変化する米中の狭間で日本はどう動くべきか --- 岡本 裕明

2012年11月14日 08:16

中国共産党大会が開催されており、断片的にその内容が伝えられてきております。最終日の14日後に内容が明らかにされ、その際のひな壇の写真で誰がどのあたりの位置に立っているからこの人の将来性はある、などとメディアの推測記事まで出てくることになるはずです。

ただ、いずれにせよ習近平体制が始まることはほぼ確定しているわけですから、氏がどのような政策を打ち出してくるかが最大の注目となります。その中で経済に関してはGDPは明らかに減速傾向の上に形の上では東南アジアに「世界の工場」の名前を奪われる状態が形成されつつあります。おまけに日中の経済的冷え込みは結局中国に進出している日本企業にとって「プラスワン」である東南アジア地区へのシフトを加速することになり、中国はここで十分な対策をたてないと苦しくなる可能性はあります。


よって、私は、習体制の中国として思い切った経済政策に打って出ると見ていますが、実質的に崩壊している不動産を通じたてこ入れが難しい以上、当面、金融政策に頼る気もいたします。となれば、金融緩和といういつもの手を前面に出してくるのではないでしょうか。

一方、今日のテーマである外交ですが、いわゆる中国包囲網とまではいませんが、中国警戒論はアメリカでもロシアでもあるわけで蜜月の関係を隣国と築くのは難しい状態が続いています。その中で当然ながら中国が最重要国と考えているのがアメリカのはずです。その関係は友好的路線を持ちながらも自分たちのポジションを強めるという施策に出ないことには派閥争いが激しくなった習体制としては面目が立たないかもしれません。

一方、オバマ政権は今までと同様、基本的に柔軟外交路線でしょうし、アメリカと中国には経済的には強い結びつきが維持されていますから、一方的に喧嘩をするようなこともないはずです。つまり、獅子が自国内で動き回る分にはよいが、それが領土問題などに拡大すれば放置しないというスタンスになるような気がいたします。

となれば問題は日本です。中国とアメリカの間に挟まれる日本は結果として両大国の大枠の関係の中で必然的に決定されるという「従」の立場にあるということです。つまり、日中という外交戦略というより、中国ーアメリカという外交路線の枠中で日本がはめ込まれる形が生じやすくなるのではないでしょうか。

その場合、尖閣の二度の問題で日中間の関係が冷え込みましたが、今後も当然ありうる、という想定は必要でしょう。そこで日本がもし、外交的にその打開策を見出したいのなら、ロシアと接近するという手があります。事実、なにやら外務省ではその動きを見せているようですが、私は北方領土問題を含め、何か「動く」ような気がしております。とても匂うのです。

結論からするとアメリカと中国は一定の緊張感の中で経済、外交を含め、表面的には繕う政策が続くのではないでしょうか? 一方、大国の間に挟まれたGDP世界第三位の日本は主ではなく従となり、結果として日本は経済的打開策をロシアや東南アジア各国に求めていくことになると考えるのがナチュラルです。その場合、日本は誰が守るのか、という部分が抜け落ちています。これは日米安保に頼るしかないわけで日本はアメリカに従の関係を持ち続けることで変わりはないということになるのではないでしょうか?

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年11月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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