もっと「日本型経営」に自信を持て --- 岡本 裕明

2013年02月06日 15:27

社長や経営陣が社員と飲み会や食事を通じてコミュニケーションを図るというのはよく聞かれるようになりました。私が会社に入社した84年頃は社長の顔は一年に一度みるか見ないか、といわれたものでした。もしかしたら巨大企業では入社式以来、今でも生の社長を見たことがない、ましてや喋ることなどありえない、という方も多いかもしれません。しかし、社長でなくても上司やそのまた上司と酒を飲み交わすことは案外多いと思います。


アメリカやカナダで仕事をするようになって思ったことはこの「飲みニケーション」がまずないということでしょうか? 西海岸では東海岸時間に合わせて仕事をする人も多く、7時前に出社していることには特にびっくりしません。事実私も毎朝6時半にはPCの前に座っているか現場の仕事に出ます。昼はぶっ通しで仕事をするエグゼクティブも見かけます。サンドウィッチを持ち込んだり、秘書に買わせたりしてとにかく、夕方まできっちり仕事をする、そして、終わればさっさと帰り、家族サービスに切り替える、というスタイルかと思います。

それは業務が機械的にかつ、個人の能力に頼るところが大きいということがあるのかもしれません。ひとつのヒエラルキーというピラミッドの下、業務と責任を論理的に分担し、それぞれの担当者は信賞必罰で望みます。ある意味、そこには仕事を同僚とシェアという発想は薄いかもしれません。一方でこちらは転職天国でもあり、ふとしたことで急に退社するとそれまでのビジネスの流れがわからなくなったりするのも日常茶飯事であるのです。

JALの稲盛和夫名誉会長が日経ビジネスのインタビューで「イージーな経営がすべてをだめにしたと思っています。…欧米流の人材派遣を日本にも導入してきましたが、その結果、忠誠心の高い従業員の心がすさんでしまった。正社員で残った人も自主性を認めてもらえず腐っていった。そして結局全体がダメになった。」と述べています。これは日本が欧米流の効率経営を取り入れたところ、その弊害の大きさは経営効率改善以上であったということでしょうか?

稲盛氏のアメーバー経営は少人数のグループ化によって経営効率をあげるということですが私はこれは日本が古来から行っていた農業の共同作業と同じ発想だと思っています。これは小グループのリーダーが業務ならず、場合によりプライベートの悩みまで相談を受けながら小グループの問題点を隅から隅まで知り尽くした上でグループ内での互助を通して仕事を進めていくということだと認識しています。そこにはグループ員同士の強いコミュニケーションと意見を直接訴え、それを聞くチームリーダーの存在が大きいと思います。

今、大企業になると問題点を指摘しても誰がそれを掌握するのかわからないということは往々にして発生します。その結果、社員はやる気を失うという流れに繋がります。私の会社は従業員数が15~20人程度の規模ですので全体が見渡しやすいし、声を吸収しやすいというメリットがあります。また、時には従業員としょうもない話をするのも大事なコミュニケーションだと思っています。それを通じて双方向の意思の疎通が出来て信頼関係を少しずつ構築するのかな、と思ってます。

最後はもてる人材をどう活用するかが経営者の腕の見せ所、ということでしょうね。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年2月5日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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