日米首脳会談を終え日本は何処に進むのか?

2013年02月24日 11:32

日米首脳会談は成功裏に終了した。日本に取っての喫緊課題は、「安全保障」の強化と「通商拡大」による経済成長の恒常化である。


前者については「日米同盟」の深化。後者については懸案TPPでアメリカ側が「聖域なき関税撤廃」を求める事はなく、実質日本の交渉参加が決定した。

今世紀もアメリカが世界唯一の超大国の地位に留まる事を望むのであれば、世界で唯一成長が期待出来るアジア、太平洋地域の成長の果実の分け前にありつかねばならない。

そのためには日本と手を組み、日本を軸に戦略を立てるしか手段はない。従って、今回の日米首脳会談の結果は極めて、自然、当然のものである。

民主党政権下では日米関係がおかしくなり、交渉はちっとも進展しなかった。

これは、鳩山元首相、菅元首相が余りにも馬鹿で、政権自体も同様無能の極みにあったからに過ぎない。要は、ゲームでのパスの如き時間の浪費を続けていた訳である。

今回の結論に至った背景、今後日本が進むべき方向については「尖閣問題」が結果日本の進路を決定した、及び、日米首脳会議の結果とその後を予測するで、詳細説明した通りである。間違いなくこの方向で進む事になる。

この機会に日本国民は下記三点を理解せねばならないと思っている。

先ず第一は、今更ながらであるが世界経済における日米のポジションである。

未来ある若者は決して中国とは関与すべきでないで説明の通り、世界経済を俯瞰すると下記の通りとなる。

アメリカは人口3億人でGDPは15兆ドル。一人当たりのGDPは5万ドル。

日本は人口1.2億人でGDPは5.8兆ドル。一人当たりのGDPはアメリカ同様約5万ドル。

EUはドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペインで人口3億人。GDPは12兆ドル。一人当たり4万ドル。

中国はGDP世界第二位といっても、人口13億人でGDPは7.3兆ドル。一人当たり6000ドル弱で日本の十分の一程度。

インドは12億人でGDPは1.7兆ドル。一人当たり約1500ドル弱。

人口が1億人を超える大国で一人当たりのGDP5万ドルを達成しているのは日米両国のみであり、今回の合意は、その両国がアジア・太平洋地域で「安全保障」、「通商」でがっちり握手を交わした事を意味する。

次は、「アメリカの陰謀」であるとか、「アメリカによって搾取される日本」といった、性質の悪い識者、論者そしてマスコミによって撒き散らされる妄言が如何にナンセンスか? という話である。

日本は第二次世界大戦により焦土と化した。そして、灰の中から再び立ち上がり今日の地位を確立する所まで登り詰めた訳である。

仮に、「アメリカの陰謀」や「アメリカによる日本の搾取」があったとするならば、経済成長を達成し豊かな国つくりを目指す新興産業国はアメリカに頭下げ、「どうか、我が国に陰謀を巡らせて下さい」とか「何卒、我が国を搾取して下さい」と要請すべしの結論となる。

誠に以て馬鹿馬鹿しい話ではないか?

最後は、何時もの事であるがマスコミの演出する本質からずれた大騒ぎである。

TPP参加に対し「経済界」は当然賛成する。一方、「農業関係」は反対するに決まっている。

マスコミはこれに便乗して、まるで国論を二分するが如き論調を展開するに違いない。

しかしながら、これは誤りである。大きな政府の終焉で説明した通り、農業に寄生する「既得権者」の駆除は今世紀の日本の繁栄を願えば待ったなしであり、これまで手つかずであった事が寧ろ問題なのである。

安倍政権のやるべき仕事は農業問題を突破口に日本の「構造改革」を強力に推し進める事に他ならない。

アルジェリア人質事件、尖閣での落ち着いた冷静な対応。そして、今回の日米首脳会談での見事な着地を目の当りにして、日本国民は従来の「決められない政治」から「決める事の出来る政治」へのパラダイムシフトを実感として体験した。

結果、夏の参議院選挙は自民党の圧勝となるに違いない。

決められない政治を代表する「民主党」は党消滅の危機に瀕するのではないか?

戦後、一貫して「いちゃもん」に終始して来た「社民党」の消滅はほぼ確実ではないか?

永らく権勢を保った小沢一郎氏も「所詮調子の良いポピュリストに過ぎない」と化けの皮が剥がれてしまった。次期選挙では小沢氏の率いる生活の党など話題にすらならないのではないか?

その他、雨後の竹の子の如く乱立する少数野党の命運も多分似た様なものと推測する。

結果、自民党が大勝を果たす事になる。そして、衆参の捻れを解消するに留まらず、政治のオーナーたる国民の圧倒的支持を受けての実質「独裁政権」が誕生する事になるのではないか?

日本国民は、一度立ち止まり、「独裁は悪か?」という重いテーマに直面せざるを得なくなる。

今の日本は「繁栄の道」を歩くのか?、はたまた、「衰退の道」へと歩みを進めるのか? の分水嶺に立っている。

そして、健全な民主主義を構成し、持続するために必要な、「国民の民度」、「政治家の資質」、「マスコミのレベル」に対し、国民自身が疑問を持っている。

日本の政治が「悪しき独裁」に組する事なく、シンガポールのリー・クアンユー氏型の「善意の独裁」のもたらす効率を認め、採用する可能性は検討されてしかるべきであろう。

仮にその方向に行けば、安倍政権の寿命は長期となり、財政規律回帰に向け「社会保障」に大鉈を振るい、日本社会の「構造改革」実現のために既得権益の一掃を図る事となる。

山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役

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