「日本型××」がいけないんだ!

2012年05月16日 13:30

『日本の技術は一流』はもう止めよう』という記事に対して、たくさんコメントをいただいた。「日本にも一流技術はある」という意見も来たが、もちろん、僕は日本には二流しかないと思っているわけではない。「一流だ、文句あるか」と誇示するのは止めようというだけだ。

「日本型××」を強調するのも悪の元凶だ。日本型スマートグリッドはその典型。資源エネルギー庁が組織した低炭素電力供給システムに関する研究会で2009年5月22日に東京電力の渡辺技術部長(当時)が行ったプレゼンテーションは、『日本型スマートグリッドへ向けて』であった。同年発行の電力中央研究所ニュースにも同じ表現がある。送電線の混雑がしばしば起きる欧米と異なり「日本ではすでに高信頼度の電力供給システムが構築されているが、今後、再生可能エネルギーが大量導入されても、これまで通り高信頼度、効率、品質を維持する」のが日本型スマートグリッドだそうだ。


電力供給システムは東日本大震災で大きく揺らいだ。日本型についても再考するのが当然なはずだ。しかし、『知識情報社会の実現に向けた情報通信政策の在り方』と題する情報通信審議会の中間答申(2011年7月25日)には「日本型スマートグリッドを今後具体的に推進すべき」と書かれている。読売新聞が後援した「スマートコミュニティシンポジウム2011」(2011年12月4日開催)では、資源エネルギー庁の小見山氏が「世界で2020年に200兆円以上のスマートシティ、スマートコミュニティの市場があるという分析もある。日本が持つ強い技術力を生かして海外市場にも手を広げていく」と話している。

小見山氏の考え方が理解できない。特殊な日本に合わせたシステムがなぜ世界に売れるのか。「日本型」という表現には「強い技術は海外で受け入れられて当然」という傲慢さを感じる。

Googleは日本語に対応しているが「日本版」Googleは存在しない。iPodとiPadも同様に日本向けの「特殊バージョン」はない。最初から世界を目指している他国の企業と戦うには「日本型」へのこだわりを捨てなければならない。「日本型××」は、やはり悪の元凶だ。

山田肇 -東洋大学経済学部-

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