特許庁次期基幹システム開発中断

2012年01月31日 09:09

特許庁次期基幹システム開発中断との事である。この記事と参照記事のみが、本件に拘わる私の全ての情報であるから偏りはあるだろう。しかしながら、それにしても「役所」とは変な所であると改めて思う。


先ず第一に、民間企業であれば、基幹システム開発中断ともなれば、競業企業との競争に敗北する事は確実であり、最悪破綻してしまう。役所は破綻しないので結果こういった愚行が繰り返される。そして、愚行の原資は「税」である。

野田内閣は消費税増税しか頭に無い様であるが、そんな事をしても所詮底に穴の開いたバケツに一生懸命コップで水を注ぎ込むだけの話と思う。

矢張り、民間企業同様出来の悪い役所は淘汰し退場を願う様にしないと緊張感は生まれない。「業務」は何処かに移管すれば良いと思う。

第二は、支払い条件である何故、糞の役にも立たぬ仕事の結果に対し金を支払うのだ?これは、結果、溝に国民の血税を捨てているのと同じ行為だと気付かないのであろうか?実に不思議である。

私なら、下記の様な支払い条件にする。

20%:頭金、手付金として契約時支払
50%:出来高ベースでの支払い
30%:リテンションとして検収完了後支払

「単年度会計で不可能」とか、耳に蛸が出来る程聞き飽きた言い訳が出るであろう。エスクロー アカウントの設定とか、何か手はある筈と考える。要は、結局の所尻拭いは国民の「税金」で行われ、自分達の腹はちっとも傷まないので真剣さが足りないのである。

最後は、「要件定義」が発注者である役所自身で出来ないという、正に驚愕の事実である。これが出来ないというのは、「何の為?」、「誰の為?」、「どちらの方向に向かい?」、「何をするのか?」が「自覚」されていない事を意味する。これでは、痴呆老人の徘徊と同じである!

官公庁が一般にシステム開発を一般競争入札するとき、RFP(Request For Proposal)という提案依頼書を成するのですが、多くの官公庁がこの提案依頼書を自分達で作成する能力・専門知識に欠けています。多くの場合、現行システムを開発した業者にこの提案依頼書の作成を無料で手伝わせるのです。

それでは、一体どういう理由でかかる無様な仕儀となったのであろう?

20世紀の「工業社会」ではそれなりに機能した、「官僚」や「役所システム」が、21世紀の「情報産業社会」となり時代遅れになったのだと思う。時代に取り残されたと言っても良い。

20世紀は、頭の中に「知識」を詰め込んだ若者が、優秀と称えられ「エリート官僚」となった。しかしながら、21世紀に求められる資質は、ポイントを突いた「要件定義書」の作成能力である。

「役所システム」はずっと、「予算を取る事」、「取って来た予算の一部を、天下り先の外郭団体に還流する事」、「予算消費の為の新たな組織を構築し、役職を創造する事」であった様に思う。

そして、21世紀となり、気が付けば今回の如くやるべき仕事を熟す能力の不在という残酷な現実を突き付けられた訳である。

こういう状況は、何も特許庁に限った話ではなく、全ての役所に共通した話と思う。

就いては、次期政権は、公務員改革を基軸とする行政改革を最優先課題とし、民間で対処可能な業務は全て民間に委託し、財政歳出の削減に取り組むべきと考える

重篤な債務問題を抱える政府が、この様な愚行を繰り返して良い筈がない。

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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