繰り返される不適切発言の背景

2011年12月01日 18:00

先程、アゴラに本日投稿の不適切発言に関する記事を見つけ、読んでみた。正鵠を得た内容であると思う。

それにしても、日本の様な大国の国務大臣やエリートの代表である高級官僚が、何故こうも不適切発言を繰り返し、国益を損なうのであろうか?


私は三つの理由があると考えている。

第一は、憲法により国民の知る権利が保障されており、結果、国民の眼となり、耳となる(はずの)、マスコミが過保護にになっている。表現を変えればやりたい放題が許容されていると思う。

日本国憲法は進駐軍の指導で作成され、アメリカ同様、日本国憲法21条の表現の自由の保障が色濃く反映したのだと思う。

それでは、果たして、本家のアメリカでは無規律に表現の自由が保障されているのであろうか?

良い実例が一件ある。先月のNY市警によるデモ活動開始から2ヵ月目のWall街を占拠せよ!撤去大作戦の敢行である。詳しくは、ニューヨーク在住のジャーナリストのブログを参照戴きたい。ここで強調したいのは司法が、演説の自由は許容する一方、ニューヨーク市に依る大作戦も認めバランスを取っている点である。

NY高等司法裁判所、結局はズコッティ・パークでの抗議活動は許可を与えつつ、テントなどを持ち込んだ泊まり込みはNY市が採った禁止措置を認めております。憲法第1条の演説の自由を認めつつも、安全面や衛生面を重視したNY市の主張をとる、見事なバランスを取った結論 を与えたといえそうです。

第二は、インターネットの台頭により、マスコミを取り囲む環境が様変わりしたにも拘わらず、Subscriptionベースの収入であれ、B2B型広告モデルであれ、兎に角、マスありきのマネタイズモデルから転換出来ていないのが背景にあると思う。マス等もう何処にもないのにである。

私自身の生活を検証しても、テレビは見ないし、新聞も読まない。代って、情報源と言えばこの記事を書くきっかけとなったアゴラ、BBC NewsそしてTwitterで9名をフォローしており、彼らのTweet位である。

アゴラは決して大きくはないクラスターである。そして、私もこうやって記事を投稿し読者のコメントを得る機会も多いので、私と私の記事を読みコメントをくれる読者は、私を中心にしたクラスターの粒だと思う。

世の中は、こういう知的レベル、信条、そこから来る共鳴といったもので結びついた、無数のクラスターの集合体と見る時代に最早なっている。

媒体資料を見ても、アゴラと例えばニコ堂は全く異質のものであり、一括りで取り扱うのは無理である。マスは死んだと思うべきと繰り返しておく。

しかしながら、新聞やテレビ(マスコミ)が綺麗ごとを言っていては干上がってしまう。生き残る為の手段は人工的にマスを作るしかない。

一番簡単なのは、テレビで言えば人数の多い低レベルの視聴者に番組を合わせに行く事である。結果、質の良い視聴者が去るので、更に番組の質を落とし下の層を狙いに行く事になる。所謂、負のスパイラルである。

次は、恐怖と言う普遍的な感情を利用し、例えば核汚染の恐怖を、ある事ない事で話を膨らませ国民全般に可能な限り広め、人工的にマスを作るのである。

最後は、これも普遍的な感情である、憎悪を捏造でも何でも手段を選ばず世に出し、一気に広め、恐怖同様人工的にマスを作るのである。不適切発言が格好の材料である事は言うまでもない。特オチを恐れる他社は恐怖のあまり無条件に追随する。

マスメデイアはこれ位しないと食っていけない所迄追い込まれているのではないか?正に崖っぷちである。

余談になるが、正当派ニュースチャンネルの姿勢を崩さなかった、衛星放送草分けの朝日ニュースターが来年3月でスタッフ全員解雇 し事実上消滅する。朝日新聞グループとしても体力を消耗した結果、最早支え切れないと言う事であろう。

最後は、政治家や高級官僚とマスコミの距離感の問題である。結論から言えば、大して親しくも無いマスコミ関係者との距離が近過ぎるのが問題と思う。

会食等やる必要は全くないし、オフレコ発言等今回の例を見ても危険極まりない。

オフレコ発言の場に出席するマスコミの姿勢も問題である。もし他の記者が真面目に取材をしており、記事にして世に出せる所迄裏取りも出来ている案件を政治家や官僚に別の記者がオフレコで話されたらになってしまう。正に、本末転倒である。そういう勿体ない事になる真面目な取材はそもそもやっていないと言う事であろう。

さて、最後に政治家や官僚は如何に対処するかであるが、先ずはそういう場に出席しないのが一番良いと思う。どうしても出席せねばならぬ時は、ICレコーダーを持参し捏造記事が出たら即座に否定し録音内容を公開すべきである。

同時に当局に対し刑事告訴を行うべきと思う。刑事司法はニューヨークの高等司法裁判所のニューヨーク警察がWall街を占拠せよ!のデモ隊に対しての力づくでの撤去に対する判断と同様、国民の知る権利一方に偏る事なく、マスコミの違法行為に対して法に照らし厳粛に対処すべきと考える。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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