電力政策と中東の地政学的リスク(続編)

2012年07月30日 11:59

今朝の産経新聞が伝える所では、イスラエルのイラン攻撃 ロムニー氏「決断なら尊重」との事である。

米大統領選の共和党候補に内定しているロムニー前マサチューセッツ州知事は29日、訪問先のエルサレムでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。ロイター通信によると、ロムニー氏の側近は会談に先立ち、同国が核兵器開発の疑われるイランへの攻撃を決断した場合、ロムニー氏は「その決断を尊重する」と述べた。

一方、BBCもトップページで同様、Romney: US has moral duty to block Iran nuclear plansと、ロムニー氏の断固たる決意表明を伝えている。

US recognised Israel’s right to defend itself and that it was right for the US to stand with Israel.

アメリカ合衆国はイスラエルの自衛権とアメリカがイスラエル側に立つ事を確認する。

聞き様に依っては、アメリカのイランへの露骨な挑発に聞こえる。昨日のアゴラ記事、電力政策と中東の地政学的リスクで説明した通り、シリアが極めて重篤な状況にある中での、近い将来アメリカ大統領に就任するかも知れない重要人物の発言だけに、日本としても看過出来ない事は確実である。

一方、日本国内では朝日新聞が、反原発、脱政治色 多様な参加者求める 国会囲み抗議を伝えている。デモの参加者は、高まりつつある中東の地政学的リスクには、きっと何の興味もないし、何も知らないのであろう。実に能天気で無責任な話と思う。

第二次世界大戦で焦土と化した日本には、「金」も「モノ」も払底してしまい、経営資源としたあったのは戦争を生き残った優秀な日本人だけであった。

若い人は意外と知らないのであるが、日本は1953年から31のプロジェクトに世界銀行から貸出を受けている。そして、その多くは発電所建設に対する借款の供与である。

借款第一号となった、大阪湾を臨む多奈川火力発電所の写真は何時見ても印象的である。焼野原に一人ぽつんと立ち、その後、まるで機関車の様に関西経済を牽引する事になるのである。

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大阪湾を臨む多奈川火力発電所

関西電力は、大阪湾にある多奈川火力発電所に7万5000キロワットの高温・高圧の発電設備を2基購入しました。これにより、大阪、神戸、堺、尼崎といった主要都市に、鉄鋼、工業機械、化学薬品、窯業、繊維、造船といった産業を支える電力の安定供給が可能となったのです。多くの困難を伴った日本初の世銀貸出でしたが、この3社の電力案件を皮切りに、その後日本は積極的に世銀貸出を活用し、経済発展の道を進んでいきました。

世界を驚嘆させた日本の戦後復興は、先人のこう言った、「正しい決断」、「胆力」、「努力」の結果成し得たものであると思う。翻って、3.11以降の日本は菅前首相に依る「違法」とも言える浜岡原発の停止に始まり、まるで真逆の事を継続している訳である。これでは、日本の将来は暗いと言わざるを得ない。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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