アゴラ読書塾 池田信夫「民主主義と日本人」
民主党政権はまもなく終わろうとしていますが、この3年で人々の政治への期待は消え去りました。長い自民党一党支配にうんざりしていた国民は、政権交代によって新しい政治が生まれるのではないかと期待しましたが、生まれたのは「政治主導」と称する素人政治の混乱と、エネルギー政策まで「民意」で決めようとする大衆迎合だけでした。ここまで来ると、日本人には民主主義は向いていないのではないかと考えざるをえません。
そもそもdemocracyを「民主主義」を訳すのはミスリーディングです。それは主義や理念ではなく「民衆支配」ともいうべき統治形態であり、理想的な制度ともいえません。歴史的には「衆愚政治」という意味の蔑称として使われることも多かったのです。日本では企業も全員一致によってみんなで決めますが、これはデモクラシーとは似て非なる「村の寄り合い」の方式です。
戦後民主主義の思想的リーダーだった丸山眞男は、民主主義をこうした伝統的な意思決定と異なる「フィクション」だと考え、それを支える近代的主体のあり方を考えました。彼の問題は民主政治が定着して過去のものになったと思われましたが、最近の政治の混乱をみると、不幸なことにそれは今も新しい問題です。それは読書塾で今年ずっと考えてきた「日本人とは何か」という問題の一側面でもあります。
このセミナーでは、まず與那覇潤・池田信夫『「日本史」の終わり』をテキストにして日本の政治の現状を考え、丸山の論文集を読み直すことを通じて、デモクラシーとは何か、それは日本に根づくのか、という問題を考え直してみたいと思います。ビジネスマンのみなさんの負担にならないように1回で論文1本を原則とし、受講生のみなさんと一緒に考える時間を多くとります。毎週メールマガジン(無料で購読)で基礎知識を解説します。
講師:池田信夫(株式会社アゴラ研究所 所長)
テキスト(予定)
『「日本史」の終わり』
『丸山眞男セレクション』
丸山『忠誠と反逆』など、追って指定
開催日:2012年10月4日から毎週木曜日・全12回
10月4日・11日・18日・25日
11月1日・8日・15日・22日・29日
12月6日・13日・20日
時間:18:30~20:30
場所:RainbowApps代々木校
東京都渋谷区代々木1-38-7 川本ビル3階(山手線代々木駅より1分)
定員:30名(先着順で締め切ります)
受講料(PayPalも利用できます)
12回:6万円
*パート2からの継続受講者:5万円
*アゴラ経済塾と共通のチケット(欠席したときは経済塾に使えます)
学生:3万円
24回:10万円(アゴラ経済塾と共通)・学生5万円
*地方の方はスカイプビデオによる参加も可能です(学生料金)。
お申し込み方法
専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。
主催:株式会社アゴラ研究所
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