米国は「財政の崖」から落ちるのか? --- 岡本 裕明

2013年01月01日 09:00

年末まであと1日あまりとなった財政の崖の交渉。落ちるか、落ちないか、アメリカらしい最後まではらはらどきどきさせる演出はハリウッド仕込みといってしまえば余りにも軽すぎるかもしれないですが、交渉状況からは私は崖から落ちないと思っています。

富裕層向けの増税をいくらからにするか、というのがポイントかと思います。オバマ大統領率いる民主党は25万ドル、共和党は40万ドルというラインの攻防でちょっと前までは100万ドルなんていう声もあったことからすればずいぶん歩み寄ったものであると思います。


この交渉は増税する所得水準のライン引きに対する交渉材料としてEstate Tax、いわゆる相続税率をどこにするかという二つの駆け引きがメインで行われていると思われます。現在の低減税率である35%を通常税率の55%に戻すことを増税オプションとして税収の計算を超党派であぁでもない、こうでもないとやっているわけです。勿論、土日返上でほとんど誰もいないがらがらの議会の中で明日、31日の期限を目指して力と力の駆け引きを行っている状況を見る限り、オバマ大統領ではありませんが私も「控えめに楽観」してます。

まずキーポイントである25万ドルか40万ドルかというライン引きはここまでくれば実質大した話ではなく、双方の力の関係を見せたいだけのゲーム感覚になっています。そしてボトムラインはどれだけの税収を確保し、財政を健全化させるか、ということであります。勿論、彼らがゲームで譲歩を見せなければ崖から落ちることは当然ありえますが、それは余りにもばかげたシナリオにしか見えません。

仮に合意に達しない場合、巷に言うGDP3%下落のみならず、政権不信、国民からのフラストレーションなど国内問題からカナダ、ヨーロッパを始め、世界中に実質経済の影響が出るのみならず、ドル安を招く公算すらあるのです。オバマ大統領としては二期目のしょっぱなにしてこの大きなハードルをまだ4年近く残っている任期をうまくドライブするためにも実力誇示をしないわけにはいかないのです。

実は私はある雑誌に2013年びっくり大予想を掲載しています。多分、その雑誌は既に発刊されていると思いますが、その第一番目の予想が「アメリカは財政の崖から落ちない」というものです。日本の皆さんが紅白歌合戦で盛り上がっている頃には何らかの決着がつくものと期待しております。

今年一年、私のブログにお付き合いいただき本当にありがとうございました。また、アゴラ様、Blogos様を通じてご覧なられた方も多いかと思います。海外に住んでいる目で見た日本の経済、社会、政治などを独断ながらも案外見落としているかもしれないと思われる点にふれるようにしてきたつもりです。

起業を目指す方には私のユニークでバブルという日本経済の転換期に最前線にいた経験など社会人人生を通じて感じたこと、思ったことも時々書かせていただきました。多少でも参考になればと思っています。

2013年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。良いお正月をお迎えください。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年12月31日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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