経営マインドを変えよう

2012年05月21日 14:13

ブログで、スポーツ用品企業、またアパレル企業で震災前を上回る業績回復が顕著に見られることを取り上げました。消費マインドの回復が原動力となったものです。景気が回復の兆しを見せ始めていることは、内閣府の行なっている景況ウォッチャー調査の結果でも見られます。景況感は、景気に関する街の声を反映したもので、とくに先行き景況感は、株価の先行指標ととる向きもあります。日本も長い景気低迷から少しずつ脱し始めているのでしょうか。
歩く、走る、登る、釣るブームを背景に好調な企業
アパレルが元気になると世の中も明るくなる?逆かな?


景況感は、動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の経営者やそこで働く人たちから景気について聞いたものですが、50を上回ると景気が上向いている、あるいは先の見通しが良くなっていることになります。
東北大震災の影響からは回復したものの、その後の電力不足、またタイの洪水によるサプライチェーンへの甚大な被害からの生産制約などの影響によって再び低下していた景況感が、今年に入って緩やかながらも回復してきていることがわかります。とくに東北復興や自動車の好調で雇用が改善されたこと、また家計動向消費の活性化が見られたこと、とくにサービス関連の景況感が上昇してきたこと景気の底を打った原因です。
景況感

さて、企業の業績は、その時代や市場のトレンド、需要の変化や競争環境の変化だけで決まるのではなく、企業がどのように努力してきたかのかで決まってきます。不況期に経営努力を重ねてきた企業は消費が回復しはじめるとまっさきにこの波を捉えます。小売り業でも、百貨店も消費マインドの好転で、二ヶ月連続で対前年を上回りましたが、コンビニエンスの好調さとは比較になりません。景気の回復でようやく業績も回復するのか、自助努力によって業績をあげているのかの差は歴然としていて、、強い体質をもつところが、景気回復でさらに強くなっていきます。市場の変化への対応力やビジネスのしくみの違いによって、競争力に差が出てきつつあり、また消費マインドの変化を取り込むパワーにも差がでてきているということでしょう。

また消費マインドの好転は、政治とは関係のないところで起こっていることも注目しておく必要があるように感じます。東北復興への財政出動は効いたとしても、それ以外では、やれ金融緩和だとか、円高対策だとか、財政再建、さらに消費税アップの議論とは関係がなく消費マインドが回復してきたり、好業績企業がでてきているのです。

また円高が進みましたが、もちろん円高は輸出関連企業に影響を与えます。しかし為替に関しては打つ手がない状態です。円高が諸悪の根源とする記事もありましたが、その記事のなかでも金融緩和に効果がないことを認めているようにこれといって政府や日銀にも打つ手がないのです。だからゆうちょ銀行の投資制約を取り除き、国債を買うのではなく、外貨建て資産を買えば、円売り外貨買いの流れがが生まれ、円高対策になるということアイデアが示されているのですが、しかし、それではなぜ民間銀行の国債保有額がどんどん増えてきたのかへの説明にはなっていません。
「何度も言うが諸悪の根源は円高」  フジマキ・ジャパン社長 藤巻健史氏:マネーブログ カリスマの直言 :コラム :マネー :日本経済新聞 :
諸悪の根源は、デジタル革命やグローバル化などの大きな時代の変化が、ビジネスの環境を根底から変えてきたにもかかわらず、日本の産業の多くがその変化に乗り遅れ、ビジネスの進化が進まなかったことにあるというのが本当のところではないでしょうか。

しかし、そんななかでも産業財、中間財などの分野は、競争力を維持する努力が行われてきたので、円高の打撃があっても業績を伸ばしている企業が目立ちます。また小売り業でも、ネット通販やコンビニのように新しいビジネスの仕組みを取り入れたところは伸びてきています。しかしそういった努力はなかなか外からは見えないものです。

景気が悪化する中では、よほど追い込まれない限り、なかなか経営体質を変えることは難しいとしても、景気が底を打ち始めたことは、経営体質改善や、ビジネスの変革にチャレンジする経営マインドの回復につながれば、日本の企業の場合はまだまだやるべきことが多いのです。
政府がいくら財政出動しても、公共事業や補助金は一時的な景気の押し上げ効果しかなく、上昇した景気はやがてその反動でまた落ちるのが常です。しかも財政の赤字がさらに膨らみ、日本のただでさえ危なくなってきたリスクがまた高まります。

そろそろ混迷している政治に期待することをやめ、もっと経営に集中する気運が高まってくることを期待します。すくなくとも世界の先進国のビジネスの焦点、競争の焦点は、いかに競争を回避する強みを持つのか、またより高い収益が生まれるビジネスの仕組みづくりに移って久しいので、やみくもに売上高や量を追求する発想から転換してはどうかと思います。

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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