必要性を増す世界人口減少へ向けた取り組み

2011年12月25日 21:28

現在、世界人口を支えているのは6.7億ヘクタールの穀物収穫耕地です。この面積は過去50年、殆ど変わっていません。世界人口の増加に伴って収量を増加させてきたので、今のところ何とか世界人口を支えていますが、今後、耕地面積の大幅な増加は望めないでしょうし、収量の増加にも限界があります(原理的に耕地に降り注ぐ太陽エネルギー量によって収量の上限は規定されます)。実際、単位面積当たりの収量は、60年代は年率3.0%の伸びでしたが、90年代には年率1.3%の伸びに留まっています。論理的帰結として、今すぐに最低でも世界人口の伸びの1%未満への抑制、さらに近い将来、伸びをゼロにすることは絶対に必要です。 

その一方、最近起きた東アフリカの旱魃のように、アフリカを中心に異常気象によって飢饉も起きており、今後、地球温暖化などの環境破壊が進めば、旱魃などで世界に飢餓が広まることも十分に考えられます。我々はこういった事態にどのように対処すべきなのでしょうか。 


日本にも忍び寄る環境破壊の兆候

地球規模の環境破壊は日本人にはあまりピンと来ないかもしれませんが、その兆候は日本でも既に起きています。

本州ではシカが増加しています。下草が綺麗になくなった山が多数出現しているようですし、本州の山でも殖え過ぎたシカが高山のお花畑に進出し、お花畑が丸ごと消失するといった事件が起きています(南アルプス、三伏峠、聖平など)。暖冬や積雪の減少で、子ジカの越冬確率が高くなっているためと考えられています。

山の植生も変わりつつあります。奥秩父の雁坂峠はお花畑が丸ごとなくなり、一面の笹原に、南アルプス前衛の甘利山も草原がなくなり一面の笹原に変貌しました。身近なところでは、丹沢の麓、伊勢原や秦野でヒルが激増しています。これはシカが増えて運んだものです。

世界遺産に登録された屋久島でも深刻なシカによる食害の被害が出ています。開発も植林もあまりされていない島ですが、「屋久島島内で増え続けるシカが生態系に及ぼす被害は非常に深刻です。屋久島西部、世界遺産エリアの林床はすでにスカスカ。下草はほとんど食い尽くされてしまいました」http://maru-yakushima.net/maru-log/2009/10/103.html(屋久島は中央部の標高が高いため上部は寒冷です)と報じられています。

こういった現象は、温暖化の影響が強く疑われますが、確定的なことは言えません。しかし、温暖化の影響の疑いが強くなってきていることは事実です。 

これだけ見ても、一般の人は、下草がなくなったくらい大したことではない、と思われるでしょう。しかし、下草がないということは実生木も食べられているということであり、現在、存在している森林もこのまま何をしなければかなり消滅すると考えられるのです。さらに、シカ害の他にも全国でナラ枯れと呼ばれるミズナラの大規模な枯死が起きています。我々が目にしている自然は、近い将来大きな変貌を遂げる可能性が高くなっているわけです。少しだけ時間軸を長くとり想像力を働かせるだけで将来は見通せるのです。我々が現在起こりつつある環境破壊を危機と感じないのは、想像力の欠如によるものでしょう。

海に囲まれ、環境の変化が穏やかな日本でこれだけの環境変化の兆候が見られることでも分かるように、世界では砂漠化や森林破壊などが進行中であり、自然環境の悪化は人類の存続を危惧させるに十分です。

人口の減少へ向けた国際的取り組みが必要   

世界で起きつつある地球環境の急激な変化に我々はどのように取り組んだらよいのでしょうか。私は、世界で協力して人口を減少させる取り組みを始めるべきではないかと考えます。現在起きている地球環境の変化は、既に全世界の人口が、地球環境との調和を図ることのできないほど多過ぎることを示唆していると考えて間違いないでしょう。実際に食糧生産に大きな問題が生じれば、戦争など大きな問題が生じ、現在のように大量破壊兵器を保有する国が存在する状態では破滅的な結果を招くかもしれません。

 
ここは、世界全体で例えば100年間で世界人口を10分の1にするといった取り組みに向けて始動すべきではないでしょうか。なぜなら温暖化防止に向けて二酸化炭素の排出の抑制が必要であり、例えば排出量を50%削減するという場合でも人口が2倍になれば一人当たりの排出量を75%も削減しなくてはならず、そういったテクノロジーの開発が間に合わないリスクも考えられるからです。 

人間は生態系の一部として存在していますが、生態系そのものは、人間が制御することが難しい複雑系です。多種類の生物が複雑に関係している生態系を人間が最適に制御することなど出来ないのです。気温など物理的環境を制御するしか、人類が生き残る道はありません。平和を保ちつつ問題を解決して行くには、テクノロジーの開発だけではなく、世界人口を長期的に大幅に減少させるしかないように思われるのですが如何でしょうか。取り敢えず産業革命前の世界人口約5億人程度を目標に人口減少に向けて国際協調を探るべきでしょう。 

人間は長期的視点を持つことに今まで成功してきたとは言えませんが、人類の存続のためにも多少の犠牲を払ってでも長期的視点を持つべきではないでしょうか。

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