ゼロベースで考える事の大切さ!

2011年12月22日 08:27

先程、辻先生のアゴラ記事を拝読。ゼロベースで考える事の大切さ!を再認識した。生粋の関西人である私の、より本音に近い表現をするならば、なんでやねん!ほんまかいな?的な疑問を常時持ち続け、自問自答を習い性にすべき、という事だと思う。

とは言え、これは矢張り結構負荷のかかる話なので、リアルに付き合う人間や、Twitterでフォローする人数、Face Bookでのお友達をある程度絞り込み、ノイズを減らす事は同じ様に大切だと思う。


余り観念的な話を続けるのは得意でないので、日本の人材不足を取り上げた一昨日のアゴラ記事を参照しながら説明を試みたい。

この記事のポイントを整理してみる、

日本において最も人材難の職種は営業職である(**)。様々な分野の専門家や管理職を抑え、営業担当者が特に求められているのはなぜなのだろうか。

先ずは、日本において最も人材難の職種は営業職であるとの主張である。

インターネットによる販売チャネルの急速な普及により、リアルな人間を使った営業・販売チャネルは縮小が続いている。しかし、営業職の淘汰が進んでいるのは、購入者が自らのニーズを良く把握しており、かつ品質を十分に理解可能な財・サービスである。つまり、淘汰されている営業職は、顧客のニーズを聞き、要望された財・サービスを提供していただけの単なる「取次屋」である。

この部分に就いては、正直良く理解出来ない。但し、筆者がビジネスモデルとしてB2Cを想定し、その営業シーンでの営業職に就いて語っておられるのは確かの様である。

したがって、営業担当者が不要になるわけでは決してない。むしろ、現代の製品・商品及びサービスは多様化/複雑化が進んでおり、高度な(プロフェッショナルな)営業担当者の需要は今後も高まっていくはずだ。企業側が「営業担当者が人材不足」と感じているのは、こういった背景を基にしているのではないか。高度で複雑化した金融市場の発展により、証券会社や運用会社など個人や事業会社と金融市場を結びつける機関の仲介機能が重要となってくるのと同様に、多様化/複雑化する財やサービスと顧客をマッチングすることのできる高度な営業機能が求められている。

この部分が結論である。従って、これに対する、、なんでやねん!ほんまかいな?の検証作業実行と言う事になる。

我々に取って身近な、家電製品と自動車を例に挙げて考えて見る。

先ず、家電製品である。

私は1955年生まれなので、小さい頃はテレビ、洗濯機、冷蔵庫を含めた家電製品というものは一切家になかった。東京オリンピックも、家にテレビが無かったので小学校のテレビが設置してある「情報教室」で観戦した記憶しかない。

小学校高学年位から、我が家にも少しづつ家電製品が入って来た。当時は家電量販店なるものは存在せず懇意にしている街の出来屋さんから購入するのが当たり前であった。何分、今と違って良く故障した。その度に、電気屋さんがやって来て故障をその場で修理するか、出来なければ一旦持ち帰り、修理した後届けてくれたものである。

当時の家電製品の営業マンは、製品に就いて熟知しているだけでなく、簡単な修理位その場でやってくれる、高度に専門的である、特別の人間であったと思う。

一方、現在はどうであろう?

家電製品の品質は著しく向上し、昔の様に簡単に故障する事等有り得ない。従って、修理も熟す様な高度な営業マンは必要としない。その結果、消費者の関心は価格のみとなり、商店街の電気屋さんはシャッターを下ろしっぱなしとなり、家電製品は家電量販店で購入するのが当たり前の商品になったのではないか?

言うまでも無く、家電量販店で商品の説明を担当するのは多くの場合社員ではなく、家電メーカーから派遣された「ヘルパー」である。勿論、今後は家電量販店が街の電気屋さんに取って代った様に、ネットにその座を奪われる事になるであろう。商流はネットに移る事は確実である。家電量販店の「ヘルパー」に代り、消費者はWebにアップされた情報を判断材料に購入を決定する事になるのである。

ここまでを整理すれば、家電製品の販売は、黎明期は街の電気屋さんのプロによる販売、修理。台頭期の家電量販(「ヘルパー」による販売)を経て、成熟期はネット内での説明を見ての購入と言う事になる。

一方、自動車はどうであろうか?

以前、トヨタ自動車の中堅幹部と親しくなり、飲み会の席で「何でトヨタの自動車はこんなに売れるのか?」と単刀直入に質問した事がある。

それに対する答えは、何も特別な事をやって来た訳ではない。そのまま書くと、「売れる車を製造し」、「しっかり宣伝し」、「実際に来て戴ける場所にショールームを設置し」、後は「営業マンが頑張って売る」と言う基本を愚直にやり続けるだけ、との説明であった。

整理すれば、営業は車を売る為の大事な要素ではあるが、決して突出したものではないと言う事だと思う。

参照記事は先に述べた通り、B2Cのビジネスモデルを想定したものである。良い機会なので、B2Bの場合の営業マンの関与を考えてみる。

トヨタ自動車を例に取り上がたので、ここで、自動車メーカーの生命線とも言える、高張力鋼を納入する鉄鋼メーカーの営業に就いて考えて見る。断っておくが、飽く迄も私の個人的な想像なので、現状認識の間違い等有り得る事は、念頭に置いて戴きたい。

先ず、自動車メーカーから鉄鋼メーカーに対し、要件定義の形で、彼らが求める高張力鋼の仕様が提示され、これが、実質的な商談の開始と思う。

これに対し、鉄鋼メーカーとしては自動車メーカーの要求を満たす技術開発が自社として果たして出来るのか?が検討のファーストステップであろう。従って、第一次回答としては技術検討するので暫く猶予をお願いすると言う事になる。

技術検討に目途が立てば、開発コスト、新規製造ラインと言った初期投資のリクープを織り込んだ商品価格が提示され、本格的な商談に移行するのだと思う。

自動車メーカーによる、実際の選定に際しては、安定供給も大きな要素の筈で、製品の原料である、鉄鉱石や石炭が予定通り納入されるのかも評価対象になると思う。

その場合は、鉄鋼メーカーが契約している商社が単に取次契約をしているのではなく、石炭や鉄鉱石の鉱区をもつ海外企業の株式の30%を保有しているとか、実際の対象鉱区の採掘権の40%を押さえているとか言った実績が大きな評価ポイントになるのではと推測する。

成程、営業主体でこの取引を技術検討、技術開発から開始し、クロージング迄一気通貫担当するとなると極めて高度で且つ幅広い知識、人脈が求められる事になる。

歴史の古い企業であれば、新卒で入社後、幾つかの基幹部門をローテーションさす事で人材の育成が可能であるが、新興で急成長の会社であれば、喉から手が出る程欲しい人材かも知れない。

しかしながら、こういう人材は得てして今の勤め先でも将来を期待されていて、将来の役員候補、運に恵まれれば社長候補と言った事が多い。中々今の勤め先から外には出てこない様に思う。

それから、出てこない理由の今一つは、鉄鋼業で優秀な人材が例えば、今好調なソーシャルゲーム業界で従来のパーフォーマンスを出せるか?と言う疑問もある。

中々面白いテーマで、他にも書きたい事は山程あるが、今日はここ迄に留める。

大事な事は、何事に於いても、一度ゼロベースで、抽象論ではなく、具体的に考えて見る事であると思う。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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