よりよい両院制を考える --- 駒沢 丈治

2012年02月25日 09:00

橋下氏が率いる「大阪維新の会」が、次期衆院選の公約「維新八策」を発表した。その中には「参議院の廃止をも視野に入れた抜本的改革」と「衆議院の優越性の強化」が盛り込まれている。これを実際に進めるのは相当困難だと思うが、それでも現在の両院制を根本的に見なおそうという提案には賛成だ。
ならば無理を承知で、私もひとつ新たな両院制を提案したい。


衆議院と参議院に分かれた日本の両院制は、現在有効に機能していないように見える。両院制の場合、両者は異なる価値観や判断基準を持たなければ意味がないのに、日本では衆参両院とも似たような選出メカニズムで議員が選ばれているからだ。

その結果参議院は、捻れのないときには「ただ通過させるだけ」の空気のような存在に、捻れのあるときには「法案通過を遅らせるだけ」のつまらない存在となってしまった。これでは「多角度的な民意の反映」という両院制の意義にそぐわない。

では、どうすればよいのだろう?

私は「政策院」と「国策院」(名前はどうでもよい)に分けた両院制が望ましいと思う。たとえばこんな内容だ。

■政策院

政策院は現在の衆議院と同じでよい。様々な法案を審議し、可決する。立候補の基準も、投票の基準も、現在のままでよい。

違うのは、もうひとつの院「国策院」の判断に対していかなる優位性も持たないということだ。政策院を通過した法案は、国策院によって廃案にされる可能性がある。国策院の決定は絶対で、政策院自身の再可決によって立法化されることはない。

■国策院

国策院は、政策院が審議・可決した法案を認可するためだけの存在だ。認可するか、しないか。判断はそのどちらかしかない。あらゆる法案は国策院の認可無しで立法化されることはなく、認可されなければ廃案となる。

国策院は、議員の立候補も投票も40歳未満とする。

■政策院と国策院の役割分担

単純にいえば、熟年世代の代表者(政策院)が法案を作成し、その決定を若い世代の代表者(国策院)が認可するという仕組みだ。

法案の審議には経験が必要だから、これは老練な議員のほうが向いている。豊富な知識と経験を元に日本にとって最適と思われる法案を作成し、審議すればよい。

しかし最終的な決定は、将来に責任を持つ若い世代が行う。日本の未来は彼らのものだからだ。

政策院と国策院に分かれた両院制の下では、将来にツケを回すような近視眼的な法案は通過しない。政策院は「長期的に利益になる」法案を作成しなければならないし、その理由を若い世代に対して十分説明しなければならなくなる。

国策院は、政策院が作成した法案が将来プラスになるかどうかだけを考えればよいから、細かい文言等について審議する必要がない。

もちろん若い世代だけで構成された国策院が、若さ故の知識不足や経験不足によって誤った判断を下すこともあるだろう。すばらしい法案を廃案にしたり、何度も差し戻すことによって好転の機会を失うかもしれない。

しかし、それはそれで構わない。彼らは自分たち自身の未来をもって、判断ミスを償うことになるからだ。現在のように、老いた世代の過ちを若い世代に押しつけるよりは、はるかによい。

駒沢 丈治
雑誌記者(フリーランス)
Twitter@george_komazawa

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