中国海軍による海自護衛艦へのレーダー照射事件と望まれる今後

2013年02月07日 11:24

中国海軍による海自護衛艦へのレーダー照射事件に対する安倍政権の対応は適切であったと思う。迅速な公表を前提に、事前にアメリカと相談し支援の確約を得たと推測される点である。


勿論、この意味する所は実に大きい。

以前のアゴラ記事、「尖閣問題」が結果日本の進路を決定したで説明した通り、中国高官は家族をアメリカに移住させ資産も移している。謂わば、アメリカに人質と担保を差し出した状態である。

自衛隊単独でも敗北すると言われている中国軍等、仮にアメリカが参戦すれば秒殺は確実である。

更には、「為替問題」、「人権問題」と中国はアメリカから観て突っ込み所満載の国なのである。

アメリカ政府の懸念発表前後よりのBBC News一連の報道が興味深い。

先ず、安倍首相の遺憾表明とアメリカ政府の懸念表明

次いで、中国国民不満、鬱積の根底にある、 警察の腐敗、横暴地方行政の腐敗中央政府の出鱈目と、まるでネガティブキャンペーンによる対中連続攻撃である。

中国政府も相手がBBCとなれば、まるでサンドバックの様に撃たれっぱなしの状況である。言うまでもない事であるが、BBC Newsは世界の知識人に読まれており、この間中国が失墜したイメージは図り知れない。

民主党の細野幹事長が、政府の公表が遅れた等と、野党らしいいちゃもんを付けているが勿論的外れである。寧ろ、民主党政権時にも同様の事件が発生したにも拘わらず政府が隠匿したという話が流れている。

安倍政権は優先順位を置いて真偽を確認すべきである。細野幹事長の問題指摘発言は、まるでブーメランの様に落ち目の民主党を直撃するかも知れない。

さて、今後について考えねばならない。

先ず、気になるのは「マスコミ」、「国民」共に中国を誤解しているのではないか?と思われる点である。

中国の国家権力者といえば、「国家主席」、「党総書記」、「党中央軍事委員会主席」がトップスリーである。

中国関連に関しては、まるで新華社通信の東京支局としか思えない朝日新聞は問題外としても、殆どのマスコミがこの順に権力構造があると誤解していると思わせる報道が多い。又、国民もそう信じている様に思う。

従って、今回の事件も「軍」の暴走の如き理解になる訳である。しかしながら、実態は真逆である。

中国政府は中国共産党によって決定された政策の実行部隊に過ぎない。従って、西側社会の物差しで診れば、「党総書記」がCEOで、「国家主席」がCOOという事になる。

「軍」の位置づけを語るためには、中国共産党の歴史を振り返らねばならない。

中国共産党を歴史の表舞台に登場させた最大の功労者は毛沢東である。そして、「権力は銃口から生まれる」「軍なくして人民は無」といった言葉は毛沢東を説明するのになくてはならないものである。

何の事はない、「無法者国家」、「ならず者国家」として悪名高い北朝鮮と同じ「先軍政治」を今以って採用し続けているのではないか?

「軍」と中国共産党が一心同体であり、何事においても「軍」が優先され、時と場合によっては銃口は国民に向けられる。「天安門事件」はその具体例である。

こう整理すれば、中国の問題は明らかなのではないか?

先ずは、GDP世界第二位の中国に現在の政治体制は相応しくない。政治は民主化されねばならない訳である。

そして、それを誰よりも理解している政府高官はその日に備え、家族をアメリカに移住させ、不正に溜め込んだ資産を移している。

一方、「軍」は稚拙なやり方でも国民にアピールを続ける必要があると考えているのではないか?勿論、日本に取っては傍迷惑な話であるが。

最後に日本はこの中国に如何に対応すべきかを書かねばならない。

先ずは、中国の実態を正確に理解する事。

次には、今後不都合であっても生じるであろう現象を予想し、予め対応策を策定しておく事。

具体的には、自衛隊増強による防衛力の強化。集団的自衛権認可による日米同盟の深化。南沙諸島で中国と領海権問題を抱える、フィリピン、インドネシア、ベトナムとなど海洋国家との関係強化。中国と国境を接し、13億人の人口を擁するインドとの関係強化が一例である。

最後は、中国共産党王朝の終焉とそれに続く一定期間の混乱に備え、「サプライチェーン」、「業務委託先」、「通商上のパートナー」の応分の割合を、別の新興産業国(ベトナム、ミャンマー、インドなど)に予め分散しておく事と思う。

蛇足かも知れないが、未来ある若者は決して中国等には関与すべきではない。人生を棒に振る事になるからである。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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