一年は単なる経過点だ

アゴラ編集部

今日は3月11日です。一年たって変わったモノゴトもあれば、震災直後からほとんど変わらないモノゴトもある。復興もなかなか進みません。瓦礫処理もどうなるか、日本中で議論になっている。
一年たって死者は1万5854人、まだ3155人もの行方不明者がいます。各地で行方不明者の一斉捜索も行われました。表題は、岩手県岩手県下閉伊郡山田町の写真ブログです。かなり大々的に行われた様子がわかる。大変な作業です。
山田町災害復興支援隊
山田町一斉捜索最終日
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写真は震災から3週間後の南相馬市原町区沿岸部(表題ブログとは関係ありません)


いやまさにその通りで、単に時間的に「一年たっただけ」なんです。区切ることにほとんど意味はない。むしろ復興や賠償、保障はこれから、ということです。
文化通信.com
サンドウィッチマン「ただ1年経っただけ」 さらなる復興支援を訴え

ありんこ支援隊、という募金活動をしているバイク乗りのブログです。ここでも一年は通過地点に過ぎない、と書いている。さらに紹介している「あそびにいぐべ」というブログでは、原発事故の賠償について書いています。一年二年五年十年…賠償の対象期間はいつなのか、東京電力原発事故の影響は大きい。足きり、境界線、四捨五入、といった区切りをつけてはいけない、ということです。
かまたのバイク日記
3月11日、あれから一年

この「競馬」は、いろんな言葉に代替することができそうです。去年の大震災では、いろんなものが失われたわけなんだが、失われずに残ったものもあり、あの体験から自分の好きなもの、好きなことのありがたみを噛みしめた人も多い。そして、この「大震災」は「戦争」や「動乱」、「犯罪」や「貧困」というような天災に限らない人為的なことに代替できるのかもしれません。
ガラスの競馬場
競馬があってありがたい

ネット上では14時46分から1分間、黙祷しよう、という呼びかけが広まっているようです。それがツイッターでちょっとした論争になっているらしい。これは、各自の判断、としつつ、おちゃらけでするな、と書いているブログです。
気が向いたときに書く日記
黙祷=ツイートしないこと?

これは自衛隊員への感謝の気持ちをつづったブログ。主は二十代の男性。最後に吉田茂元首相が自衛隊員へ送った言葉を載せてます。
elan’s blog2
ダウン/あれから一年。これでいいのか?日本人。

これは岩手のブログ。各地で開かれるイベントなどを紹介しています。
イーハトーブログ
震災発生から間もなく1年を迎えます 各地の行事等

東日本大震災で「全壊」地域になった石巻市の商店主有志が、石巻の復興に向かって「全開で全快を目指す」ために立ち上げた復興プロジェクトのブログです。今日、鳩型の風船を飛ばし、夕方にはキャンドルをともすそうです。
石巻ZENKAI商店街
もうじき あれから1年

海外在住日本人も一年を振り返っています。表題はアラスカですが、これはシドニーからのブログ。原発事故も収束したと言えないわけなんだが、一年後の3月11日は区切りではない、時間の流れの中の一日、ということです。
World Traveler in Alaska
BBC This World 2012 『Inside the Meltdown』を見て

SNSで自分が書き込んだ文章をメールで届けてくれる、というサービスなんだが、一年を振り返るのは年齢を重ねるごとに重くなって、気疲れしちゃいます。年を取ると一年は本当に短いんです。
不楽是如何
一年前の自分を思い出せるサービス「Timehop」


アゴラ編集部:石田 雅彦(写真も)
こうして筆者は毎日のようにブログを巡回してるわけなんだが「一年を振り返る」ブログは、直接の被害に遭わなかった地域の人が書いていることが多い。被災地発のブログで、一年の感慨をつづったブログは驚くほど少ない。確かに一年、というのは単なる時系列的な通過点に過ぎず、復興は本当にまだまだこれからなんだ、と思いました。被災地の人たちにとって震災は記憶ではない。ましてや想い出でもない。今なお続いている向き合わざるを得ない現実、なんでしょう。