浜岡原発停止の功罪を問う

2012年02月02日 07:31

浜岡原発停止に起因して、日本が誤った方向に進みつつある事を伝える朝日新聞の記事二件に先程接した。これが、今回この記事を書こうと思った背景である。


先ず、第一の記事は電力、燃料費1兆円増 火力急増で7社赤字である。

東京電力を除く電力9社で2011年4~12月期の燃料費が、前年の同じ期間より計1兆円近く増えたことが31日、各社の連結決算から明らかになった。定期検査で止まった原発が再稼働できず、火力発電の稼働が急増したためだ。原発停止が重荷となり、7社で純損益が赤字になった。

2011年4~12月の8か月間で1兆円のコストインパクトと言う事は1年で1.3兆円と言う事になる。更に、昨年5月9日に中部電力が浜岡原発停止を決定し、その後各電力会社が定修原発の再稼働を順次見送った経緯を斟酌すれば、今後の赤字幅の拡大は確実である。

更に留意せねばならないのは原油先物市場(WTI)もイラン動乱次第であるが、バーレルあたり、今後@150ドル~@200ドルも充分あり得るという日本に突き付けられた厳しい現実である。

d_chtWTI

日本の人口はおよそ1.3億人である。従って、生まれたばかりの赤ん坊も含め一人当たり@1万円を負担する事になる。4人家族であれば一世帯あたり4万円の負担増と言う事になる。

昨日の記事で収縮を加速する民間企業の実態を説明した。

そして、その事実を裏付けるが如く、朝日新聞が昨年の月平均給与、90年以降でワースト2を報じている。

近い将来、国民が強いられる大幅な電力料金の値上げは、間違いなく疲弊した日本経済を直撃すると確信するのである。肺炎で病床に横たわる病人に、バケツで氷水をぶちかけるという表現が適切なのかも知れない。

今一つの記事は、風力発電網に公的支援 山からの中継線整備 経産省方針である。

既に何度も説明した通り、「風力発電」は「太陽光発電」同様決して物にはならない。風が吹かねば発電出来ない様な設備は、太陽が顔を出さねば話にならない設備同様、所詮中途半端な代物で、真面な頭の持ち主ならば取りあう様なものでは有り得ない。

ちなみに、最近アゴラが紹介しているドイツで最も権威ある雑誌、Spiegelの記事、Re-Evaluating Germany’s Blind Faith in the Sunを読んだが、はっきり言ってドイツの太陽光発電は大失敗である。

従って、日本はドイツを反面教師にすべきであって、決して追随してはならない!

経産省のやろうとしている事は、愚行を通り越し、最早暴挙であり、典型的な「税」の無駄使いである。

私は、中部電力が浜岡原発の全炉停止を決定した翌日に、菅直人はテロリストか?を書き、この決定を厳しく批判すると共に、日本にもたらされるであろう「厄災」を予測した。

極めて残念な結果であるが、私の予測は全て的中してしまった。

さて、これから生じるであろう現象を予測する。先ず、全国的に電気が足りなくなる。結果、製造業の稼働が縮小し企業業績は悪化する。人員整理が行われ失業問題が深刻化する筈である。政府税収は激減し財政は破綻する。真夏の酷暑の最中の停電でエアコンが使えず熱中症で亡くなる方も多数出るであろう。強調したいのは、今回の菅首相の私的な要請が国民の生活と製造業を破壊し結果、日本経済を死に至らしめ国の財政を破綻させると言う事実である。これは正にテロそのもではないか?

最後に、今回の浜岡が国民に与えた教訓とは何だろうか?一つは、政治に関する常識をしっかり持たねば大変な事になると言う教訓ではないか。市民活動家上がりや社会主義者の政治家などは絶対に政府要職に就けてはならないのである。一発芸、瞬間芸のみの政治家も同様である。今一つは、ベースは自己責任と言う教訓である。なんだかんだ言った所で、最後に後始末をするのは国民である事をこの際肝に銘じるべきである。

民主党政権に残された時間は短い。ならば、せめて「浜岡原発停止の功罪」位はしっかり精査、分析し、次期政権の参考資料とすべきであろう

山口巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑