害の被害が小規模な「復旧」であれば、政府が責任を持って義援金を配分し、対処することが出来る。

しかし、今回は被害が甚大な「復興」である。実は、阪神淡路大震災の時は、「復興」という言葉は使わなかった。「復興」と「復旧」とは違う。あまりにも甚大な被害が出た場合には、義捐金という制度は今のままでは機能しない。では今回の場合のような被害が甚大な「復興」、つまり「経済復興」の際は、どのように対処するべきであろうか。


国際協力に置き換えてみると、「復興」においてまずすべきことは、貨幣経済に迅速に復帰してもらうことである。貨幣が流通しなければ、何も始まらない。日本の戦後復興もそうであった。コミュニティや個人の発意で闇市が形成され、貨幣経済が動き始めたことからわかる。

貨幣経済が動き出すためにはcash for workが有効である。公務員を一時的でもいいから雇う、瓦礫撤去に対し日当を払うなど、現地の人に、貨幣を持たせなければならない。貨幣を持てば、自分の意志で外に行って、何かを購入するという行動が生まれる。

義援金は法律に縛られているため、cash for workに対処することはできない。cash forworkができるのは、NGOだけである。もしかしたら、義捐金の一部を支援金に回す仕組みがあれば、行政(市や区)やNGOに予算を丸投げして、cashfor workにお金を回すべきだったかもしれない。

正直にいうと、海外ではもっと過酷な状況がある。災害+戦争とかダブルパンチで受けることはあるし、そんな過酷な状況でも、国際社会は「自分の足で立て」と言う。復興においては、「連帯」してはいけないのである。被災者への同情は絶対にしてはならず、ある程度の距離をとらなければならない。可哀そうと思って皆ボランティアに行ってしまい、結果的に被災者根性が身に着けさせてしまうと、愚の骨頂である。おばあちゃんが困っていたら、隣町の若者が助けてあげればいい。大挙してボランティアにいくのではなく、被災者が自らの足で立ち、「自立的復興」を促すような仕掛け作りを考えなければならない。

(米崎義明  charity japan)

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