続々・ソーシャルゲーム規制に関して --- 木曽 崇

2012年04月18日 13:22

●ゲームやって、アイテム取得して、転売して、その金でまたゲームする。これって実質、賭博じゃね??(→三点方式批判)
●その中に反社会的勢力が入ってきてチート使ったり、bot使ったりして荒稼ぎ。それが結局、彼らの資金源となってる!?(→ゴト行為と打ち子問題)
●「アイテム出現確率UP!!」なんてイベントで煽ってるけど、運営側はホントは確率なんて変えてないだろ!?(→出玉イベント問題)
●いやいや、ガチャ確率は本当は運営側に都合よく操作されているんだ。最初は景気よくプレイヤーの期待感を煽っておいて、徐々に確率を落として搾り取るんだよ。(→遠隔操作疑惑)

それが真実かどうかは別として、上記はすべて現在のソーシャルゲーム界隈でしばしば聞かれるコメントですが、風適法関連業種側の人間からしてみれば何とまぁ馴染みのある会話であることか。リアルの世界でずーっと行われてきた様々な論議がオンライン上でも同様に起こりはじめたのねと、思わざるを得ない状況です。このような論議を鑑みるに、今回のソーシャルゲームを巡る問題に対して、警察が「もしかして俺の出番!?」と勢い余ってウォーミングアップを始めるのも無理もありません。


じゃぁ、ご参考までにコチラの業界では今、どのように各種業態が整理されているかというと、法的にはザックリと以下の3つに分けられています。

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ゲームセンター(風俗営業8号営業種)
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遊技業(風俗営業7号営業種)
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公営競技
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賭博とそうでないものの差は比較的わかりやすいので何となくイメージして貰うとして、風俗営業7号と8号の差は「ゲームの結果に対して景品を出していいorいけない」の差です。8号営業のゲームセンターはUFOキャッチャーなどの若干の例外はあるものの、基本的にはゲーム結果に対して景品を出してはいけない業態です。一方、遊技業はゲーム結果に対して景品を出すことが法的に認められており、それを現金売買する特別な流通経路が存在していることから、皆さんもご存知のとおりの「三店方式は実質賭博」という批判に繋がっているわけです。

このようなリアル世界の三重構造が、近似した形でオンライン上の論議として引き継がれたのが今回のソーシャルゲーム問題といってよいでしょう。

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オンラインゲーム
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オンラインゲーム+RMT
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オンラインゲーミング(ギャンブル)
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ここのところのプラットフォーム事業者側の対応を見る限り、ひとまずは「RMTの根絶」の方向でまとまっている模様。すなわち転売市場を根絶することで、リアルにおけるゲームセンター(風俗営業8号営業種)の立ち位置へと明確にポジショニングしましょうという方針のようです。ただ、ここで問題になるのが実効性のある対策ができるかどうかですよね。GREEは先日、RMTへの対策強化を発表しまし「カード等のトレードに関して、トレードの成立前に有人での目視調査を実施する」など、IT企業らしからぬ人海戦術での対策を宣言しましたが、基本的にこの種の施策は「イタチごっこ」にしかなりません。技術的な封殺ができない限りはRMT市場は依然として残ってゆくことになりますし、その先に出てくるであろう論議は業界側が最も恐れているゲーム仕様そのものに対する規制論となります。

今、プラットフォーム事業者側は「自分達の提供するゲームが悪いわけではない。RMTをする奴等が悪いんだ」というスタンスを取っていますが、RMT行為が留まることを知らず、あまつさえそれが反社会的組織の資金源になっている現実があれば、規制側はいつまでも黙っては居ません。経験上、当局側の規制は 1)広告表現規制→2)アイテム出現率規制→3)トレード機能そのものへの規制、と発展的に指導の枠を広げてくる事となるでしょう。1)で踏み止まればソーシャルゲーム業界も何とか生き残るかもしれませんが、2)、3)まで及ぶこととなれば業界は致命的なダメージを負うこととなるでしょう。

そして、ここからさらに論議が難しくなるのが、世界的にオンラインゲーミング(ギャンブル)の法制化論議が急速に進んでおり、我が国においても様々な動きが水面下で起こりつつあるということ。この3月31日に国会で「改正宝くじ法」が成立したのですが、実はこの成立によってあくまで「公営」という条件付ながらも、我が国でもオンラインゲーミング(ギャンブル)の実施が可能となりました。(詳細に関してはリンク先記事を参照)各種規則の改定も含めて、法律以外の部分にも手を入れてゆかなければならないので、それほどすぐに我が国でオンラインゲーミング(ギャンブル)が実現するとは思いません。しかし、世の中が徐々にそちらの方向に進んでいるのは確かです。

すなわち、繰り返しになってしまいますがリアルもオンラインも垣根なく、いよいよ我が国の賭博および射幸ゲームの統制論議がヤヤコシイ事になってきたということです。

木曽 崇
国際カジノ研究所 所長

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