中国の中小企業の経営者の意識変化

小谷 まなぶ

上海で法人登記の仕事を始めて8年になりますが、毎年、真剣度が増しているように思います。中国国内市場を狙った進出が花盛りです。


 一方では、中国で委託生産して、日本向けに商品をつくっていた商社、メーカーが、委託生産をやめて、中国で自社生生産を始めるケースが増えてきました。
 やはり、中国人のコスト意識の変化が影響しているようです。上海などでは、マンションの価格が、高騰し、坪単価200万円以上するものも少なくありません。1000万円以上する高級車がたくさん街の中を走るようになりました。
 日本でも、中国のバブルとして報道されています。
 中国人の経営者も、豊かな生活を追求するようになり、利益を如何に取るかを考えるようになり、『儲からないビジネスはやらない』という主義が強くなりました。日本からの仕事は、長引く不況とデフレ経済によりコスト追求型のビジネスを余儀なくされていますが、中国では、そのような仕事は、必要ないとして、対応してくれなくなって来ています。 中国人の意識には、日本のオーダーは、『口うるさく面倒で、安すぎる』という意識が根強くあります。値段と商品クオリティーの部分で厳しい日本企業のオーダーを請けない・・という中国企業も増えてきました。
 中国製商品の値上がりの原因の一つに、原材料の高騰、家賃(不動産)の高騰、人件費の高騰以外に、中国人経営者の考える基本的利益の水準が10年前に比べて何倍にも増えたことが原因しています。
 やはり、豊かな生活を続けるには、それだけの利益が必要になります。
 日本市場は、経営者の我慢によって、格安料金を現実化しているのですが、中国の経営者は、そのような主義には、対応できないという態度になってきています。

 時代の変化を感じます。

■小谷まなぶの中国ビジネス奮闘記(公式ブログ)