民主党代表候補を採点する

2011年08月28日 09:17

実質的に日本の首相を決める選挙だというのに、ろくに政策論争もなしに、わずか2日でバタバタとやる民主党の代表選挙は、有権者をバカにしたものです。マスコミでは相変わらず小沢か反小沢かといった話ばかりなので、あえてそういう政局的な話は無視して、政策で各候補を採点してみました:

  • 前原誠司:60点・・・「経済成長」を政策の筆頭に掲げるのはいいが、どうやってそれを実現するのかという具体策がない。マニフェストを見直す方針はいいが、増税をぼかしているので財政再建の道筋が見えない。明言したのは「大連立」だけだが、自民党の一部と合体して「脱小沢政権」に再編するという方向なら、行き詰まりを打開できる可能性もある。

  • 野田佳彦:50点・・・あえて消費増税や法人減税を打ち出したのはいいが、他の政策は両論併記で具体性がない。「大事なのは『中庸』なのです。極端に社会主義にもいかない、市場原理にも振り回されない」という政権構想にはあきれた。政権運営や予算編成は安定するだろうが、財務省べったりで官僚主導になるおそれが強い。
  • 馬淵澄夫:30点・・・政見で「世界中で日銀だけがマネタリーベースを下げ続けている」と書いているのには驚いた。「量的緩和」などリフレ路線を主張しているが、その意味を理解していない。姉歯事件を針小棒大に騒いで「コンプライアンス不況」を引き起こした張本人。東電を破綻処理するという方針はいいが、性急な「脱原発」路線は評価できない。
  • 海江田万里:20点・・・経産相時代には推進するといっていたTPPについて「慎重に検討」すると後退するなど、小沢路線に妥協して政策の中身がない。独自の政策らしきものは「無利子国債」ぐらいだが、これは経済政策としては意味がない。いずれにせよ小沢傀儡政権になって何もできないだろう。
  • 鹿野道彦:10点・・・「党内融和」と農業保護以外の政策はほとんどないが、「国債の日銀引き受け」などと一知半解の経済政策を主張している。「1票の格差の是正」を打ち出している点だけは評価できるが、「民主党農水族」のボスが実行できるとは思えない。

・・・というわけで、かろうじて「可」を与えられるのは前原氏だけで、あとは「不可」です。全体に中間派の浮動票をねらって政策が曖昧になっているため、政策論争も噛み合わない。具体的な政策を出しているのは馬淵氏ぐらいで、それが事実誤認の日銀バッシングというのでは話にならない。海江田氏は「小沢憎し」の自民党にいじめ抜かれるだろうし、最有力とされる前原氏にはいろいろなスキャンダルが噂されています。党内が分裂したままでは、誰が当選してもまた短命に終わるでしょう。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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