温暖化対策の負担をどうするか

2011年12月17日 11:18

地球温暖化についていろいろな意見があるようですが、感情論や遠い国の問題に無関心な人が目立つように思います。ここでは長期的視点から考えて見ます。


地球温暖化は起こっているか?

これはホッケースティックカーブで有名なように実際に温暖化している。データが操作されたというが、捏造はないと確かめられている上に、本質的な問題ではない。1900年以降急激な温暖化が起こっていて現在も続いているのは事実。
現実にはアフリカ諸国では温暖化の影響は既に顕在化しているが、発言力が弱いためあまり注目されていないだけである。最近では東部アフリカの深刻な旱魃が問題となっている。 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2638275/4544655
http://www.juno.dti.ne.jp/tkitaba/earth/climatechange/news/06030402.htm

温暖化は二酸化炭素の増加が主因か?

二酸化炭素が温室効果を持つことは物理学上の事実。温暖化が人間の排出する二酸化炭素の温室効果を考慮すると、1900年以降の急激な温暖化をよく説明できる。人為的な影響以外の要因で温暖化が起きているとしても原因はあるはずだが、そういった原因は見つかっていない(自然に起こる変動(宇宙線や太陽活動など)も気温に影響を与えるが、1900年以降の急激な温暖化は説明できていない)。少なくとも現在は、二酸化炭素の増加が原因と考えるのが妥当。 

以上の2つの見解を否定する向きもあるだろうが、否定するにはIPCCに属する何千人もの気象学者(しかも世界中に散らばっている)が長期に渡りデータを捏造したり、誤った研究結果を発表し続けるといったことが前提になり、到底あり得ない。太古の昔はもっと気温が高い時期があったといった事実も、反論として何の意味もない。否定するには、しっかりとした根拠のある二酸化炭素以外のの温暖化の主原因を見つける必要がある。今のところ二酸化炭素の増加が温暖化の主因であると考えて行動するしかない。

日本は省エネ大国なのか

一人当たりのエネルギー消費量の推移だけ見ても日本は決して省エネ大国ではない。http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4020.html

日本は世界第4位の二酸化炭素排出国であり、一定の削減義務はある。日本は省エネルギー社会だから削減は困難だといった言い訳は通用しない。

温暖化は我々の生活にどのような影響を与えるか

IPCCのシミュレーションでは食糧生産や水資源の確保に悪影響が生じることが予測されている。これを信じないというのなら別のシミュレーションを示す必要がある。人類の存続といった問題であり、経済問題とは切り離して考えるべき問題である。
現在温暖化の影響が顕在化しているアフリカの例だけ見ても深刻な問題である。
たとえ2100年までの温暖化がクリアできても、その後温暖化の進行を止められるのか?という大きな問題も残る。 

温暖化対策の負担はどうするか

温暖化対策の負担はGDP比でおよそ-2%から5%と言われている。中央値1.5%としてもかなり巨額である。 現在、先進国全体が経済苦境に直面しており、中国など新興国経済も変調の兆しがある。とても温暖化対策どころではない、というのは説得力のある意見である。

しかし、厳しい言い方をすれば、このまま経済成長を希求すること自体に無理がある。資源、エネルギーの制約があるからだ。現在のような自由主義経済が今後も長期に渡り存続するとは考えにくい。短期と長期を分けて考えることはできても、温暖化対策から世界が逃れるというのは困難であろう。当然負担の押し付け合いが発生するだろうが、影響は早晩顕在化する(実際には既にアフリカ諸国などで顕在化しているが、発言力が弱いために無視されているだけだ)。現在の温暖化問題は南北問題だがやがては世界全体の問題になる。 その切っ掛けは、具体的には異常気象による穀物需給の逼迫といったことではないか。

それでなくても全世界の人口は20~30年で倍増するというペースで増加しており、これを支えるだけの食糧、エネルギーは地球上に存在するようには思えない。人口を減らすことが一番大事であり、これは何らかの形で実行せざるを得ない。適正な世界人口を算出するコンセンサスを得た良い指標があるわけではないが、環境負荷だけを考えても現在の人口でも到底支えきれないと考えるのが正しい。生物の生息数は、その個体の質量に反比例するという簡単な設定(資源量を種で平等に分け合うという設定)だけ考えても世界人口は巨大すぎる。

いずれにせよ、人口問題に近い将来、直面せざるを得ない。現在の日本の財政問題、社会補償問題は、負担の分配という意味で、そのミニチュア版であり、10-20年後には国家間の資源の争奪戦、特に水資源の争奪戦が激しくなる。日本としては、多国間の枠組みで資源を奪いに来る国から自らを守らないことには国として存続そのものが難しくなる。多国間の枠組みで生きる以上温暖化問題でも応分の負担はせざるを得ない。   

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