大失業時代の到来を予測する(続編)

2012年06月23日 09:05

産経新聞の伝える所では、日産、11年ぶり国内生産縮小 主力の追浜工場で20万台減産との事である。

日産自動車が主力生産拠点である追浜工場(神奈川県横須賀市)の生産ライン2本のうち1本を7月に停止することが21日、明らかになった。日産グループの当面の国内の年間生産能力は約20万台(15%)縮小し、115万台程度まで減る。

自動車大手では日産のほか、トヨタ自動車も国内の生産能力を、40万台減の320万台まで段階的に減らす方針。円高に伴う輸出の採算悪化や国内市場の低迷を受けて、国内生産縮小の動きが広がっている。

私は先月のアゴラ記事、大失業時代の到来を予測するで、雇用問題の重篤化を予想したが、家電に引き続き日本を代表する自動車産業の海外移転のインパクトは極めて大きい。

良く言われる様に、自動車産業の裾野は極めて広い。下請け、孫請け、更にその協力工場。トヨタ、日産は廉価な製造コストを求めて海外移転する訳であるから、余程高度且つ特殊な部品でなければ、引き続き日本から輸入してまで購入を継続するとは考えられない。現地の安価な代替品に転換する筈である。

自動車工場が日本から消えてしまうと言う事は、下請け、孫請け含め一大産業群がすっぽり地域から消滅する事を意味する訳である。残された地域が抜け殻になる事は確実である。

失業問題は何も日本固有の問題ではない。The Huffington Postの90 Million Workers Won’t Be Needed By 2020, Study Says が興味深い。

Between 90 and 95 million low-skill workers — or 2.6 percent of the global workforce — will not be needed by employers by 2020 and will be vulnerable to permanent joblessness.

2020年迄に世界の総労働人口の2.6%に当たる9千万から9千500万人の単純労働者が職にあぶれ、生涯にわたり脆弱な暮らしに甘んじる事となる。

“The polarization of incomes between high- and low-skill workers could become even more pronounced, slowing the advance in national living standards, and increasing public-sector burdens and social tensions,”

熟練労働者と単純労働者間の賃金格差の二極分化が更に顕著となれば、生活水準の向上は抑制され、公的支出が増大し、社会的緊張が増加する。

日本に於いては戦後の一時期、「一億総中流」と浮かれた時期があった。そして、大学の卒業証書が中流へのパスポートであった事も事実である。

しかしながら、これから状況は様変わりせざるを得ない。詰まりは、一握りの高度技術に精通した成功者と大多数の貧しい単純労働者と言う二極分化である。

フリーター、派遣労働者それからブラック企業正社員も単純労働者に分類して良いであろう。そして、更にその下に、働く事を諦めてしまった失業者、生活保護受給者と言った社会の底辺に位置する人々が存在すると言った所ではないか?

これから世に出ようとする若い人は、「グローバル人材」、「ノマド」そして「セルフブランディング」等と言った上っ面の言葉に惑わされる事無く、成功に続く道を自分なりに探し当て、それに向かい地道な努力を続けるべきと思う。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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