日韓隣国同士、敵対視するのはもうやめよう --- 岡本 裕明

アゴラ編集部

数多くの掲示板で留まるところを知らない韓国と日本の誹謗中傷合戦。参加する多くの子供たちは何故、お互いを敵対視するのか十分に理解せず、回りがそう言うから、あるいは親がそういうことを言っていたという流れのノリに近い形があるような気がします。


先日、複数の韓国の友人とじっくり話しをしたことがあります。高等教育を受けているせいか結論的にはかなり大人なもので一致しました。それは「似たもの同士」。だからこそ、戦争を含む過去の問題に譲歩できない双方の「弱み」があります。ですがビジネスや民間レベルではその話を持ち出したところで「まぁ、そういうこともあったな。ところで例のビジネスの件だが…」という具合になります。

私の韓国の友人達は実に優秀であります。ただ、天才気質ではなく、ひたすら努力することで勝ち得た地位というのが私の知るところであります。そういう私も典型的な偏差値世代で通っていた公立の中学校では中三の時、出席必要最低日数しか学校に登校せず、後はスパルタ式進学塾でセブンイレブン(元旦を含む朝7時から夜11までの缶詰特訓)に明け暮れていました(そのあと家に帰って山の様な宿題をこなします。寝るのはいつも数時間でした)。しかし、私の韓国の友人達はその努力を長期間にわたり延々と今でも続けておりそのパワーに圧倒されてしまいます。

以前にも書いたと思いますが、私の事業の一つである駐車場管理部門で駐車場の最新式運営機器一式を韓国側に発注しました。そこに至るまでには彼らにとって「出来ないという言葉はない」というぐらい、一つ一つの問題を熱心に解決しようと努力し、韓国側との調整も私の想像をはるかに凌駕するぐらい行ってくれています。導入する機器はバンクーバーの駐車場で初のLPR方式(ライセンスプレートリーディングシステム)となります。
このシステムは日本にはまだないと思います。

日経ビジネス、「旗手たちのアリア」で在日韓国人の裴 英洙(はいえいしゅ)氏が立ち上げたメディファームという医療コンサルティングのことがかかれていますが、氏の生い立ちはご他聞に漏れず日本での厳しい差別との戦いでした。ですが、氏やその母親はいじめなどに対して超然とした態度と生き方で臨み、その結果、クラスメートの人気者と化し、中学校の生徒会長に選任されるまでになるのです。

父親の「組織に安住するな」という言葉を信じ、金沢大学医学部を卒業後、医者になるもそれを辞め、慶応ビジネススクールで経営管理研究を行い、主席卒業となります。

公平な目で見てもいわゆるパワーという点では日本は韓国の後塵を拝しているの様な気がします。国民気質は双方似ているのですが、力強さは韓国が圧倒しています。それは常に上を目指す日々の努力なのでしょうか? もちろん、日本は韓国よりしなやかさがあります。双方の良い面をうまくミックスし民間レベルから過去の清算が進めばよいと思う今日この頃です。

このぐらいにしておきましょうか?


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年7月16日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。