電波行政が焙り出すもの

2011年12月27日 07:51

電力行政と電波行政は悪政の双璧だと思っている。一昨日、東京電力が酷い事になっているを記事にしたのであるが、書いてる途中、監督官庁の余りの下品さに腹が立って、一時それ以上書けなくなってしまった。

電力行政は一般家庭の電気代が、昨月までは1万円だったものが、今月からは1万2千円とか、製造業が海外移転してしまい、一家の大黒柱が結果失業するとか、国民に取って痛みが判り易い形で顕在化するので正常化圧力がかかる。


一方、電波行政は糖尿病の様なもので、如何なる痛みも、不都合も感じる事はない。病は静かに進行し、気が付いた時は、両足切断とか両目失明とか、かなり重篤になってしまうので危険だと思う。

こういう記事、 「世界のモバイルインターネット、助走期から本格離陸期へ」を読むと、アゴラでずっと以前から議論されている事であるが、矢張り、21世紀の国の雌雄を決するのは、電波帯域の正しい割当てであると改めて実感する。

本来、競り(オークション)にかけて電波帯域を最も効率的に活用し、利益を上げる事が可能な業者に割当てるべきなのであるが、実態は相変わらず総務省の電波部が仕切っている。

以前の記事、 「野田首相は川端総務相を更迭すべき」で説明した通り、首相が議長を務める行政刷新委員会の提言を、ものの見事に無視したのである。

それでは、官僚の力の源泉とは何であろうか?

第一は、保有する情報の絶対量であると思う。結局、電波行政に就いても完全な情報は監督官庁以外にはないのでは?

第二は、ジャーナリズムの不在である。本来足らない情報を取材し、国民に提供するのがメディアの仕事の筈であるが、テレビ業界そのものが不自然な電波帯域割り当ての最大受益者である事から、監督官庁の都合の良い情報以外絶対に報道しない。

第三は、以前の記事、 「日本は社会主義国家を目指すのか?」で説明した通り、官僚の作戦勝ちで、結果彼らに権力が集中してしまい、裁量権が無規律に拡大してしまった事である。

こういう好ましからざる状況に陥ってしまった背景は、当局は企業間の談合を厳しく取り締まっている。一方、小沢一郎氏に対するしつこい捜査が示す通り、政治家の介入、調整に対し隙あらば刑事責任を問おうとしている。その結果、民意を代表すべき、政治が力を失ってしまった事に起因すると思う。反面、今回の一件が示す通り役所の裁量行政は看過されている。結果行政が力を持ち過ぎたのであり、その力を国民の為にではなく、役所や役所OBの為に使っているのが問題なのである。

ちなみに、この記事の後の、前田元検事の小沢議員無罪発言は余りに赤裸々に実態を曝け出している。

最後は、不必要に多過ぎ、細か過ぎる規制の存在である。普段は全くの御目こぼしが実態なのであるが、監督官庁に取って目障りな企業や人間が出現すると、法を盾に社会的抹殺を図り、殆どは成功する。

従って、民間企業は余計な事は、見ざる、聞かざる、言わざるとなり、自由闊達は消失し、結果、経済は委縮する。

国民の大部分は、決して、強くなり過ぎた官僚を好ましいとは思っていない。

橋下大阪市長の人気は官僚と戦っているからだと思う。

民主党にも、中村議員の如く、強烈に菅前首相を批判し、終始一貫して政治主導を唱える、小沢議員を頭に「新政研」を旗揚げする中堅議員の活動も活発になっている。

昨晩のNHKスペシャルは見応えがあった。菅前総理は史上最悪の総理だと思っていたが、その思いを更に強くした。また、小沢氏については比較的フェアな報道だったと思う。これからは先週設立した「新政研」の活動が重要になる。新政研は政策研究会。小沢一郎の理念・判断の理由を分析する。

電波行政を正しい方向に誘導するには、健全で正鵠を射た議論と共に、官僚機構の正常化が必要と思う。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役


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