国会議員の仕事とは?、求められる資質とは?

2012年01月23日 12:54

そんなにたくさんの知り合いが国会議員にいる訳ではないが、それでも時々は議員会館に議員を訪問し、人を紹介したり、意見交換をする機会はあった。彼らの日常はざっとこんな感じではないだろうか?


月曜日から金曜日は、議員会館の事務所で来客の対応や陳情の受付。国会開催中なら国会に出席。当選回数により、党で何らかの役職を与えられているので行事に合せ党本部の訪問。

週末は選挙区に帰り、支援者を訪問したり、タウンミーティングに出席する。大体、金曜日の夜帰省し、月曜日早朝東京に戻って来るようである。

見ていて問題だなと感じるのは、余り中身の無い案件で、スケジュールがぎっしり埋まって行く事である。本人もそれなりに忙しいので、まるで仕事をしているかの様な錯覚に陥ってしまう。

大変失礼な事をいうが、出来の悪い大学生の一日と余り変わらないのではないか?

朝、大学に行き適当に受講。夕方はお気楽なサークル活動で時間を潰し、夜は居酒屋のアルバイトで金を稼ぐ。こういう生活なら、別段孤独や退屈で苦しむ事とは無縁に毎日は流れて行く。

それでは、国会議員の本来の仕事とは何であろうか?

私は、法案を通す事であると思っている。これこそが、国会議員の専権事項の筈である。

先ず以て、「法の支配」は順守されねばならない。しかしながら、世の中が変化すれば法を守る事が国民を不幸にするケースも出て来る。従って、実情に合せ法を改正したり、新規に立法する事は何よりも重要である。

例を挙げての説明を試みる。

以前、自炊代行提訴についてという記事を書いた。

露骨に言ってしまえば、「法」を順守すれば自炊代行が出来なくなり、本の所有者全てが自炊するとも思えないので、表現者と出版社に対し、現実的な対応を提案した。

私は、表現者と出版社が連携して、正規のルートで市場を満足させる以外、負のスパイラル突入を避ける可能性はないと考えている。電子出版に積極的に取り組み、読者が怪しげな業者とコンタクトしなくても直接電子データーを購入可能にする事が肝心という事である。価格も妥当なものでないと、商流が確立しないので、値付けの配慮が必要である事はいうまでもない。今回の提訴は社会に一石を投じ、この分野での法の支配を訴えた事で、極めて有意義であったと理解している。しかしながら、今後に就いては、表現者及び出版社は価格と利便性という読者ニーヅを如何に満足させるかという、彼らの原点に立ち帰り、やるべき努力を地道にやって行くべきと思う。

しかしながら、本来は「法」の改正による対応も検討されてしかるべきである。無能で、仕事の遅い国会議員は当てにされていない様な気がする。

繰り返しになるが、国会議員の仕事は法案を通す事である。従って、次回の総選挙に際しては、国会議員が任期中に何本の法案を国会に提出し、通貨率が何パーセントかであるかによって投票する議員を決定すべきと思う。

耳触りの良い、「マニュフェスト」等は、どうせ直ぐに無視され反故にされるに決まっている。初めから相手にしないのに限る。

法案を通す事は決して簡単な話ではない。何より、当事者たる議員がその意義を理解し、関係する多数の人間を説得し、納得して貰い法案可決に向け前に進めて行かねばならない。議員の能力と熱意が問われるのである。

それでは、法案を通せる議員の資質とは如何なるものであろう?

先ず第一に、何の為、誰の為、どちらの方向に向かい、何をすべきかに就いて揺るがぬ信念を持っている事であると考えている。

多くの人間、しかも優秀な人間を巻き込んで仕事を進める場合、「リーダー」は決してぶれてはいけない。そして、何よりも自分がやろうとしている事が、日本を良くし、日本人を幸せにするという強い信念を持ち、回りの共鳴を得ねばならない。

次に、自分の立ち位置を、変化に応じて的確に理解する能力と理解している

個人的な話で恐縮であるが、私は新入社員時代、人事部長からどんなに遅くまで飲んで帰っても、寝る前の5分、眼を閉じ、深呼吸して、「自分」を中心に、自分が所属する「課」、課が所属する「部」、そして「会社全体」、会社と私が担当する企業との「力、利益関係」、或いは大きく言えば世界の中の日本の位置を整理するよう言われ続けた。

こういう事を習い性にせねば、太平洋の真ん中を「海図」と「コンパス」なしで航海する様なものである。

現在の政治が漂流しているのも、こういう基本的な訓練が出来ていないからであると推測する。

世界と日本の拘わり合いと文章に書くのはいとも容易い。しかしながら、日本にのみ生活して、これを理解するのは不可能である。

従って、国会議員に必要な「キャリアーパス」としては、「海外留学」、「海外勤務」という事になる。両方経験するのに越した事はないが、少なくともどちらかの経験はマストとすべきであろう。

語学能力と国際センスの欠如は、本来国会議員として断じて許容されるべきものではないという、原点回帰すべき時期に来ている。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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