この国の政治は、あと数回の選挙で構造自体が大きく変わる! -ワカモノ・マニフェスト2012-

2012年12月03日 18:31

いよいよ明日12/4火、総選挙が公示となる。

こうした中、世代間格差是正と持続可能な社会システムへの転換への政策集『ワカモノ・マニフェスト2012』と主要政党に対する『各政党マニフェスト若者度評価』を発表した。


2008年の発表以来、世代間格差の是正と持続可能な社会システムへの転換を目的に『ワカモノ・マニフェスト』を提案し続けてきた。日本はすでに人口減少に突入しており、少子高齢化による人口構造の変化と、経済の低成長課などにより、この国の社会システムは、すでに実質的に崩壊している状態であり、人口動態の変化に合わせた社会構造の転換は急務と言える。右肩上がりの時代においては、増えたパイを社会ニーズに合わせて分配するだけで良かったが、これからの時代においては、限られたパイをなるべく公平かつ持続可能な形で配分するための「知恵」が求められている。

一方で、現状の政治状況を見ると、シルバー・デモクラシーと言われる高齢世代の発言が過度に反映される状況が、目の前にある課題に対する場当たり的な対応に終始させ、この国の構造が将来に向けて根本的に改善される様子は一向にない。

将来を見据えた社会を実現するためには、未来により大きな責任のある世代の政治への参画が求められる。

世代間格差の最大の問題は、社会保障だ。

生まれてから死ぬまでの生涯で受け取る年金や医療費、各種サービスなどでもらう受益と、税や保険料などの負担との差が、生まれてきた世代によって1人当たりで1億円もの差がある。高齢世代が人生で約5,000万円のプラスになるのに対し、将来世代と言われる若者は、逆に生涯で約4,500万円のマイナスなるのだ。その原因の一つが賦課方式による社会保障システム(年金・医療・介護)であり、この仕組みは、高齢化の進展によってさらに若年世代に過重な負担を強いることになる。もう一つの原因が、財政赤字の拡大だ。2012年の通常国会で消費税の5%増税が決まったが、このレベルの増税では「止血剤」に過ぎず、現状のままでは、既に200%の日本の公的債務残高の対GDP比は引き続き上昇していくことが見込まれ、日本は近いうちに財政破綻する可能性が高い。

もう1つ、若者に目に見える形で押し寄せている世代間格差が労働雇用だ。

12/1、大学3年生の就職活動が全国で一斉に解禁となった。多くの日本人の中で当たり前のように思われているこうした新卒一斉採用による終身雇用と年功序列の賃金体系は、世界の中で極めて希有な存在であることがどれだけ知られているだろうか。日本の場合、この終身雇用と年功序列賃金のため、労働者の生産性に比べ若い間は安い賃金で働かされ、高齢になると生産性より高い賃金がもらえるという構造になっている。このため、同じ仕事をしても年齢によって大きな差が生まれることになる。こうした日本の労働雇用の仕組みを維持するには経済成長が前提となるが、残念ながら現実にはそれが厳しくなっている。その中で中高年の正規雇用を維持するためのシワ寄せは新卒採用抑制という形ですべて若者が受けることになる。正規雇用の削減は、非正規雇用の増加につながり、日本の賃金は年齢によって決定される年齢給であるため、一度非正規雇用になると、正社員になることは非常に困難となる。

こうした明らかに不公平で、一部世代にのみ不安を押しつける実質破たんした構造が、一向に改善されない背景には、冒頭に挙げたようにシルバー・デモクラシーと言われる過度に高齢者の声ばかりが反映される政治状況がある。この政治構造を転換するためには、若者の声が必然的に反映される選挙システム自体の構築や政策形成の中で若者の声が反映される仕組みを創る事、さらに選挙を含めた若者の政治力を高める事が必要である。若者の声が必然的に反映される選挙システムへの転換については、その具体策として『ワカモノ・マニフェスト2012』に「世代別選挙区」であり「ドメイン投票」、「16歳選挙権」、「被選挙権の成人年齢への引き下げ」等といったものを提案した。 しかし一方で、シルバー・デモクラシーの本質である政治への影響力をつけなければ、こうした仕組みすら構築できない。

若者はこうした政治参画においてもそのガバナンスの仕組みの構造改革を求めると同時に、若者の政治的な参画を『見える化』することで政治的な力をつけていく必要がある。その仕組みとして大きな可能性があるのが、「SNS等ICTを活用したオープン・ガバメントや直接参画 の仕組みの構築」である。政治的な影響力の話をする際に農業団体の話を例示するが、農業団体に政治力があるというのは、決して農業従事者が圧倒的に多いというわけではなく、求めるものと方向性が明確であり、対象者がハッキリし、いわゆる票として『コンクリート化』している事が、政治家側に「組み易し」の印象を与え、政策形成や政治的に大きな影響を与えていると言える。時代が変わり、社会変革の方法も多様化する中で、若者が必ずしも同様に『コンクリート化』するべきとは言わないが、若者もまた『コンニャク化』せめて『飲むゼリー化』をすることで自らを『見える化』する必要がある。これは、若者自身または同士では何となく共有している『想い』や『問題認識』、『動き』が、政治家はじめ上の世代から見えない、掴めないからだ。

この国の政治は、あと数回の選挙で、構造自体が大きく変わるだろう。単に政界再編レベルでないガバナンスの転換だ。個人的には、社会システムや政治システムを転換する本当の勝負は次回だとは思っているが、次につながるキッカケをどう創れるか、また、どこまで仕掛けを仕込めるかが、今回の選挙で求められている。 イデオロギーや感情論、好き嫌いで決めることを政治という時代は終った。党勢拡大や当選の為にビジョンや政策を変える事はそもそも政治である筈もない。新しい時代とこの国の未来を創る為に、次の世代は正論で立ち上がらなければならない。 こうした転換の主役は決して政治家だけではない。政界に想いを共有できる人材も必要だが、同時に政界の外や外から新たな仕組みを創る事が必要だ。自分自身の役割がどこにあるのか分からないが、このタイミングと立場を最大限活かしながら、新しい社会への転換を仕掛け続けるとともに、共に立ち上がる同世代に働きかけていきたい。

<参考>
ワカモノ・マニフェストHP
『ワカモノ・マニフェスト2012』
『若者度評価』

高橋亮平
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