神の目と、アリの目マーケティング―@toriaezutorisan

2012年09月07日 15:38

最近じわじわ気になることがあり、久しぶりにキーボードを叩いております。
以前こんな記事を投稿しました。マーケティングは従来の定量的なものから、対象物に内在化するインサイト思考に移行しているという記事です。

インサイトとの重要性~上からのビジネス、下からのビジネス~

しかしながら、従来の定量的マーケティングの壁というのはぶ厚く、これをベースに持っている人々と、インサイトをベースに持っている人々で話がかみ合わなかったりします。


最近経験した例を書きます。(この事例は実在するものではなく、しばしば遭遇する場面を、ケーススタディ的に架空の事業プランで例示したものです。)

まず、これが定量的マーケティングによる事業プラン

■定量型事業プラン
・消費者向けの商品(メインは食品)について、Twitterでの呟きを分析してマーケティング情報として企業に販売する
【Point:最初に結論ありき】

よくありそうな事業ですが、これに至る思考ロジックはこうです。

1.Twitterみんな使っているよね

2.食品をメインとした商品についての感想の呟きも一定量ある

3.これをマッシュアップしてデータを成形すれば、売れる!

これを私は神の目型思考ロジックと命名したいです。神の目で下界を見渡した時に、特定市場や特定ソリューションを使っている人たちが一定量いるから、こう活用しようと上からの評価を下して事業を設計しているからです。
むしろ先に事業プランを考えて(こうすれば儲かりそう)、それを裏付ける数値データを後付けで探したりすることも多いです。

対して、インサイト型は、結論が先に来ません。対象物に内在化するので、Twitterについての定性的な検証からはじまります。

■インサイト型事業プラン

1.Twitterの呟きを見ていたら、結構食品を中心とした商品への呟きが多い
【Point:インサイトによってハっとひらめく】

2.これを、何らかの形で事業プランとすることはできるか?
【Point:ひらめきから、ボトムアップする】

3.このデータをマッシュアップして成形したデータを企業に売る
⇒NG
なぜならば
a.つぶやきの内容が「ドロリッチなう」のように、感想を含まないものが圧倒的
b.つぶやかれている商品は、ほぼ新製品に限られる
【Point:→対象物(この場合はTwitter上のつぶやき)に内在化していると、仮説に対しての裏付けもしくは反証が感覚としてすぐに浮かんでくる。】

4.しばらく2.の事業プラン仮説と、3.仮設の検証を行ききして、繰り返す。

5.施行錯誤の後に、すべての仮説をクリアすると思われる事業プランにいきつく

○インサイト後の事業プラン(参考例)
新商品に絞ったTwitter連動型webサービス
→企業からの新商品情報をweb上に集約。一部のTwitterユーザーに感想や、期待値を呟いてもらう。つぶやかれた数や、RT率に応じて、新商品への感想、期待値をスコアへ変換して、何が一番注目されているのかをビジュアルで分かりやすく表示する。(例えば、新商品のお菓子群の中でもスコアが高いものは、写真が大きく表示され、スコアが低いものはその横にテキストで一覧で並んでいるだけなど。)ジャンルを徐々に広げれば、メディアとしても楽しめそう。

このインサイトから、ボトムアップで積み上げる方法を、アリの目型思考ロジックと命名したいです。この考え方は積み木に似ています。一番下の積み木がなければ、二段目の積み木を乗せることはできません。ひとつひとつインサイト→検証を繰り返して、確定したロジックのみを積み上げていくのです。

神の目型思考ロジックは、算数でいうとマイナスのロジックです。最初に100くらいあるだろうと数値を積み上げて、定量的に検証して、-10、-20と数値を引いていきます。ここにワナがあって、しばしば定量的に検証して数値を引いていく作業を怠ってしまいます。顧客が自分たちの都合の良いように動かなければ、成立しない事業を作ってしまうのです。

アリの目型思考ロジックは、算数でいうとプラスのロジックです。最初に0からスタートし、どうすれば1に出来るかを探ります。そして、そこに最大限の労力を割きます。1に2を足すよりも、0を1にすることの方が、非常に難しいからです。そして、決して1になっても100を考えません。1を2に、2を3にと積み上げて着実に係数を増やすことに注力します。そして、50くらいになったところで100にスケールさせることを考えるのです。

LINEのNHN Japanが「3カ月より先は計画を立てない」と言ってましたが、これはアリの目型思考ロジックに根ざしていると思います。
ちなみに神の目型を批判しているわけではなく、既に市場が成熟しており、どちらかといえば寡占市場である場合は、こちらの考え方でも良いのではないでしょうか。顧客は想像通りに動いてくれるからです。
ただ、最近はネットサービスなのにも関わらず神の目型の思考ロジックが多いなと思い、原稿を書いてみた次第です。

ちなみに、アリの目型サービスを絶賛構想中です。我こそはiPhoneアプリorAndroidアプリの技術者という方、サーバーやインフラ系の技術者という方は、絶賛ご連絡ください!とりあえず、お友達から・・・。→@toriaezutorisanまで。

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