海外で奮闘する日本人とガラパゴス日本 --- 岡本 裕明

2012年06月05日 08:01

私は海外に出て20年。そして心がけているのが成田空港についた瞬間に「日本モード」に意識的に切り替えること。なぜならものをはっきり言ってはいけなかったり、礼儀に並々ならぬ意識をしないと後ろ指をさされかねないからです。これを延々と20年やっているとどちらが本当の自分だかわからなくなったりします。

日本にいる私の母親から「あなたはドライすぎる」と言われることがありますが、どうもロジックで押し過ぎる傾向が強すぎるのかもしれません。


ちなみに昔、カナダからアメリカへ仕事で通っていた際には車で国境を越えた瞬間「アメリカモード」にしていました。Sorryとは言わないとか、栄養ドリンクを飲んだようなハイな状態を作り出すとか、パーティーやレセプションではありえないぐらいにこやかにポジティブシンキングで会話をしたり…といった感じでした。

数日前、ヨシダブランドのBBQソースで著名になった吉田潤喜氏がバンクーバーで講演会をされ、その後、直接に話を伺う機会を頂戴しました。ご本人が自分を「Crazy Yoshida」と表現するほどユニークな方ですが、講演を聴いていて「いや、私の知っているアメリカで頑張っている方々はレベルの違いさえあれどこれぐらい『濃い』人が多い」と思いました。

そして、講演を聴きに来ている聴衆者を一番後ろの席から見渡しながら「いや、ここに座っているバンクーバーの人も相当濃い方が多い」と実感しました。

海外、特に北米では自分をいかにスタンドアウトさせるかは生きる術として重要だと思います。風の吹くままに生きていけると思ってはいけないでしょう。風があちらこちらから吹いてきて、「どちらになびくのか」と選択を迫られ、「えぇっ、こちらかな?」とあいまいな返事をすれば「何故そうなんだ、理由を聞かせてくれ」と迫られるのがオチです。

中学や高校の英語のクラスでは「Yes、Noをはっきり言う」ということを習ったと思います。それは単に意思を明白にするのみならずその理由を述べ、自分に賛同する仲間を創り出すことだということに気がつくまでにはかなり時間がかかりました。つまり、少なくとも北米では日本的な無関心を装うことは困難である、と考えなくてはいけません。

では外国に住む日本人はユニークか、といえば、自分の色をしっかり出さないと仕事や生活が出来ないのだ、と答えるのが一番的を突いている気がします。

吉田潤喜氏は「日本は沈没しかかっている」と感じています。ではこの難局、どうやったら抜け出せるのでしょうか?

北米ビジネスの最前線で戦っている日本人は北米ビジネス戦術がどんなものであり、日本に欠けているものがなにかをある程度は認識していると思います。つまり、日本と北米スタンダードのギャップを埋めることが出来た人ほど成功できる可能性は高いのかもしれません。ここに目をつける人が出てくれば面白くなると思います。

一昔前、ある日本企業で帰国してきた海外駐在員を煙たがり、「リハビリテーション」などと称して「西洋かぶれ」を取り除かせる猶予期間をおいたという話を耳にしました。大なり小なり、日本では日本のやり方が主であり、海外のアイディアを取り込むことに消極的であります。

結果として今の落ち込んできた日本があるのだろうと思います。私は外国にいる日本人がユニークなのではなく、苦労して外国で頑張っている日本人は世界の人と同じ土俵まで這い上がってきたということだと思います。外国で頑張る日本人を「外国かぶれの変わり者」として笑ったり奇異な目で見るほど日本のガラパゴス化は進化しているという意味でもあるかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年6月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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