日本発ビジネスには付加価値の奥深さがある --- 岡本 裕明

2013年02月15日 06:00

いまや世界の主要都市で必ず見かけるのがラーメン店。それも独立系から日本のフランチャイズまで入り乱れての戦いですが、十数年前まではこんなシーンは見られなかったのです。例えばバンクーバーにおいてはラーメン店は数えるほどでした。麺が食べたければ中華料理系のヌードルショップで中華ラーメンを食べることも出来ました。ですが、中華料理屋のラーメンが北米で馬鹿受けしたという話は聞いたことがありません。


ではなぜ日本のラーメンが受けたのか、さまざまな見方があると思いますが、私はトッピングとスープにあるかと思います。トッピングはきれいでおいしそうに見せる日本独特の技であります。一方、スープですが、中華ヌードルの場合、スープを飲み干すことはあまりないとされていますが、その理由はヌードルが主役、スープは脇役という位置づけだからでしょうか? ところが、ラーメンの場合は麺とスープが両方とも主役になれるというところに強みがある気がします。事実、白人は猫舌の人が多いので、熱いのをすするラーメンはまず無理。結果としてのびきった麺をぼそぼそと食べるのですが、それでもおいしいと思わせるのはスープが決め手だからではないでしょうか?

麺とスープの相互関係が対等という意味ではうどんがその代表的存在になります。香川県でアンケートをとると麺とスープはほぼ互角の力関係になっています。トッピングの自由度という点からもうどんの海外進出はあってもおかしくはないと思います。

日本のお菓子はお土産として最も喜ばれるアイテムのひとつです。こちらのお菓子は種類も限定的で味もまぁまぁ、というところです。ところが日本のお菓子は洋菓子でも和菓子でも味の奥行きに圧倒的な強みがあると思っています。

文房具も日本製は極めて品質の高いものだと思います。芯を使わないホッチキスは私も使ってますが、なるほど、うまく出来ています。これもいまや、日本では500円程度で購入できるわけでこちらで市場開拓は大いに期待できるところではないでしょうか? ところがこちらの文房具は安いものが大量に流入し、かつ、会社の場合、購買担当者がまとめて発注することから日本の文房具のよさをアピールする機会が少ないのは事実です。確かにボールペンは事務所にいつも十分に備えられていますが書き心地のよさとか、十分に選ばれて購入したというより単にカタログとその表示価格が決定要因ではないかと思います。

北米にある文具大手のチェーン店に行ったことがあるか、といえば、案外、ない、と答える人は多いような気がします。私も少なくともこの2年は足を運び入れたことはありません。なぜなら、倉庫のようなところで入っても決して楽しいと思わせないからであります。

日本の商品は付加価値がポイントであるのです。先述の中華ヌードルではなく、ラーメンというのも付加価値がそこに備わっているからであります。その付加価値を認識させるのに白人には実に時間がかかります。ラーメンでも私が思うのは人気店にアジア人の大行列が出来て、それが雑誌などに載り、白人社会に徐々に浸透していったという流れだったと思います。

バンクーバー発のホットドック店で私の後輩が経営する「ジャパドッグ」はホットドッグ革命を起こしたと思っています。それは、それまでせいぜい3ドル程度だったホットドッグの価格を二倍近くまで引き上げ、付加価値を価格に転嫁させた点で素晴らしい成果を挙げたと思っています。いまやバンクーバーの街中の飲食スタンドではそれに負けじとさまざまな商品が売られていますが、そこには付加価値を作るという若者の野望が見えて取れます。

日本企業は素晴らしい付加価値を作っています。それが利益として反映しないのは価値を自己否定しているのではないかと勘ぐりたくなります。ある意味、ボトムラインばかりを見ている気がします。もっと大きく伸びる余地があるのに実にもったいないものです。日本はまだまだ伸ばせる余地があると思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年2月14日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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