自殺する政治家たち

小幡 績

民主党からの離党者が相次いでいる。

これを裏切り者となじり、保身はよくない、という批判が出ている。

間違いだ。


保身のためなら、絶対に離党してはいけない。

今、離党するのは、自殺行為だ。

この一回の選挙に万が一勝っても、政治生命を絶たれる。

年収千数百万円をあと1,2年、維持することだけが目的なら、それも良いだろうが、一生、政治はできなくなる。

政治というのは、仲間と行うものだ。自分がリーダーになったときに、すべてを捨てて心中してくれる仲間が何人いるか。それにかかっている。

党という枠組みは、それをフォーマルにしたものだ。

自民党が民主党よりもましなのは、派閥という、実利をかねた共同体が存在したからだ。

だから、派閥を否定する自民党議員はリーダーにはなれない。

政策などはどうでもいい。

なぜなら、適切な政策は、環境によって変わりうる。そのたびごとに選挙をやるわけにも行かないし、組織を変えるわけにも行かない。

企業なんて、そんなこといったら、毎週、組織をゼロスタートしなければいけない。

そうでなく、絶対的な信頼感、人間としての信頼感をお互いに保有することだけしか、戦いを行きぬく方法はない。起業も企業も、サッカーチームも、夫婦も、同じだ。

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これはサバイバルゲームだ。

組織を動かず、運命を受け入れ、全力で戦うことで、戦友になる。落選しても、盟友であり続ける。

それが次の選挙、次の次の選挙、本当の政治をもたらす。

民主党に残って、かつ、いい戦いをした議員だけが、10年後も政治家であり続けることが出来、ひとかどの人物となった彼らによって、日本は導かれることになるだろう。