沖縄経由が条件の中国人観光マルチビザについて

小谷 まなぶ

震災以後、中国からの観光客が激減しているということで、7月1日より、沖縄を一度訪問することで、3年間の観光マルチビザを発給するという制度が始まった。


http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/5/0528_02.html
(外務省のホームページ)
 滞在期間は、90日間としており、3年の期限内であれば、何回でも日本を訪問することができる。また、初回だけは、沖縄訪問を義務付けているが、二回目以降は、直接、東京や大阪などから入国ができ、沖縄に行く必要がないという観光ビザである。
 確かに、今までの中国人の個人観光ビザから考えるとかなり優遇された制度である。政府は、沖縄への中国人観光客の誘致の一環で始めた制度であるが、地元の反応は、「人民网 日本語版」が伝えるところよると、この制度が始まることで、地元の経済に貢献があるかという問いで、「期待している」と答えたのが、18%だけで、多くの地元企業の反応は、期待していない、分からない・・などという回答が多く、何か盛り上がりにかけているようである。また、大都市へ移動するための中継地点になるだけで、沖縄には、恩恵がないのではないかという意見もある。
 先日、ある中国人の友人と話をしていて、『中国人が、日本に投資するには、やはり、渡航ビザの問題を解決しなければ難しい。』と、言っていた。
 90日間の3年間のマルチビザの発給をすれば、中国人にとって、日本行き、日本滞在が簡単になり、中国人の対日ビジネスが活性化するのではないだろうか。中国人個人投資家が、日本の不動産物件に投資するには、日本への渡航が簡単にできることが、一番の条件としてあげていた。この問題は、沖縄経由の特別ビザを取得することでクリアーできる。今後、期待できるビジネスとして、中国人向けのリゾート開発、リゾート物件の販売、また、温泉地に保養所などを造り、日本の自然環境を利用したビジネスなどが注目されるではないだろうか。中国人観光客向けの、おみやげ物や、食材の開発など・・中国人にあわせた商品開発などが、これからは、必要とされると思う。

 
■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(ブログ)