ハーバードに日本人殺到?!内向き終わる?

2013年01月21日 10:14

願書増加率ナンバーワンは日本!
先日、ハーバード大学ライシャワー日本研究センターのスーザン・ファー所長から元気が出るおもしろい話を聞いた。場所はハーバード大学日米プログラム同窓会。会場にはOBである参議院に繰り上げ当選となった先輩の武見敬三議員ほか政財官界から多くの参加者が駆けつけていた。ハーバード大学の副総長も務めた彼女によると「今、日本人がハーバードに殺到している」らしい!


4年前、ハーバード大学の学部に入学した日本人が一人だけだったとことが日本でもニュースになり「内向き日本」を代表する情報とされ広まったのは記憶に新しい。その年は願書も一桁しかなかったという。ところが、ハーバード大学学部への日本からの願書が二年前から急増中であるという。去年が48通。今年70通を超えているらしい。最近常に三桁の学部生を誇る中韓インドに比したらまだまだ少ないが「増加率は日本がナンバーワンだ。」という。

彼女の話に触発され、母校であるエール大やデューク大の関係者に問い合わせてみたら、数字は教えてくれなかったが、これらの学校でも日本からの出願数はここ数年大きく増えているという。デューク大学では学部だけでなく、MBAやロースクールにも日本人が急増しているという。ロースクールでは中韓インドを圧倒して日本人が一番多い外国人となっているという。

学部以外にも日本人増える
スーザン・ファー女史によると、ハーバードで増えているのは学部への出願だけではないそうだ。そして彼女が主宰するハーバード大学の由緒ある日米プログラムにも省庁、企業、大学研究者等から応募が殺到しているという。これは現在安倍首相の経済アドバイザーで次期日本銀行総裁候補の一人である浜田宏一エール大学名誉教授も在籍した由プログラムである。ちなみに私もエール大学の恩師である浜田宏一先生を引き継ぐ形でこのプログラムに在籍した。私が在籍した2011年は在籍者が少なく、「中国びいきになりつつあるハーバードでは肩身が狭くなり、お金が集まらなくなりやがてなくってしまうのではないか」とささやかれていたプログラムである。いまや年間の在籍者は2年前と比べて倍増しており、スーザンによると「今年はさらにこれ以上の願書は受け入れないくらい応募が殺到している」と嬉しそうに語っていた。

もちろん、これらたまたまかもしれない私の周りのデータだけを持って「もう日本人が内向きではない」とまではいえない。ハーバードの学部願書の急増にしても、最終的に何名合格できるかはわからない。

ただ、言えるのは「流れは変わりつつあるのではないか?」ということだ。もちろん円安傾向にあるとはいえまだ円高の影響もあろう。まだ数は限られているが、日本では中高生をアメリカのアイビーリーグに送るための予備校や塾が出てきた。そこではアイビーリーグの卒業生やそこで教員であった人が勉強法や願書の書き方を指導している。彼らやそこに子供を送り込んでいる親御さんたちに聞くと、「学部からハーバードやエールを目指す中高生はけっこうな勢いで増えている」らしい。願書にしても「来年はもっと増えるでしょう」と平然と答える。MBA留学予備校を経営している知人によれば、「内向きなんて昔の話。企業の留学生への対応が変わりつつある。MBA持ってるかいないかで選択肢も待遇も全然違う。留学予備校は受験生増えてホクホクですよ」という。

流れは変わった?
グローバル化対応の授業内容ができるか否か以前の問題である9月入学さえ決断できないような東大を頂点とする日本の大学に、これからの激動の時代を生きていかなくてはならない子弟を送り込むのは御免こうむるという親が増えているらしい。

有能な学生や世界を知りグローバル化する未来を想定している親は、東大や京大に行っていては将来ヤバいと思いつつあるわけだ。今まで限られていたアメリカ名門大学学部入試の情報もアメリカ名門大学を出た日本人たちが立ち上げたサイトや塾等を通じで入手が可能になった。

有能な中高生の国外流出トレンドはこれから加速する気がする。このままでは東大も京大も危ないと思う。今でさえ東大教授たちは「授業をやり研究をさせてみて、今の東大の学生の質が落ちている」と嘆くが、今後はさらにいい学生は来なくなるかもしれない。願書が増えているのはハーバードだけじゃないのだから。

高校や企業も変わる?!
この影響は、大学に限らず、開成、筑駒、灘等の名門高校にも及ぶだろう。これらの学校の在校生で感度のいい連中は夏休みにアメリカの大学キャンパスを訪問し、すでにそこに進学している先輩に話を聞き、受験準備を始めている。さらに若い小中レベルで海外を目指させようとしている親たちは、「学部からハーバードやエールに入れるためには高校より前からアメリカに渡らないといけない」と認識している。東大や京大のような名門大学だけでなく、そこに多くの合格者を輩出している名門高校や中学も、東大ではなくハーバードも目指せるような授業改革をしていかないと有能な人材が集まらなくなるだろう。

スーザン・ファー女史には「私が書いた二つの書籍「君はこんなわくわく世界を見ずに死ねるか?」と「君は世界を迎え撃つ準備ができているか?」がハーバードに願書が増えたことに10%くらいは貢献したと思います」とお伝えした。彼女は「そんな本を書いてけっこう売れたの?おめでとう!そしてありがとう」と言ってくれたが、私としては彼女の話を聞いて本当にうれしかった。

東大ではなくハーバードに行く学生が増えることは残念なことではなく、長期的には日本の教育を望ましい方向に変えてくれると思う。この傾向が不可逆なものと認識されるようになってはじめて東大は本格的に自己改革に取り組み始めるだろう。それが多くの大学にインパクトを与え、受験校をも変えていくだろう。

そして、日本企業も変わっていく。有能な人材を採用するために、グローバル基準の採用や人事を始めていくだろう。日本の再生は優秀な若者の「足による投票」に負うところが大きいと思っていたがついにそれが始まったのであろうか?これから発表されるアメリカ名門校の合格発表が待ち遠しい。

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