センター試験利用入試は文部科学省の方針に反する

2012年01月19日 12:44

ベネッセのサイトに掲載された情報によると、センター試験を入学試験に利用する大学の数は増加の一途をたどっている。2003年度には全国892学部で利用されたが、2012年度には1459学部に増えたという。当初は国公立大学向けだったセンター試験を利用する私立大学の数は、2003年度の351から2012年度には509まで伸びた。

増加の理由は費用対効果である。大学入試センターに成績を照会するだけなので、独自試験よりも安く済むというのが大学側の事情。受験生にとっても、一つの成績で複数の大学に出願でき、受験料は安く、わざわざ試験会場に出向かなくてもよいという利益がある。

しかし、センター試験利用入試は文部科学省の方針に反する。


中央教育審議会大学分科会は、2008年答申で、各大学に「三つのポリシー」を定めるように求めた。「三つのポリシー」とは「学士課程全体を通じた学習成果の目標(デュプロマポリシー)」「教育課程編成・実施の方針と厳格な成績評価(カリキュラムポリシー)」それに「入学者受入れ方針(アドミッションポリシー)」である。

アドミッションポリシーを定める理由を「学力検査の在り方が、自らの入学者受入れ方針に即して、必要な能力・適性を把握する上で効果的なものになっているのか検証していくことが必要となってきている」と答申は説明している。まことにその通りである。能力・適性の合っていない者を教育しても、学習成果の目標は達成できず、有能な人材を社会に送り出せない。

センター試験で果たして必要な能力・適性が把握できるのか。とりわけ、センター試験の結果のみで合否判定する入学試験で、どうして受験生の適性が判断できるのか。

アドミッションポリシーに基づいて学生が受け入れられているかについて評価する役割を担っているのが、大学基準協会である。大学基準協会は文部科学大臣の認証を受け、協会の定める「大学基準」への適合を評価する。そこには「大学は、その理念・目的を実現するために、学生の受け入れ方針を明示し、その方針に沿って公正な受け入れを行わなければならない」と書いてある。大学基準協会は、センター試験の結果のみで合否判定する入学試験を実施する大学に警告すべきである。

山田肇 - 東洋大学経済学部

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