スティーブ・ジョブズが遺したもの - @ogawakazuhiro

2011年10月06日 22:15

2011年10月6日(米国時間では10月5日)、Appleのスティーブ・ジョブズが逝去されました。
Appleの、という冠は、不必要かもしれません。ジョブズはコンピューターを使うということを日常的な生活の普通の行為へ変えた、人類史上に残る偉人であり、デジタルデバイスを芸術品あるいはブランド品に昇華させた天才アーティストです。

ジョブズはAppleを創業し、追い出され、10年という長い時間を経て劇的に復活し、そして低迷していた古巣を世界で最もクールな企業へと変革しました。彼が起こした奇跡の数々は、世界中の起業家や経営者にとっては、憧憬の極みです。ジョブズのようになりたいかどうかはおいて、ジョブズのような仕事を成し遂げてみたいと願わないビジネスパーソンはいないでしょう。


iMacのありえないような大成功を皮切りに、Apple復帰後のジョブズはさまざまな革新的な製品を世に出しました。その一つずつを僕がここに挙げなくとも、多くのジャーナリストやブロガーが素晴らしい成果をリストにまとめてくれるはずです。
だから、僕は、たった一つだけ、ジョブズの奇跡の源を記すことで、彼の偉大な業績を偲びましょう。

凡庸な経営者や開発者は、製品開発や事業開拓をする際に、不要かどうかを迷うものについては「どうせなら入れておこう」と考えて足し算をします。
優秀な経営者や開発者は、本当に不必要なものかどうかを考えて、製品のシンプルさを保つために引き算をします。

しかし、ジョブズの凄みは、必要かもしれないと思うものでも、本当に必要だと確信できないものについては切り捨てるのです。引き算どころか、割り算とも思えるくらいな間引きをするのです。

ジョブズの天才たる所以は、シンプルさやミニマルであることへの徹底的なこだわりであり、その美学を断固として守りぬく勇気にあります。iPhoneなどの製品にしてもiTunes Storeなどのサービスにしても、すべてがジョブズの発案であるわけではないと思います。しかし、革新的なアイデアを発見するだけでなく、周囲の軋轢や雑音に惑わされることなく、徹底的にそれを擁護する。その勇気とガッツ。それがジョブズのジョブズたる所以である。僕はそう思います。

僕も開発型のベンチャーを指揮する身ですが、僕自身が優れたプロダクトを考案していくだけでなく、チームのメンバーの発想の中の革新性を見出す努力と、それを見出した後には最大の擁護者、支援者になるということを目指したいと思います。なるだけではなく、そうであり続ける、という長期的な継続力を持ち合わせたい、そう思います。

ありがとう、スティーブ・ジョブズ。
おつかれさまでした。

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