財政再建に向けた政治家のストレステストの必要性

2012年03月26日 12:21

橋下徹大阪市長の率いる大阪維新の会の影響で、自民党も道州制を検討するようです。 

私は、こうした動き自体は結構なことだと思いますが、反面、懸念も持っています。それは、次期、衆議院議員選挙で、こうした、「国のカタチを変える」といった、10年単位の長期的な目標を争点に選挙が行われ、喫緊の課題である財政再建が置き去りにされるのではないか、ということです。


以前、小泉首相が行った郵政民営化を争点とした選挙、民主党が、実現不能な財源論を持ち出した前回の選挙を反省すると、国民はいとも簡単に、目の前にある本質的な問題から、目を逸らされてしまうことが分かります。

私は、今度の選挙では、財政難でばら撒きは難しいため、「国のカタチを変える」といった派手なキャッチフレーズが持ち出されるのかも知れない、という懸念を持っています。 第一、増税や社会保障の削減を争点に選挙を戦うのは、御免だという政治家も多いでしょう。

来たるべき選挙では、そういった政治家の争点逸らしを絶対に許さないようにしなくてはなりません。

財源論を公開の場で徹底的に問い詰めよ

政策には財源が必要です。 財源の根拠を示さなければ、政策の実現可能性は判断できません。

例えば、大阪維新の会の政策を見ると、地域主権の下で、景気回復や雇用の創出を行いたい意向のようですが、地域主権に移行するのに少なくとも、10年近くの時間と、巨額の費用が要るでしょう。 一体、いくらの費用が必要で、どれだけのコストカットになるのか、数字の開示が必要です。 

財政再建に向けて、増税や社会保障の削減に反対する議員にも責任ある行動をとってもらうために、NHKなどのマスコミは現在いる国会議員や次期衆議院議員選挙の全ての候補者に対して、財政再建の青写真をレポート30枚ほどにまとめて提出してもらったら如何でしょうか。それをネット上で公開し、オープンアクセスにし、国民の徹底的な追及に晒すのです。

これを嫌がる候補者は、公表し責任を追及すべきでしょう。  

実現可能性のない、経済成長を前提とした税収増を掲げる候補者を経済学者が公開討論会で追及することも必要でしょう。 

「なぜ」、「どうやって」、「見通しは」、「その根拠は」とどんどん追及し、議員や候補者の誤った論点を徹底的に破壊し、地の果てまでも追及することで、物事の本質を炙り出すことが、国民の理解を深め、日本を良くするのではないでしょうか。

根拠のない政策論を、徹底的に叩き潰す必要が、あるのです。私は、民主党の増税を巡る論議の迷走ぶりを見ていると、こういった追及がなぜ行われないのか、不思議でなりません。 

議論をどんどん煮詰めてゆけば、結局のところ、野口悠紀雄先生のコラム「消費税をどこまで上げれば、財政は健全化するか」のような試算を行うことになるでしょう。 国会議員や候補者の良し悪しを国民が、判断する材料は多ければ多いほどよいのです。

今、求められているのは、しっかりとした数字の根拠と鋼鉄の論理性のある議論です。公開の場で徹底的な追及を行うことで、国民の理解も深まるでしょう。

国民と政府は一体のもの

政治は、国民の民度の鏡です。 政府の責任とは、国民の責任です。 国民の多くが「財政健全化が必要なことは理解するが、その負担をするのは自分ではない誰かがするべきだ」というような考えでは国は立ち行きません。 「巨額の借金を作ったのは、政府であり、公務員だ、あいつらが払えばいいじゃないか」といった責任転嫁は許されないでしょう。 誰かを吊し上げれば済むことではありません。 

現在の日本の状況を見渡すと、政治を変える良いチャンスです。 現在、原発の再稼働を巡って、政府の対応が注目されています。 

再稼働をしない場合には、燃料費の増加が電気料金に転嫁出来なければ、電力会社の経営はいずれ立ち行かなくなるでしょう。 再稼働をすれば、原発反対の世論に政治は直面することになるでしょう。 どちらに転んでも、困ったことになるわけです。

財政再建の問題も正に、こういったジレンマです。 国民に情報を開示し、国民や有識者の徹底的な追及に耐える良質の政治が、今求められているのです。 私自身も、自分のできる範囲で、政治の責任を徹底的に追及したいと思います。

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