核廃棄物の問題は解決できる

2013年02月11日 02:28

NHKスペシャルで核廃棄物をやっていたので見たが、予想どおりナンセンスな番組だった。10万年後の安全がどうとか、最終処分地が決まらないので核のゴミ問題は絶望だとかいう話は、学術会議の報告書と同じく誤ったホラーストーリーである。


この問題を理解するためには、きのうの河野太郎氏と澤昭裕氏とのG1セッションのほうが参考になると思う。核燃料サイクルは破綻しており、撤退するしかない。高速増殖炉が将来実用化しても、採算に乗らないからだ。この点で河野氏と澤氏と私の意見は一致した。

これは難事業だが、最終処分が技術的に不可能であるかのようなNHKの話は間違いだ。10万年後の安全なんか保証する必要はない。プルトニウムより危険な水銀(毒性は永遠に続く)は年間22トン以上も大気中に放出されている。最終処分の技術は確立しており、問題はどこに引き受けてもらうかに尽きる。

その場所が決まっていないので大変だというのもおかしい。核燃料サイクルが行き詰まったら、六ヶ所村の再処理工場は撤退するしかない。その場合に六ヶ所村は宙に浮いてしまうので、それを最終処分地にすることが有力な選択肢である。今は再処理だけして最終処分は別の場所に持って行くことになっているので、国と地元の覚書を修正する必要がある。政治的には厄介だが、技術的には問題ない。

最終処分地としては福島第一原発の近くに埋めるなどの案もあり、六ヶ所村に限る必要はないが、再処理工場がなくなる地元対策としてはちょうどいいし、地盤などの問題もクリアされている。これまで核燃料サイクルに投じられたコストのほとんどはサンクコストであり、考えてはいけない。大事なのは、今後のコストをいかに最小化して撤退するかである。

追記:G1でも言ったが、高速増殖炉の問題は技術ではなく採算性である。OECDの保守的な評価でも、「非在来型ウラン」の埋蔵量は700年分あり、再処理は経済的に意味がない。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 青山学院大学非常勤講師 学術博士(慶應義塾大学)

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