第36回ホリプロタレントスカウトキャラバンに見るソーシャルメディアマーケティングの考え方 - @ogawakazuhiro

2011年06月24日 10:08

今日はキャッチーな事例をネタに、ソーシャルメディアマーケティングのあり方の一つを紹介してみようと思います。

先日宮城大学(2年生の授業)で臨時の外部講師として、講義をさせていただきました。
内容はFacebookを中心としたソーシャルメディアマーケティングのあり方と事例の紹介です。その中で、掴みとしてAKB48の板野友美ちゃんとのツーショット?写真をちらっと見せたところ、会場がいい感じにどよめいて、やはりアイドルの力は凄いなと感じました(笑)。東京では芸能人に出くわすことは意外に多いものですが、地方だとなかなかそうもいかないということもあるでしょう。

その板野友美ちゃんはホリプロに所属するアーティストです。
実は、現在僕たちはホリプロが主催する伝統的なタレント発掘イベントである、ホリプロスカウトキャラバン(今回は第36回。以下、TSC36)のWebプロモーションのお手伝いをさせていただいています。今年は例年とは違って、声優アーティスト(アニメを中心とした声優+歌手)の発掘であり、TwitterやFacebook、mixiを活用して積極的にネット経由の応募を募っていることが特長です。

TSC36の応募方法はこうです。

1:書類による応募
2:第36回ホリプロTSC専用サイトから応募(PC/携帯)
3:第36回ホリプロTSC専用携帯サイトから応募
4:JOYSOUNDの最新機種CROSSOの「うたスキ動画」で応募

現状の応募状況でみると、PC or Mobileによるネット経由の応募がやはり一番多いようであり、正確ではありませんが、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア経由と、検索によりTSC公式サイトにたどり着く割合も五分五分、のようです。

声優という職種であるため、実際の歌声や話し声をMP3などで記録して応募書類に付録しなければならないというハードルがあるので、本来ネット経由であるほうが応募者にも運営側にも望ましいことはいうまでもありません。

公式サイトはWordPressで組み、各種ソーシャルプラグインやウィジェットをはめ込んだうえで、一般携帯電話(最近はフィーチャーフォンと称するようになりました。ガラゲーのような自虐的な呼び方よりははるかにいいですね)やスマートフォンの閲覧にも最適化もしています。
公募している候補者の年齢層が13歳から22歳であり、PCよりモバイルでのアクセスが多いだろうことを見越しての措置です。
独自URLのソーシャル型ポータルと、各種ソーシャルメディアを組み合わせていく手法を僕たちはソーシャルメディアミックス、そしてその中央に位置するポータルをソーシャルハブと呼んでいます。これはFacebookページだけ作っていれば事足りることも多い米国の事情と違って、まだまだソーシャルメディアの勢力図が群雄割拠状態にある日本国内に最適化したソリューションであると思います。TSC36は、このソーシャルメディアミックスおよびソーシャルハブ戦略を従順に実行しているものです。

今回、震災のあとのイベントということで、ソーシャルメディアを軸にクチコミ喚起をしていくにしても、相当に気を使うことが多かったのはいうまでもありません。多くのエンターテインメント系のイベントが中止や延期を決断することが多かったことを記憶されている読者も多いことでしょう。基本的には、アイドルやタレントになりたいと思う若い世代に夢と希望を与えるイベントを、震災で意気消沈しがちな状況だからこそ行うべきだという純粋な思いではありながら、その思いを曲解されてしまうかもしれないリスクや、よかれと思う自分たちの勘違いであるかもしれないという怖れも関係者の皆さんにはありました。その中で、ソーシャルメディアという、消費者に直結したメディアに軸足をおいたプロモーションをすることは、大変な勇気であったと、クライアントであるホリプロの皆様の英断を僕はたたえたいと思います。前向きに、声優やアイドルになりたいと思う若い世代にチャンスを与えたいというシンプルな想いだからです。例えばいま、22歳であれば、今年チャンスがなければ来年はもう対象年齢から外れてしまうわけです。

TSC36は6月30日までの書類審査受付を行い、その後は全国での予選を開催し、特に東北地方には復旧していないかもしれない交通事情も鑑みた対応を検討中です。最終的には秋に本選を行う、長丁場のイベントです。Web戦略をお手伝いする身だからこそ、TSC36の開催メンバーの皆さんのオフラインでの地道な努力に頭が下がるし、ある意味オンラインからオフラインへと(O2O)応募者の方々をスムースに誘導するためのお手伝いを、最後まで真摯な想いでさせていただければと考えています。

オバマ大統領を生んだ2008年の米国大統領キャンペーンが最高のソーシャルメディアマーケティング事例であることを僕は常々繰り返し紹介していますが、あの運動が、実はテクノロジーとしてのSNSや公式サイトの裏側に、それらを日々激変する政治環境に対して最善の配慮を怠らない80名以上の運営ボランティアの努力があったことを知る人は少ないのです。

ソーシャルメディアマーケティングは今後もますますさまざまなテクノロジーが用いられ、多様なプラットフォームの上で展開されていきます。数年のうちに急激に進化するでしょう。
しかし、その本当の価値を決めるのは、やはり運営する人間の地道な配慮と努力であることはいうまでもありません。

テクノロジーを提供する側だからこそ、そのシンプルな真実を常に胸に刻んでいきたいと考えています。

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